トラクターのリアワイパーが動かない原因の多くは『根元のネジの緩みによる軸の空回り』です。この記事ではイセキTH233を例に、5分でできる修理手順を解説します
【事例】イセキ トラクター(TH233)のリアワイパー症状
各部動作確認、・・・リアワイパーが動かない・・・
各所動作確認を行います。
普段使っている機能の部分は作業してみないと きちんと機能しているかわからない部分であり、そもそも問題があれば都度対処(修理や調整)しているのでこの時は特に何もしません。
作業時にあまり使わない機能の部分を確認します。

普段作業中にあまり操作する事が無い部分は
操作スイッチが 椅子(シート)の横に設置されています。
写真のスイッチは前後のワイパー操作スイッチと
前後の作業灯のスイッチです。
フロント ウインドウウォッシャー液噴射! OK!
フロントワイパー作動! きちんと動くのですがワイパーブレード(ゴム)が切れています。

ワイパーブレードは消耗品なので、後日ワイパー変えゴムを購入して交換することにします。
次はリアワイパー部確認

リアワイパーは、ワイパーを動かすモーター部に ON・OFF切り替えスイッチが有ります。
このメインスイッチ?をONに切り替え
シート横のスイッチで動作確認
リア ウインドウウォッシャー液噴射! OK
リアワイパー作動! ・・・少しだけ動いて止まってしまいました
一旦スイッチを切り、もう一度作動させてみるとほんの少し動く気配はあるのですが、動きません。
モーター部が壊れているとすれば、イセキ に頼んで部品取り寄せです が・・・
リアワイパーが動かない原因解明と修理

落ち着いて、よく観察すると
ワイパーの根元の軸はちゃんと 時計回り↔反時計回り に動いています が
ワイパーは動いていません。
どうやら動作不良の原因はワイパーアームの取り付け部にありそうです。

リアワイパーの空回りの元を調べようとしてリアワイパーを引き起こしたら、
ワイパーアームが根元から簡単に抜けてしまいました。
モーター軸は丸いシャフトが出ているだけで、位置決め・抜け止め・回り止め等は何も考えられていない作りです。
シャフト端面付近のDカットさえされていません。
Dカット とは

丸棒の1か所を平面に削った加工方法です
断面がアルファベットのDの字の様になる為、通称Dカットと呼ばれています。
主に軸と軸に取り付けた部品の回り止め(滑り止め・空回り防止)の為に使われる方法です。
リアワイパーが動かなかった原因
リアワイパーが動かなくなった原因は 単純で ワイヤーアームを取り付ける根元のネジが緩んでしまった事です。
モーター軸が空回りしていたようです。
動作確認してよかったです。
リアワイパーはほとんど使わない部分なので、気が付かずにそのまま使っていたら 振動で抜け落ちて何処かへ落としてきてしまう可能性大です。
リアワイパーの動作不良修理

原因が解れば修理は簡単です。
ワイパーアームの取り付け部のネジをしっかりと閉めこむけだけです。 が
モーター軸は単純な丸棒で位置決めの基準になる印などついていません。
修理手順
- ワイパーを外した状態でワイパーを作動させモーター軸の動きを観察します。
- ワイパーが一番下に来た場所(反時計回りから時計回りに切り替わる瞬間)でワイパーのスイッチを切ります。
- ワイパーを一番下にした時の位置に合わせてモーター軸にワイパーの根元を差し込みます。
- ワイパーの根元のネジをしっかりと閉めこみます。
- ワイパーが窓に当たる様に倒して修理完了です。
追記 メーカー ヰセキ(井関農機株式会社)さんへの提案
重要保安部品では無いと思うので、
自分のトラクターは自己責任で勝手に弄ってしまおうかと思っているのですが、
ヰセキさん
「キャビンの後ろのワイパーがいつの間にか取れて、無くなっていた」
というクレームは有りませんか?
釈迦に説法で余計な節介かもしれませんが、1点提案させて頂きます。
キャビン前方のワイパーは車と同じような取り付け方をされているのに対し、
キャビン後方のワイパーが簡単な取り付け構造になっているのは
使用頻度に対する 強度とコスト の面でこうなっていると想像しての提案です。
製造コストをあまり上げずに、後部ワイパーの 紛失防止の為に
後部ワイパーモーター軸の ワイパーアーム取り付けネジ部分にネジ径より広い幅で深さ1mm位の溝を付けるという案はいかがでしょうか?

この形にすればネジが緩んでワイパーが動かなくなった状態になっても、
振動で抜け落ちる という現象はかなり抑えられると思います。
部品の製作時に旋盤加工を追加するだけなので、あまりコストも上がらないと思います。
クレーム受付・品質保証・管理・設計・開発・他 ヰセキの関係者の方がこの記事をご覧になったら、ご検討ください。
まとめ
私の様な兼業農家で、トラクターの稼働率が低い方も最低でも 1回/年 位は普段使わない機能を含めて動作確認は行うべきです。
今回はリアワイパーが動かない状態で対処できたので まだよかったのですが、気が付かずに何年もそのままにしていたら、
知らないうちにリアワイパーが無くなっていた(何処かへ落としてきた)、という結果になっていたと思います。
トラクター等 農機具は所詮作業道具なので作業時は多少雑に扱って、汚れる・壊れる は仕方ないのですが、たまにはきちんと整備して長年に渡って使い続けるべき物だと思っています。
以上、


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