スターターロープとスタータ部のバネ交換をクボタのお店で行ってもらい、手元に自走式草刈機(法面草刈機)が帰ってきました。
最近エンジンの始動性が悪くなってきているので、各部の掃除と再組立て調整を行いました。
行なった整備内容は
- エアーフィルターの掃除
- キャブレター分解掃除
- メッシュカバーの掃除 です。
おじさん(私)が持っている自走式草刈機(法面草刈機)の
製造元は斎藤農機製作所で、
- 斎藤農機製作所ではSGC-S501という型式で
- クボタではGC-K501という型式で、
- 丸山製作所ではMGC-S501(EX)という型式で販売されていたものです。
物は同じなのでここでは便宜上クボタのGC-K501と呼ばせていただきます。
自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501の手入れ準備

準備した物
- パーツクリーナー
- キャブレタークリーナー(泡タイプ)
- ドライバー
- 保護メガネ
- 折りたたみ椅子(作業が楽な体勢で行えます)
- マグネット皿(ネジなどの小物を無くさないように用意しておくと便利です)
この後、必要に応じていろいろな物を取り出します。
(灯油、オイル、等)
自走式草刈機(法面草刈機)の手入れで一番重要かつ簡単な事はエアーフィルターの掃除です。
この項目だけで調子が良くなる確率が高いです。
自走式草刈機(法面草刈機)は、地面の近くで空気を吸い込んでエンジンが作動するため土埃を吸い込んでしまい、刈払機と比べてエアーフィルターが汚れやすいです。
エアーフィルターが汚れてくると、空気の吸入量が少なくなり・燃料に対する必要な空気の量が確保できなくなり(混合気(気化燃料)の濃度が上がり)エンジン不調の原因となります。
エアーフィルターの掃除は比較的簡単な手入れ方法なので、エンジンの調子が少しでも悪くなってきたと思った時に こまめに掃除してあげましょう。
取扱説明書には、
重要
*エアークリーナにほこりが詰まったまま運転すると、エンジンの出力が低下したり、エンジントラブルの原因となります。点検は運転前に欠かさず行ってください。
と書かれています。
(エアークリーナーの点検は運転前に必ず行う事項のようです。)

自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501 の場合、プラスネジを一本外すだけでエアークリーナーカバーを取り外す事が出来ます。
エアークリーナーカバーには、丁寧に
エアークリーナーエレメントの清掃 |
カバー内部のごみを取り除き、エレメントを白 灯油で洗浄後、エンジンオイルに浸して片手で 固く絞ってから元通りに取り付けて下さい。 |
と表示されています。

エアークリーナーカバーの裏側を見てみると、たくさんの土埃を吸い込んでいる事がわかります。
外したついでにエアクリーナーカバーの裏側も綺麗にしておきます。

エアークリーナーカバーを取り外すと、スポンジ状のエアークリーナエレメントとグリッドと呼ばれる金属の枠?を取り外す事が出来ます。
エアクリーナエレメントの洗浄・具体的なやり方
ここでは、丸山製作所の MGC-S501EX の取扱説明書に載っている方法を紹介します。
重要
エアークリーナエレメントは洗浄すれば繰り返し使用できますが、破損したり1年以上経過したものは新品に交換してください。
と書かれています。
①エアクリーナーカバー周辺のゴミやホコリを取り除く。
(清掃中のゴミ侵入を予防する)
②エアクリーナーカバーを外す。
⓷エレメントの表面のゴミを掻き落とした後、エレメントを外す。
(エンジン内部にゴミが入らないように注意する)
④オイルパンにエレメントが浸る程度に白灯油を入れ、エレメントを揉むように洗浄し、固く絞る。*
⑤エレメントにオイルをしみ込ませる
・洗浄したエレメントに2サイクルオイルを約10㏄含ませ清潔なビニール袋に入れ揉み、オイルを全体に行き渡らせる
・ビニール袋を逆さにしてしっかり握り、余分なオイルをオイル受けに流出させる。


⑥オイルを含ませたエレメントをエンジン内部にゴミを入れないように注意して元通り装着する。
(エレメント装着時、内側のグリッドが正しい位置に収まっている事を確認する)
!注意
ガソリンや引火点の低い洗浄剤は、非常に燃えやすいため、エアクリーナエレメントの洗浄には使用しないでください。
*④オイルパンにエレメントが浸る程度に白灯油を入れ、エレメントを揉むように洗浄し、固く絞る。
この項目は濁った灯油の廃棄の問題も発生しますので、一般家庭で行う場合は中性洗剤できれいに揉み洗いして、しっかりと乾かした方が良いと思います。
(厳密に言うと白灯油と灯油は違う物ですが、現在流通している品質の物はどちらもほぼ同じ物の様です)
キャブレターの分解・掃除・組み立て
キャブレターの掃除方法は詳しく他の記事で紹介していますので、こちら をご覧ください。
ここでは自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501のキャブレターの外し方などを紹介します。

燃料供給ホース(黒いホース)と、余った燃料を燃料タンクへ送り返すホース(透明なホース)を取り外します。

スロットル(アクセル)ワイヤーの固定ナットを緩めます。
この項目はスロットル(アクセル)ワイヤーの取り外しと順番が逆でも構いません。

キャブレターの扇形の部品を親指で下へ押し下げ、スロットル(アクセル)ワイヤーをキャブレターから外します。

真鍮製(黄金色)の長いネジを緩めて取り外します。
この後の掃除組立方法は別記事をご覧ください。
キャブレターの吸入口が2カ所あります!?
今まで修理してきたキャブレターと自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501では形が違います。

このキャブレターは吸入口が2カ所あります。
気になります。

キャブレターとエンジンを繋ぐ部品。
インテークマニホールド(略称:インマニ)を外してみました。
右側の穴は通常の混合気供給の穴で、左側の穴にはリードバルブ(逆止弁)が付いています。
この部分はおじさん(私)の憶測/推測で話を進めます。(あながち見当違いでは無いと思います)。
自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501 は、主クラッチレバー(アクセルレバー)の構造上、エンジンはアイドリング状態かフルスロットル(アクセル全開)状態か の、どちらかの極端な使い方になります。
(アクセル半開の時のトルク値とかはあまり気にする必要がありません)。
アクセル全開時の燃料供給量は、キャブレーター内のニードルの先端形状や何かで調節できるとして、混合費を最適に保つための空気吸入をどうすれば効率よく最適な状態(燃費やアクセル全開時のトルク)を出せるのか?
キャブレターひとつの吸入口を大きくすれば話は簡単なのですが、アイドリング時の燃費などの効率に問題が出てきそうです。
自走式草刈機(法面草刈機)GC-K501の製造元の斎藤農機製作所さんか?キャブレターメーカーさんか分かりませんが、技術開発の頭の良い人が試行錯誤の上出来上がったのが吸入口が2カ所あるキャブレターなのではないでしょうか?
アイドリング時にはキャブレター分解写真の右側の吸入口のみを使い、少ない燃料でアイドリング状態を保ち、作業時(アクセル全開時)には右側に吸入口だけでは補いきれない空気を左側の吸入口から取り込む。という実に効率的な 燃費が良く・かつ作業時の力が出る という夢のようなキャブレターが完成したのではないのでしょうか?
(何か・・・プロジェクトXの番組が一つ出来そうなエピソードがありそうな気がします)。
おじさん(私)の憶測/推測/妄想 時間はここで終わりにします。
で、キャブレター掃除後は元通り組付けて終了です。
メッシュカバーの掃除
キャブレターを外したついで、と言ってはなんですが、メッシュカバーもきちんと綺麗に掃除します。

エンジン冷却の為のシリンダフィンに汚れがたまるのを防ぐために、シリンダフィンの周りをメッシュカバーが覆っています。
メッシュカバーは上から見るとコの字型になっているのですが、キャブレター近くで油が付着しやすいのか?
何故かキャブレター付近だけ汚れがたまりやすいです。
メッシュカバーの目が詰まってしまうとエンジンを冷却する力が弱まってしまい、俗に言う熱ダレ(オーバーヒート)を起こしてしまう可能性もあります。
この部分はこまめにブラシか何かで付着した汚れを落とすべきところです。
しかし、写真のように、土や油や草の切れ端や何やら色々な物が貼り付いてしまった状態になってしまうと、取り外して洗剤を使って水洗いをした方が作業が速くて確実です。

メッシュカバーを取り外す為には燃料タンクを外す必要があります。が、キャブレター掃除を終えたあなたにとってはもはや大した苦労では無い筈です。
テレビケームで例えるならば、ボスキャラを倒した後の エンディングの途中で出てくる雑魚キャラレベルです。(おじさん(私)はファミコンのドラクエ世代です)。
メッシュカバーは写真左下のネジと、反対側(向こう側)のネジを外せば取り外す事が出来ます。
材質は(多分)ステンレスメッシュなので、中性洗剤で洗ってしまって良いでしょう。
*注意:このメッシュカバー(パンチングメタル)は切りっぱなしで切り口の端面処理がされていないので、角で手を切るという様な事が無いように注意しましょう。

後は、メッシュカバー・燃料タンク・キャブレターなどを元通り取り付けてお手入れ完了です。
お疲れ様でした。
余談:メッシュカバーの目が詰まった状態で使用し続けると、イグニッションコイルが壊れる可能性があるそうです。
見出しのままの内容ですが、
この自走式芝刈り機のエンジンがかからなくなってしまい、クボタのお店に修理依頼。
イグニッションコイルの配線が断線しかけていて、配線の交換とキャブレター部のパッキン?交換で無事修理完了しました。
クボタのお店の修理をしてくださった方と話をしたのですが、直接の原因は判らないけれども直ってしまったようです。
その時の会話

イグニッションコイルの外側が少し溶けていました。
メッシュカバーが詰まったまま使用すると熱がこもってイグニッションコイルが断線する場合もありますので、まめに掃除をしてください。
との事でした。
イグニッションコイルなんてものは壊れようのない構造だと思い込んでいたのですが、現在のイグニッションコイルは、物によっては中に基板が入っていて基盤が壊れる事もあるそうです。
ちなみに。イグニッションコイルが壊れてしまった場合、部品代だけで1万6~7千円もするそうです。
今後は、もっとまめにエンジンを覆っているメッシュカバーを掃除する事とします。
以上、
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