キャブレターの分解
ようやくキャブレターの分解・掃除・調整に取り掛かります。
キャブレターの下を見ると4本のネジが有ります。このネジを緩めて抜き取るとキャブレターの分解が出来ます。
下から順番に外していきます。
ゴムシートの真ん中に金属が付いている部品
メタルダイヤフラムという部品です。
本来このゴム部品は真っ平で、少しでもしわが出るとエンジンの回転が不安定になります。
通常 刈払い機の調子が悪くなってきた段階では、このメタルダイヤフラムの1か所にしわが寄ったくらいですが、
メタルダイヤフラムが完全にダメになっています。( ゴムシート全体がしわしわになっています。)
今まで、よく動けていたな と思うレベルのへたり具合です。
ここは薄いゴムシートに金属が付いている物だけに見えますが、メタルダイヤフラムの上にガスケットが入っています。今回の修理段階では、メタルダイヤフラムとガスケットが固着して剥がせない状態でした。
この部品は消耗品なので、新品と交換する必要が有ります。
次のブロックの上にもダイヤフラムとガスケットが入っています。
このダイヤフラムはまだ使えそうなのですが、今回は安いダイヤフラムセットを購入するつもりなのでついでに交換する事にします。
ここでガスケットの形を確認します。
(出来ればスマホ等で写真を撮っておくと良いでしょう)
端から順にバラして行けば良いのですが、ここで1点注意事項が有ります。
*注意 一番上の扇型の部品の真ん中のマイナスドライバーで回せる部分は、初心者は弄ってはいけません。これは燃調(燃料調節)ネジです。不用意に初心者が弄ると後の調整に苦労します。今までそこそこ動いていたエンジンであれば、ここは弄らずに掃除と消耗部品の交換で調子が良くなるはずです。
*どうしても弄ってみたい方は、元の位置が解るように、一度このネジを時計回りに動かなくなるまで回してみて、いっぱいに締めた状態から何回転戻しが元の位置か解るように確認してから弄るようにしましょう。
キャブレター内の消耗部品の手配
ダイヤフラムの形が解ったので、部品手配をします。
ダイヤフラムは何種類かありますので、キャブレター分解前に手配ではなく、キャブレターを分解してみてダイヤフラムの形を確認してから手配するようにしましょう。
上側のダイヤフラムはおじさんが知っている範囲で2種類あります。形の違うダイヤフラムは当然そのキャブレターには使えません。
キャブレターをバラした状態で農機具屋やホームセンターへ持っていき、物を確認して購入するのが確実ですが、下側のメタルダイヤフラムとメタルダイヤフラムに付くガスケットだけで2,000円位は掛かります。
前から気になっていた商品を使ってみようと思い手配しました。価格が安すぎるので不安ですが物は試し、で使ってみる事にします。
キャブレターの内部の部品が全部入っていて2セットで655円~(2021,08,5、現在)
信じられない安い価格です。
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余談はこれくらいにして本題に戻ります
購入した キャブレター内の消耗部品 の確認
実は、このダイヤフラムとガスケットだけ欲しかったのですが、アマゾンでは納期が2~5週間かかる物です。
240円(2021,08,5、現在)、送料無料 は魅力的なのですが、早く部品を購入したかった為、修理用オーバーホールセットを購入しました。
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ジッパー付き小袋に、1セットずつジッパー付き小袋に入って、2セット入っていました。
部品12種類、なぜかバネは2本入っていました。
合計13個の部品が2セットで655円・送料無料(2021年8月現在 プライム会員)アマゾン恐るべし!
1セットを袋から出して並べてみました。
・右側の列は消耗品で必要に応じて交換が必要な物です。:ダイヤフラム2種類・ガスケット2種類・プライマリーポンプのオイルキャップとキャブレター内に燃料を送り込む(キャブレター内の空気を押し出す)ゴム。
・右から2番目の列の物は基本的には交換の必要はない物です。バネが2本も入っている事からも想像できますが、部品を無くしてしまった時用の予備部品という位置付けの物だと思います。
口コミ等で見た中には、ガスケットがペラペラで使えない云々というような情報もありましたが、目で見た限りでは農機具屋やホームセンターで売っている物と比べて遜色ないレベルの物に見えます。
耐久性は不明ですが・・・
中国製の安い物では不安な方は丸山製作所(BIG-M)の製品をホームセンターや農機具屋で購入できます。
キャブレターの掃除
交換部品もそろいようやくキャブレターの掃除です。
ここまで保護メガネ無しで作業してきた方、今すぐ保護メガネをかけてください。
先ずは真ん中のアルミボディーの掃除から。
難しい事は考えなくて良いです。
キャブレターを組付けてあった4隅の穴以外のすべての穴にキャブレタークリーナーを吹き付けます。
ほとんどの穴はキャブレタークリーナーのノズルが挿入できる大きさなので、ノズルを穴に突っ込んでクリーナー液(泡)を吹き込みます。
すべての穴に泡を吹き込んでいきます。
初めての場合、どの穴がどこへ繋がっているか解らない為、思わぬ所から合わば吹き出し、顔に飛んでくることが有ります。しつこく書きますが、必ず保護メガネをかけて作業してください。
裏側のネジで留めてある部分、燃料の供給を背御する部分です。
レバー・バネ・ピン・ニードルがネジで留めてあります。
ここも分解して掃除すると良いのですが、細かな部品の組み合わせの為、手先が器用でないと後の組付けが面倒ですし、部品の紛失の可能性もあります。
ここは分解しなくても対応策が有ります。
裏側のこの部分からキャブレタークリーナーを吹き付け、
反対側の細かい部品のニードル部から泡が出てこればOKです。
念の為、この段階でレバーをペコペコ動かしてレニードルを動かし、もう一度反対側からキャブレタークリーナーを吹き付けてキャブレタークリーナーが出ることを再確認すると安心です。
上記の燃料供給バルブの部分も分解掃除を行いたい方は別記事のチェーンソーのキャブレター分解を併せてご覧ください。 記事はこちら
次は上のアアルミブロックと上端樹脂部品の組み合わせ部分の掃除です。
ここも無理をして外す必要はありません。
この部分は樹脂部品の上部2本のネジを外せば分解可能ですが、このネジを外す為には樹脂部品の横に付いている、アイドリング調整ネジを緩める必要が有ります。
アイドリングネジを緩めた場合は当然ですが、後でアイドリング調整が必要です。
黒い樹脂部分から鉄の棒(ニードル)が出ていて、アルミブロックの真ん中にあるパイプの中へ入り込みます。
補足 アクセルの開け閉めの説明
ついでにアクセルの開け閉めについて説明します、
アクセル全閉の状態です。
アイドリング調整ネジを緩めた状態で写真を撮ってしまった為、完全に空気の流入が閉ざされています。
この状態ではエンジンは掛かりません。
アイドリング調整をきちんとした場合は少し隙間が出来て空気が取り入れられる状態になります。
上の扇型の部品を動かしてアクセル全開にした状態です。
空気取り入れ口がフルに使われ空気をたくさん取り入れられる状態です。
上の扇型の部品を動かすことによって、空気取り入れ口の中に見える上から降りている棒(ニードル)が上方へ移動して、燃料の供給量も増えます。
この部分の掃除方法は、
アルミブロック下側の真ん中あたりの黄色い(金色?)部分にキャブレタークリーナーのパイプを押し付けて噴射
アクセルを開いてみて、中にキャブレタークリーナーの泡が出ていればOKです。
更に、気になる方はアクセルの開け閉めを何回か行ってもう一度キャブレタークリーナーを吹きかけても良いでしょう。
すべての穴にキャブレタークリーナーを吹き付けて、泡が通れば掃除は終了です。
各部の掃除が終わったら、パーツクリーナーですべての部品を綺麗にします。
コンプレッサーエアーを用意できる方はこちらでも良いですが、
キャブレタークリーナーはゴムを傷める可能性があるので、ゴム部品が取り付く場所はパーツクリーナーで綺麗にした方がよさそうです。
キャブレターの組付け
組付けは分解の逆の手順で組付けていけばよいだけですが、
このキャブレターには燃料フィルターが付いていなかったので、この部分にはめ込みます。
- 元々付いていなかったのか
- 父か修理業者が無くしたのか
- 私が無くしたのか
付いていなかった原因は不明です。
今回購入した部品の中で使った物は、ダイヤフラム2種類とガスケット2種類と燃料フィルターの5点です。
プライマリーポンプ他、まだ使える部品は交換せずにそのまま使用しました。
草刈機 キャブレター 組付け配列(分解図)の写真です。
上の写真の順番に組み合わせて、4本のネジで留めれば組み立て完了です。
ガスケットの向きや表裏は取り付ける部品の溝の形や出っ張りを見れば大体わかると思いますが、不安な方は写真で確認しながら組付けてください。
組付け時の注意事項・コツ
失敗例
キャブレターの組付け時だけでなく、車のタイヤ交換時等、2か所以上のネジで組付ける場合、1本めのネジからしっかり締め付けてはいけません。
1か所のみしっかり締め付けてしまうとそのネジが締めすぎになり、取り付け(組付け)る部品が斜めに取り付けられてしまう可能性が有ります。
ネジの締め付けはすべてのネジを均等に締め付けていきます。
写真の様に締め付けすぎない少し隙間がある位までは1本毎ねじ込んでいって良いのですが、
ネジの締め付けに抵抗が出てくるあたりからは、基本的には対角のネジを締める順番で(ここの場合ネジが4か所なので✖印を書く様な順番で)すべてのネジを均等に少しずつ締め付ける様にすると、ガタつきなく平行に取り付ける事が出来ます。
エンジンへキャブレターを取り付け
事通りの順番
エアークリーナーケース → キャブレター → ガスケット → アクセルワイヤー取り付け金具 →ガスケット → エンジン本体 の順番に組付けます。
この場面でも2本のネジを均等に締め付けることを意識して作業してください。
後はアクセルワイヤーと2本の燃料パイプを取り付け、フィルターエレメントとフィルターカバーを取り付けてキャブレターの修理完了です。
燃料パイプは下側が黒いホース(燃料供給)・上側が透明(半透明)のホース(燃料を燃料タンクへ帰す)です。
試運転:プライマリーポンプを数回押して、メインスイッチを確認し、チョークを閉じて、スターターロープを引きます。1~2回で初爆が確認できれば、ほぼ修理は成功です。
上記の手順でエンジンがかからない場合はアイドリングが低すぎるか、燃料が濃すぎるかもしれません。
チョークの開け閉めやスロットルの明け具合を調整しながら何回か試してみればエンジンがかかるはずです。
アイドリング調整
しばらくエンジンをかけておいて、エンジンが温まってからアイドリング調整を行います。
写真では分かりやすいように、エアークリーナーカバーを外した状態で説明します。
本来はエアークリーナーエレメントとエアークリーナーカバーを取り付けた状態で調整します。
アイドリング調整ネジはアクセル部を直接押してアクセルを戻した状態のアクセル開度を制御します。
エンジンが十分温まった状態でアクセルを戻し、アイドリング調整ネジを回すと、エンジンの回転数が変わります。
アイドリングの目安はエンジンが止まってしまわない程度の低速回転で、回転刃が回らない範囲です。
アイドリング調整ネジでの調整と合わせて、アクセルの開け閉めも行い、アイドリング状態を確認して調整完了です。
アイドリング調整ネジが 極端にねじ込む、又は外れるほど緩める 状態でないとアイドリング位置が決まらない場合は、【キャブレターの分解】の項目で初めての人は弄ってはいけない と触れた部分、扇形の部品についている燃調ネジでの調節が必要になります。
自分で調整する場合、扇型の部品が動かない様に固定し、マイナスドライバーで燃調ネジを回して調整します。ねじを締め込むと混合気が薄くなり、緩めると濃くなります。
マイナスドライバーで一番回転数が上がる位置から少しネジを緩めた位置に調整します。
(この時焼き付き防止の為燃料は少し濃い目に調整します。)
調整で自信のない方・燃調ネジを動かして訳が分からなくなってしまった方は、農機具屋さんに調節をお願いしましょう。
ここまで調節できれば、エンジンの回転は低速から高速まで息継ぎも無くスムーズな状態になります。
最後の手段 素直に農機具屋さんに修理調整をお願いする。
省略した部分も有りますが、結構細かく説明したつもりです。
この記事を参考に自分の持ち物を自分で手入れ出来る様になる人がいれば嬉しく思います。
但し、この記事を見て調整した結果、余計に調子が悪くなった方がいても私は責任を持てません。
今更ですが、「めんどくさそうだな」とか「失敗したらどうしよう」と思う方は、初めから農機具屋さんに修理調整をお願いしてください。
自分でやってみて失敗したら、それから農機具屋さんに修理をお願いするという手も有ります。
以上、
コメント
新品のキャブレターの交換は、必要ありませんか?
藤墳 明 様 コメントありがとうございます。
メーカー純正の正規型式のキャブレターが入手可能であれば、キャブレター交換の方が簡単だと思います。(必ずしも新品のキャブレターに交換が必要という訳ではありませんが)
何十年も放置されて、内部の金属部品などが再利用不可の場合は新品のキャブレター交換の必要があります。
自分でキャブレター掃除を行う場合の、ダイヤフラム等の部品代・キャブレタークリーナー等の消耗品代・ご自分の手間賃・ご自分の技術力 等を考慮してご判断下さい。