草刈機(刈払機)の調子が悪くなる原因の1番にあげられることはキャブレターの詰まりです。
調子が悪くなってしまった場合はキャブレターの分解・掃除・調整 のメンテナンスが必要になりますが、調子のよい状態であれば草刈りをした後、ひと手間をかけるだけで長期間 調子のよい状態で草刈機(刈払機)を使用する事が出来ます。
この記事では使用後の燃料の抜き方と保管方法について紹介します。
ちなみに、
草刈機とは芝刈り機の様な地面を走らせて草を刈る物で、
刈払機とは手で持って草刈り作業を行う物、という分類分けが有ります。
草刈機(刈払機)の使用後には必ずキャブレター内の燃料を抜き取りましょう
世の中には草刈機(刈払機)を新規購入して使用し、そのまま放置。
何のメンテナンスもせずに、調子が悪くなった・エンジンが掛からなくなった、と言って2~3年で草刈機(刈払機)を買い替える。
という方もいらっしゃるようですが、この記事を読んで頂いている方は 今持っている草刈機(刈払機)を大事に長期間使いたいと考えている方だと思います。
草刈機(刈払機)なんてものは高かろうが安かろうが所詮道具なのでいつかは壊れる物です。が、
使用中は多少無理をさせて乱暴に扱っても、使用後のメンテナンス次第で何十年も使用する事が出来ます。(良い物を購入した方が長持ちしますが)
ちなみに我が家の一番古い刈払い機は購入後50年目になりますがいまだに現役で活躍しています。
草刈機(刈払機)の不調の原因の一番はキャブレターの詰まりだと思います。
次点以降としては燃料フィルターの詰まり・燃料ホースの劣化・スパークプラグの汚れと劣化・マフラーの詰まり・と言ったところでしょうか。
4サイクルエンジンと2サイクルエンジンを比べると、混合ガソリンを使用する2サイクルエンジンの方がキャブレターが詰まり易いです。→ 2サイクルオイルが混合されている為、燃料の粘度が違います。
4サイクルエンジンの場合はバルブクリアランスの乱れも考えられます。
「機械の事はよく解らないから、そんな細かい事を言われても対応できない」という方でも、草刈機(刈払機)の使用後に必ずキャブレター内の燃料を抜く。 これを行うだけで、何年も調子良く草刈機(刈払機)を使用する事が出来ます。
燃料を抜き取らずに入れっぱなしで長期間保管するとどうなるか
おじさんは道具の使用後は軽く手入れをしてからしまう事にしているので、自分の道具でひどい状態になった事はあまりないのですが、
(ひどい状態になった事が無い訳ではありません。興味のある方は カテゴリー草刈機 刈払機 から記事を見て下さい)
(ほぼ趣味の範疇で)中古農機具屋さんから購入した刈払い機を修理してみると
・燃料フィルターが黒くなり目詰まりしている物(多分腐った混合油の中に長時間放置された物)
・燃料ホースが劣化して固くなり割れている物
・キャブレターを分解してみると、キャブレター内の小さな穴が何か所も目詰まりしていた物 も有りました。
余談ですが、腐った(劣化した)燃料はガソリンスタンドへもっていけば格安で処分してもらえます。
刈払い機の使用後の燃料の抜き方と保管方法
おじさん(私)は、刈払機を使ったらその日のうちに毎回燃料を抜いて保管しています。
刈払い機のキャブレターの燃料の抜き方
手順は割と簡単です。
用意する物
- 使用後の刈払い機
- ガソリン携行缶
2サイクル用混合ガソリンを缶で購入した方は、その缶を利用 - オイルジョッキ(必須ではありませんがあった方が良いです)
使い古しの片手鍋などでも代用できます。
手順
燃料タンクのキャップを外し、燃料タンク内の燃料を抜き取ります。
燃料タンクの燃料を抜くときはオイルジョッキが有ると便利です。
ガソリン携行缶などに直接燃料を戻そうとすると、かなりの高確率で燃料をこぼします。(実体験です)
燃料を抜いた後、プライマリーポンプ(透明な半球の部分)を数回 押す・離す の動作を行いキャブレター内の燃料を燃料タンク内に排出させます。
この時、燃料フィルターから燃料を再度吸い込まない様に、刈払い機を傾けて燃料フィルターが上にある状態で作業します。
燃料タンク内を見ながらプライマリーポンプをペコペコすると、燃料が排出されるのが確認できます。
この時、プライマリーポンプ部に少しだけ燃料が残ってしまいますが、そこはあまり気にしなくても大丈夫です。
燃料タンクの中を見ると意外と多い量の燃料が排出されていると思います。
再度、燃料タンクの燃料を抜き取ります。
抜き取った燃料をガソリン携行缶等の容器に移し替え、しっかりと蓋をして少し離れた場所へ移動させます。
火気厳禁 気化した燃料が周りにある可能性がある為、必ず燃料保管容器の蓋をしっかりと閉めてから次の動作に移ります。
メインスイッチを 始動(又はON)の位置にして
スターターロープを引きエンジンを掛けます。
・エンジンが掛かった場合:残った燃料を使い果たしてエンジンが止まるまで(アイドリング状態で)そのまま放置します。
(4サイクルエンジンの場合エンジンが止まるまで時間がかかります。4サイクルエンジンって燃費が良いんだなと実感できる場面です)
・エンジンが掛からなかった場合:2~3回スターターロープを引いてキャブレターに残った燃料を排出させます。
オイルジョッキは高級な物を使う必要はありません。この機会にオイルジョッキを一つ用意する事をお勧めします。
オイルジョッキを使わなくても、古くなって使えなくなった様な片手鍋(雪平鍋)や、深さがあるフライパンなどを使用しても良いでしょう。
雪平鍋やフライパンを使用する場合、ガソリン携行缶に混合油を移す時にこぼさない様に注ぎ口をとがらせる様に追加工しておくと使い易くなります。
ちなみに、おじさんは農機具やバイクのオイル交換時にはオイル受けとして古いフライパンを使用しています。
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【この部分は参考程度に自己責任で判断してください】
おじさん独自の考えですが、2サイクルエンジンの刈払い機を使用した最後に30秒くらいフルスロットルでエンジンを回し、その後アイドリング状態で少しエンジンを回して(エンジンを少し冷やす為)からエンジンを止め、燃料の抜き取り作業を行います。
フルスロットルでエンジンを回す目的は、排気側(マフラー)の詰まり防止で 残った2サイクルオイルを焼ききる(吹き飛ばす)つもりで行っています。(多分気休め程度の効果しかないとは思いますが)
・エンジンをフルスロットルで回し続けるとエンジンに無理(大きな負荷)が掛かり最悪の場合ピストン焼き付きの可能性も有りますので、おじさんの真似はしない方が良いかもしれません。
刈払い機の保管方法
メインスイッチを停止(又はOFF)の位置にします。
エンジンが十分に冷えるまで待ちます。
エンジンが熱いうちに可燃物の上などに置くと火災発生の危険が有ります。
刈払い機の汚れがひどい場合は、刈払い機が冷えてから掃除をします。
おじさんの場合気まぐれで、掃除を行わない場合の方が多いのですが・・・
飛散防止カバーの裏側などは亀の子たわしでこびり付いた草の屑を取り除きます。
保管場所
保管場所は直射日光の当たらない、暗い倉庫(物置)の中がおすすめです。
直射日光が当たると樹脂(プラスチック?)部品が紫外線でダメージを受けて表面からボロボロになっていきます。
又燃料ホースも劣化して固くなります。
おじさんの考えでは、一度も使用しなくても数年間直射日光が当たる場所に置いてあった物は点検してからでないと怖くて使う気になれません、
中古農機具屋では、燃料タンクが劣化して指で触るとボロボロと崩れる様な物が放置されている場合が有ります。
刈刃カバーが有る場合は必ず刈刃カバーを装着して保管するようにしましょう。
(刃先の保護・立てかけた壁の保護の為)
保管する置き方は
燃料を抜いてあれば立てかけて保管すれば場所も取らずに収納できます。スペースに余裕のある方は横置きでも もちろんOKです。
高さが有る倉庫で保管する場合は、ホームセンターで陳列されているようにぶら下げて保管すれば刃先をどこかへ当てて痛めてしまう心配も少なくなります。
ぶら下げて保管すると床の有効利用も期待できます。
*4サイクルエンジンの刈払い機は機種によっては縦置きが出来ない場合が有ります。(エンジンオイル漏れの可能性)
4サイクルエンジンの刈払い機は取扱説明書を読んで置き方を判断してください。
自走式草刈機の使用後の燃料の抜き方と保管方法
自走式草刈機の使用後の対応も基本的に刈り払い機の場合と同じ考え方で対応します。
自走式草刈機のキャブレターの燃料の抜き方
自走式草刈機の場合、燃料タンクの燃料を抜き取るのは容易な事ではありません。
おじさんの使用している自走式草刈機の場合は、タンクを外して燃料を抜くという方法しか考えられません。
上記理由から燃料タンクから燃料を抜き取る事は諦めて、1~2年に1回くらい燃料フィルターの掃除を行います。
燃料フィルターは、キャブレタークリーナーか灯油で洗浄出来ます。(完全に目詰まりした燃料フィルターは洗浄してもあまり綺麗にならないので部品交換を行った方が良いです。
管理機(小型耕運機)等はキャブレター自体が草刈り機と違っていて、キャブレターの下に燃料が溜まる場所が有り、燃料を抜くためのレバーが付いていたり、燃料コックの操作で燃料を抜く事が出来ます。
燃料タンクの燃料を抜く事は諦めて、キャブレターの中の燃料を抜き取ります。
手順
燃料タンク内の圧力を抜くために燃料タンクのキャップを緩めます。
出来れば燃料キャップを外した方が良いのですが、草の生えた地面の上で作業をすると外した燃料キャップが見つからず余計な手間がかかってしまうので、今回は燃料キャップを完全に緩めた状態で給油口の上に軽く載せて作業します。
燃料タンクからキャブレターへ燃料を送るホース(黒いホース)を慎重に抜き取ります。
この時、チューブを手で押しつぶした状態で抜かないと、燃料がホースから吹き出します。
外したチューブを燃料タンクの液面より上まで持ち上げてそっと手を離します。
この状態で燃料が噴き出る様であれば燃料タンク内の圧力が逃げていないので、燃料タンクのキャップがちゃんと緩んでいるか確認します。
燃料供給ホースと燃料キャップを外した状態でププライマリーポンプを数回 押す・離す の動作を行いキャブレター内の燃料を燃料タンク内に排出させます。
メインスイッチ ON
スターターロープを引いてエンジンを始動させます。
・エンジンが掛かった場合:そのままエンジンが止まるまで待ちます。(キャブレター内の燃料が無くなるまで)
・エンジンが掛からなかった場合:スターターロープを2~3回勢い良く引いてキャブレター内の燃料を排出させます。
草刈機をしまう前に忘れず、燃料供給ホースをキャブレターへ装着します。
外したままで保管するとゴミの混入の心配が有りますし、次回使う特に気が付かずにプライマリーポンプを押すと燃料が吹き出します。
燃料タンクのキャップもしっかりと閉めて保管します。
しっかりと閉めておかないと次回使った時に燃料キャップが落ちてしまい必死になって探すという無駄な行動を引き起こします。
(恥ずかしながらこれも実体験です。燃料キャップの内側の部品は機械に付いたままで燃料キャップの外側だけ外れて落ちていました)
補足 自走式草刈機は地面近くで土埃を上げながらの作業になる事も有るので、エアーフィルターが目詰まりしやすいです。
刈払い機と比べて自走式草刈機はこまめなエアークリーナーの掃除が必要です。
自走式草刈機の保管方法
メインスイッチを停止(又はOFF)の位置にします。
草刈機の下側は草の切れ端や土が付き易く厚い層になってしまう事もあります。
毎回とは言いませんが、たまには機械の下側を確認して張り付いた草の切れ端と土が混ざってこびり付いた物を除去しましょう。
保管場所は直射日光が当たらない暗い倉庫(小屋)で保管する事をお勧めします。保管する倉庫が無い場合は直射日光が当たらない様にカバーをかけて保管します。(ブルーシート等の安い物でも、なにも覆わないよりは良いです)
ちなみに、おじさん(私)の場合
自家用車は青空駐車で直射日光をまともに受けていますが、農機具等の何十年も使う物はシャッター付きガレージに保管しています。
(自家用車も20年以上乗り続けているので塗装が剥がれてきて、慌ててクリアー塗装して何とかごまかしています。)
草刈機・刈払い機を長年にわたり調子良く使い続けたいと思う方は使用後のひと手間を惜しまずキャブレターの燃料抜きを行ってみて下さい。
以上、
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