リール刃の芝刈り機は刃の隙間調整と研磨がきちんと出来れば芝生の切り口が揃い
芝生をとても綺麗に仕上げる事が出来ます。
この記事では刃先研磨(刃研ぎ)の方法を詳しく説明します。
コツは
- 刃研ぎの為の逆回転はしつこいくらい長く行う。
- 紙を切断出来る部分のみに研磨剤を塗布する。 です。
リール式芝刈り機の刃先研磨(刃研ぎ)は難しい?
リール式の刃先研磨(刃研ぎ)は
メーカーの違いや駆動方式の違い(手押し式、電動式、他)に関わらずコツは一緒です。
取扱説明書を読むと簡単そうに書いてありますが、
刃先研磨(刃研ぎ)の方法はコツを知らないととても難しいです。
(コツを知らないと何時間かかっても仕上がりません)
しかし、やり方が解れば誰でも調整できるようになります。
具体的な刃先研磨手順
コツが解れば刃先研磨が楽になります。
どのメーカーでもコツは同じですが、ここでは京セラ(Kyocera) 旧リョービ のLM-2810で説明します。
京セラ(Kyocera) 旧リョービLM-2810の取扱説明書 30ページから説明が有ります。
まだ電源は繋がないで下さい。
リール刃の刃先研磨に必要な道具
- 研磨材
- 研磨材塗布用のブラシ
- 手袋
- 保護メガネ
- 汚れても良い服装
- 余裕のある時間(1~2時間)
2度目以降は30分以内で仕上がると思います。
- 刃の隙間調整用の工具(必要に応じて)
- 回転刃を手動で逆回転させるハンドル(手動式芝刈り機の場合)
- 変圧器〈スピードコントローラ〉(必須ではありませんが、より鋭く研磨する事が出来ます)
(回転刃の逆回転時に低速にならない機種の研磨の場合、あると便利です)
時間に余裕をもって、安全第一で作業しましょう。
刃先研磨の工程1 刃の擦り合わせ調整
芝刈り機本体を裏返し、安定させます。
(安定していれば立てた状態でも作業可能です)
電源を抜いた状態で刃の擦り合わせ調整を行います。
刃の接触の強さは新聞紙1枚が切れる位置がベストです。
刃先研磨の工程2 回転刃の接触する部分に研磨材を塗布する
刃の擦り合わせ調整時に紙が切れた箇所へ
リール刃を手で逆回転させながらブラシで研磨剤を塗布します。


なぜ?
刃が切れる箇所をわざわざ研磨するのですか?

下の図の様に紙が切れる部分は、他の箇所に比べて出っ張っている為
この部分を研磨して全体を平らにしていきます。


刃と刃の間に隙間がある部分には研磨材を塗布しないでください。
刃先研磨の工程3 回転刃を逆回転させて刃先研磨を行う
電動のリール刃式芝刈り機には大抵 刃研ぎ用に逆回転に切り替えるスイッチが付いています。
- 刃の回転スイッチを刃研ぎの方向へ切り替え
- 電源コードを接続し
- 自分は安全な位置に移動して
- スイッチオン
京セラ(Kyocera) 旧リョービ のLM-2810(2310)は刃研ぎ時は 刃先研磨に適した回転数(低回転)になります。
最初はジャリジャリと音がして、すぐに音が小さくなりますがそのまま最短でも2分以上運転を続けます。
刃先研磨のコツ1
刃研ぎの為の逆回転はしつこいくらい長く行う
失敗例1
ジャリジャリ音がしなくなってすぐに運転を止めると研磨はほとんど出来ていません。
研磨剤の砥粒の大きさによるのですが、
最初は大きな砥粒が刃の間に入り込めずにジャリジャリ音がします。
その後 砥粒が砕けて刃の間に入り込み刃先の研磨を行います。

どのくらい回し続ければ1回で付けた砥粒の効果を最大限生かせるのか?難しい判断です。
メーカーにより説明が違い、
音が変わるまで とか
刃が接触しなくなるまで とか 書いてありますが これは個人の感覚で変わってしまう書き方(内容)の様な気がします。
音で判断しにくい場合は
この研磨時間は最低でも2分以上をお勧めします。
何回か刃研ぎを行い慣れてくると音で判断できるようになります。
この時間を長めに取る事で仕上げまでの合計時間が短縮されます。
(トータル時間で考えるとここは長めに運転させた方が良いです。)

運転を止め、電源コードを抜き取り、手でリール刃を回して新聞紙を切って確認します。
・研磨前とあまり違いが無い場合は擦り合わせはそのままで、
再度研磨剤を新聞紙が切れる部分に塗布して刃研ぎ回転を行います。
・研磨前より刃が当たらなくなっている場合は
最初からの手順を繰り返していきます。
(固定刃の左右の調整ネジをほんの少し締め込み、擦り合わせ調整をして新聞紙1枚が切れる場所に調整し、紙が切れる部分に研磨剤を塗布して刃研ぎ回転) を繰り返します。
刃先研磨のコツ2
刃の接触強さは新聞紙1枚が切れる状態にします。
(当たるか当たらないかの状態)
失敗例2
刃がなかなか研磨出来ないので徐々に刃を徐々に強く押し付けて研磨運転を行う
→ 研磨剤が刃の隙間に入り込めず、いつまで待っても刃研ぎが出来ない
刃があまり研げないからと言って刃を強く当てつける事は逆効果です。

回転刃と固定刃を当てる力が強すぎると隙間に砥粒が入り込む事が出来ず、金属同士(刃先)が擦れ合うだけです。
この状態を続けると刃先が熱を持ち、モーターにも余計な負荷が掛かり、回転が遅くなります。
⦅この時点でまだ研磨したくない部分(軽く刃が接触する部分)が研磨されます。⦆
刃研ぎの工程4 工程1~3を根気よく繰り返す
刃先研磨のコツがわかったところで、今までの工程を繰り返します。

この図は極端ですが、刃の摩耗が激しい場合は
刃のどの部分でも新聞紙を切れる状態まで調整するために2時間くらい時間がかかる場合が有ります。
最後に回転刃全体に研磨剤を塗布し、5分以上逆回転を行います。
研磨終了後
研磨終了後は電源コードを抜きとり
回転刃・固定刃に残った研磨材を布などで綺麗に拭き取ります。
*研磨材が残っていると芝刈り中に 綺麗に研磨した刃先を痛めてしまいます。
芝の切り口が枯れる原因にもなります。
出来れば更にパーツクリーナー等を使って綺麗にすると良いでしょう。
BARONESS(バロネス)の取扱説明書には、研磨剤を綺麗に水で洗い流し、天日でしっかりと乾燥させるよう書かれています。
擦り合わせ調整を行い手で回転刃を回して どの部分でも紙が切れる様になっているか確認します。
切れない部分が有る場合は刃研ぎ不足です。
再度刃研ぎを行ってください。
刃のどの部分でも紙が切れるようになっていればOKです。
刃の回転方向のスイッチを【芝刈り】の方向へ切り替えることを忘れない様にしましょう
これで綺麗な芝生の刈り面が出来上がるはずです。
長期保管時には錆止めの為 防錆油を塗り、軽く拭き取って保管します。
(ここまでやれば完璧ですが、時間が取れ ない場合等は刃の長さの7~8割で紙が切れればそこそこ綺麗に刈る事が出来ます。)
けがをしない様に十分注意して作業してください。
備考 使用する道具について

この項目は自分に必要な部分をご覧下さい。
・研磨材
芝刈り機用に販売されている研磨材であればどのメーカーの物でも良いのですが、
初めて使う方は リョービの研磨剤の様なジェル状の研磨剤が使い易いと思います。
ジェル状の物は、刃に塗り易く 刃の回転による飛散が少ないです。
・研磨材塗布用のブラシ
専用の物も販売されていますが、
(使い古しの)歯ブラシの毛の長さを半分くらいに切り落とすと使い易いです。
・手袋
研磨によって刃先が鋭利になります。けが防止の為必ず手袋を着用してください。
・保護メガネ
刃の研磨時に遠心力で研磨剤が飛び散る可能性が有ります。
目の保護の為に保護メガネを着用してください。
・汚れても良い服装
刃の研磨時に遠心力で研磨剤が飛び散る可能性が有ります。
飛び散った研磨剤は削り取られた金属と混ざり黒くなっています。
・余裕のある時間(1~2時間)
余裕のない作業は けがをしたり、中途半端な仕事になりがちです。
ロータリー式の芝刈り機の調整は時間と気持ちに余裕がある時に行いましょう。
2度目以降で刃の偏摩耗が酷くない場合は30分もあれば研磨出来ます。
・刃の隙間調整用の工具(必要に応じて)
六角レンチ(ヘキサゴンレンチ)等を使う場合、メーカーの付属品より長い物を用意すると微調整がやりやすくなります。
詳細は刃の擦り合わせの記事で説明しています。
・回転刃を手動で逆回転させるハンドル(手動式芝刈り機の場合)
手動式芝刈り機の刃を研磨する場合は、刃を逆回転させるためのハンドルが必要になります。
ご自分の機種にあった物を用意してください。
・変圧器〈スピードコントローラ〉
(回転刃の逆回転時に低速にならない機種の研磨の場合、あると便利です)

京セラ(Kyocera) 旧リョービ のLM-2810(2310)は刃研ぎの逆転時は低速回転になるので変速機は必要ないのですが、
正逆回転の回転速度が同じ機種の場合はモーターのスピードコントローラーがあると刃研ぎがやり易くなります。
刃研ぎ時の回転数が早すぎると、研磨剤が飛び散ったり刃先の温度が上がりやすくなります。
ご自分の電動芝刈り機の消費電力にあった物をご使用ください。
以上、
こちらの記事も併せてご覧ください。
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