法面草刈り機 丸山製作所のMGC-S510EXの替刃交換工程を写真入りで紹介します。
製造元は斎藤農機製作所で、
- 斎藤農機製作所ではSGC-S501という型式で
- クボタではGC-K501という型式で、
- 丸山製作所ではMGC-S501(EX)という型式で販売されていたものです。
物は同じなのでここでは便宜上クボタのGC-K501と呼ばせていただきます。
草刈り中に刃が破損
草刈りの途中で大きな石に刃をぶつけてしまい、刃が折れてしまいました。
この機種はフリー刃になっている為、障害物に当たると刃が逃げて刃こぼれを防いでくれる構造の物ですが、何年も使っている物なので長年の衝撃の蓄積で刃が折れてしまったようです。
刃が折れた直後からは異常振動が起こり、危なくてそのまま作業を続ける事が出来ません。
今まで使っていた刃は摩耗限界の目安の穴位置まで摩耗してしまった物を、上下の刃を入れ替えて逆向きに再利用していました。
(これはメーカーの取説にも 刈刃は表裏1回ずつ使用できます と書いてあります)
刃の使用限界に近づいていて、替刃ASSYはあらかじめ購入してあったので、早速刃の交換を行います。
私の使っている草刈り機は丸山製作所のMGC-S501EXですが、
近くに丸山製作所の営業所が無い為、近くのクボタのお店で購入しました。
交換刃のみで他社からも対応品が販売されていますが、今回はクボタ純正の替刃セットを使用します。
カリハアッシ〈501〉 品番L6271-91102
- 刈刃 4枚
- 刈刃ピン 2本
- 抜け止めピン 2本 がセットになって販売されています。
構造上、下側から差し込んであるピンの頭と首下が摩耗してしまう為、
メーカーの取扱説明書には注意事項として
新刃と交換する際は下側の刈刃ピンと抜け止めピンも必ず交換する様に書いてあります。
ちなみに上記のセットをインターネットで検索してもあまり出てきません。
しかも結構いいお値段で販売されています。
カリハアッシを購入する時はお近くのクボタの取扱店に価格を尋ねてみる事をお勧めします。
お近くの取扱店は、クボタのホームページの右上 クボタのお店∨ 農業機械 の部分で調べる事が出来ます。
ピンの頭部分の摩耗だけではなく、頭のすぐ下の部分に窪んだ溝が出来ています。
刃の回転によって摩耗した結果だと思います。
新品のピンはこの溝は無く頭の下は真っ直ぐになっています。
今回はメーカーの取扱説明書の通りに下側の刈刃ピンと抜け止めピンも交換しましたが、
ピンの摩耗状態を見ると、もう1回位ならば使えそうな気がします。
社外品の替刃のみで、安い物を探して交換しても良かったかもしれません。
(社外品を使う場合は当然 自己責任となります)
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刈刃の交換手順
取扱説明書には注意として、
刈刃の交換作業は一人で行わず、必ず二人で行ってください。ハンドルをしっかりとささえてもらいながら作業してください。
と 明記されていますが、あいにく家族は外出中で手伝ってもらう人がいません。
さてと、どうしましょう
刈刃の取り外し方
木製パレットの溝に車止め替わりに木の角材を置き、草刈り機をひっくり返しました。
ワイヤーに多少の負荷が掛かりますが、この程度ならば大丈夫だろうと判断して、この状態で刈刃の交換作業を始めます。
追記 *注意、プラスチックのフィンが折れてしまいました
刈刃の交換後、何回か使ってから気が付いたのですが、エンジン上部のプラスチックの羽根?が片方根元から折れていました。
多分、刈刃の取り換えで本体をひっくり返した時にこの部分に力が掛かり折れてしまったのではないかと思います。
ホルダー(刃が付いている大きな円盤)の取り外し
- ホルダの羽根部とフレームの間に付属金具(角パイプ)を入れ、ホルダの回り止めをします。
- ホルダ取付ボルト(ネジ頭対辺14mm ネジサイズM10 4本)を外し、ホルダを外します。
ピン固定ボルトと座金の取り外し
ピン固定ボルトと座金を取り外します。
ピン固定ボルト頭対辺10mm
抜け止めピンの取り外し
抜け止めピンを引き起こし抜き取ります。
この部分は、以前上下の刃を入れ替えた時にグリースを塗っておいたので指の力で抜き取る事が出来ましたが、初めて交換する方はこの部分が錆びついて固着している可能性が有ります。
抜け止めピンがびくともしない場合は、多分中が錆びついています。
潤滑スプレーをたっぷり吹き付けてしばらく放置した後
マイナスドライバーか何かで無理やりでも、上の写真の様にL字型のピンを引き起こし、後はグリグリと動かして無理やり引き抜いてください。
刈刃ピンと刈刃の取り外し
刈刃ピンと刈刃を取り外します。
ここも以前にグリースを塗っておいたのであまり苦労せず抜き取る事が出来ました。
この場面も初めて交換する方の物は錆付いて固着していると思います。
刈刃ピンが抜けない場合は、潤滑スプレーをたっぷり吹き付けてしばらく放置した後、ポンチなど当て金をしてハンマーで打ち抜きます。
私の場合は錆び付いてはいなかったのですが、隙間に入り込んだ土が固まっていて抜き取りにくい場所が有ったので、小さい金槌(シャフト径よりも小さい)を当ててその上から大きな金槌で叩いて抜き取りました。
刈刃ピンの穴掃除
刈刃ピンを抜くのに苦労したという事は、入れる時もきつくて入りにくい状態です。
取り替刃の取り付けの前に、刈刃ピンを入れる穴の掃除をしました。
グリースと土が混ざった物が付いているので、柔らかいスポンジで擦ったくらいでは穴の中の汚れを落とす事が出来ません。
工業用パッドを丸めて穴にねじ込み、グリグリと回して、穴の中を綺麗に掃除しました。
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刈刃の取り付け方
組付けのコツ 錆止め用にグリースを塗って組付け
取り外しの作業で苦労した方はもう分かっていると思いますが、錆び付いた箇所を外すのは大変苦労します。
錆び付き予防の為に、組付け前に、
- 刈刃ピン
- 刈刃ピンを入れる穴の中
- 抜け止めピン にたっぷりとグリースを塗りつけて新しい刈刃を取り付けます。
刃の向きに注意
刈刃は真っ直ぐな板では無く
取付穴部分と刈刃部分の間で少し角度を付けてあります。
上側の刈刃は上側に反るように、下側の刈刃は下側に反るように組付けます。
ホルダーの向きに注意して本体へ取り付け
後述しますが、実はここでホルダーの表と裏を間違えるという初歩的なミスを犯し、大変な事になりました。
上の写真の様に取付すれば、刈刃の交換作業は終了です。
ホルダー取付けボルトは規定トルク 約52N・m(530kgf・cm)ですが、私は対応できるトルクレンチを持っていないので、ねじを回し切ってしまわない程度に強く締めて、少し試運転をしてから確認(増し締め)で対応しました。
これで刈刃の交換は終了です、コツとしてグリースをたっぷりと塗ることを強くお勧めします。
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グリースは汎用グリースとして売られている物で充分です。
失敗談 刈刃ホルダーを逆向きに付けてしまった結果
私のポカミスで刈刃ホルダーを表裏を間違えて逆に付けてしまい、そのまま試運転で1時間以上草刈りをしてしまいました。
結果、巻きつき防止ハネが直角に近い角度まで曲がってしまいました。
ペンチで掴んで曲げを直そうとしたのですが、おじさんの握力でペンチを握って ではこの鉄板の曲がりを直す事が出来ませんでした。
大分直した後の写真ですが巻きつき防止ハネの修正にダイソーのフリーレンチを使って対応しました。
ペンチを握りしめて曲げようと思っても、余程握力が強い方でないと不可能だと思います。
モンキーレンチやパイプレンチ等、刃の開き具合いをネジで調節できる工具で,柄が長い物が有れば、てこの原理で上手く直す事が出来そうです。
一生懸命直した結果が上の写真です。
この後、刈刃ホルダーを取りはずし、高圧洗浄後 4か所の刈刃取付部を再度グリースアップし正規の方向で組付けなおしました。
以上、
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