父の代から40年以上使い続けた刈払い機(草刈り機)のエンジンが壊れてしまった為、新しく刈り払い機を購入しました。
古い草刈り機はピストンが欠けてしまい、メーカーやその先の部品メーカーまで調べてもらったのですが、部品供給は終わっていて、残りの部品在庫も もう無いという事でした。
新規購入の刈払い機の選定
私は他にもU字ハンドルの4サイクルの刈払い機と背負い式のループハンドルの2サイクルの刈払い機を持っているのですが、
使い勝手と手軽さを考えると、壊れてしまった刈払い機と同じ形 1本竿のループハンドルの2サイクルエンジンの物が1台は必要です。
(田んぼの畔の様な斜面や複雑な形状の土地での扱いやすさ・エンジンの掛け易さ・軽さ・を考慮)
刈払機は手入れさえきちんとしていれば何年も(何十年も)使える物なので、安さよりも性能重視で選定しました。
色々調べていくと4流掃気シリンダー という物が有る事を知りました。
4流気シリンダー採用の刈払機は (株)やまびこ 、(株)丸山製作所、他(たぶんOEMでエンジンのみ供給)で発売されています。
・やまびこグループでは、ブランド名:共立・新ダイワ の物に 4流掃気シリンダー が使用されていて、エコーブランドの刈払機は昔からの単純なエンジン構造のようです。
・丸山製作所では、ブランド名:丸山製作所の物に 4流掃気シリンダー が使用されていて、 BIG-Mブランドの刈払い機は 昔からの単純なエンジン構造のようです。
・ブランド名によって製品のラインアップを替えているのは、例えて言えば、トヨタグループのレクサスとトヨタの違いの様な事です。
(株)やまびこ さんが新しい特許を取っていて最新のものは掃気角度がさらに改良されているようです。特許5670113 【発明の名称】反転掃気式2サイクルエンジン
詳しい内容に興味の有る方は上記特許番号で調べて見て下さい。
簡単に説明すると、ホームセンター等で2万円位で買える刈払機はエンジンの中身が40年前の設計の物とほとんど変わっていませんが、
(株)やまびこ さんの高級ブランド・共立の物は吸排気の流路が特殊で、効率良く燃料を使う事が出来る様になっています。
(同じ排気量でも低燃費で高出力、排気も綺麗)
2サイクルエンジンはもう 何十年も前に完成されたエンジンだと思い込んでいたのですが、未だに日々進化し続けているんですね。・・・知らなかった・・・
メカ好きな少年の心を持つおじさん としては、価格が高くてもこのエンジンを搭載した刈払い機が欲しくなってしまいました。
熟考の末 (株)やまびこ グループの共立の刈払い機を購入する事に決めました。
丸山製作所の物が悪いという訳ではありません。実際 自走式の草刈り機は丸山製作所の物を愛用しています。
共立の刈払機に決めた理由は最新の特許技術を使っている事と、見た目の恰好良さです。
草刈りの様な面倒くさいけれど、やらなくてはいけない仕事は いかに楽しんで、効率的に仕事をするかを考えて仕事をするようにしています。
見た目が格好いい機械を扱う、という事も嫌な仕事を楽しむための一つの要素となりえます。
(株)やまびこグループの 共立刈払機 SRE2730LTを購入
今まで使っていたイセキの刈払機は排気量23ccの物でした。
刈払機買い替えにあたって排気量は同じにするか1クラス上の物にするか迷いました。今まで23ccで力不足を感じたことはないのですが、より力の強い 25.4cc(1inch³)の物を使ってみたくなり、排気量25.4ccの1本竿・ループハンドルタイプのSRE2730LTに決定し、購入しました。
他にジュラルミン操作竿や、ロング竿仕様の物も有ったのですが、重量が重くなる為この機能は却下です。
農協(JA)から購入したのですが、組み立て済み、エンジン始動確認済みで納入して頂けました。
外観からは解らないのですが、 4流掃気シリンダー 採用・マグネシウムクランクケースの物です。
付属品は本体+チップソー・ジスライザー・刈刃カバー・肩掛けバンド・保護メガネ・ソケットレンチ(プラグレンチ)・トルクスレンチ・廻り止め棒(チップソー交換時に使用)・工具袋・取扱説明書です。
トルクスネジを使ってるんですね
ハンドルだけ盗まれるような事が有って特殊ネジにしているみたいですよ
ハンドルだけって、そんなもの盗んでいく人がいるんですね?
雑談をしながら取り扱いの説明を受け、
取扱説明書にも載っていない、エンジンの掛け方のコツを教えて頂きました。
細部を観察
改めて各部を観察して見ていきます。誇張したつもりはないのですが、この刈り払い機のカッコ良さに惚れ込んで書いた記事なので、良い所ばかり書いて欠点はほとんど書いていないので参考程度にお読みください。
エンジン部分の写真です、従来の刈払機と比較すると頭でっかちの様にも見えますが、ここはエンジンとカバーの隙間を広く確保する事で草詰りの少ないエンジンに改良~カバークリアランスの改善~という事なので、理由が解れば機能美としてとらえられます。
エアーフィルターはフラットパネル型防塵クリーナーと名付けられた防塵性が向上した物が採る地けられているようです。
大口径クラッチドラム採用でエンジンの力を効率よくシャフトに伝達できるようになっているそうです。
クラッチカバーの部分はジュラルミン?の様な渋い綺麗な銀色です。材質については正確なことは分からないのですが、高硬度のアルミ材(ジュラルミン若しくはジュラルミンに近い物)が使われているように見えます。
エンジン部とシャフトの接続部分は段差が付いています。
この部分はスプリング防振機能内蔵でスプリングダンパーが振動を吸収し、作業者への負担を軽減してくれるようです。
ちなみに通常のホームセンターで買えるお手頃価格の刈払い機はクラッチドラムとシャフトは直結されています。
エンジンを下側から見ると、スロットルケーブルやエンジンのON/OFFの電気配線はカバーが付けられていて、枝などへの引っ掛かりを気にせず作業が出来る様になっています。
果樹園の下草刈りをする方などは重宝する機能かと思います。
なんというか・・・ガ〇ダムじゃないですけれど。ロボットのようなカッコ良さが有ります。
(多分一部の人にしか理解できない感覚だと思いますが・・・)
さらに細部を見ていくと、燃料タンクからキャブレター方面に3本のチューブが出ています。
- 一番上の黄色い半透明のホースはキャブレターから余分な燃料を燃料タンクに戻すチューブ
- 二番目のホースは燃料タンクからキャブレターへ燃料を送り込むチューブ
- 三番目のホースは燃料の消費によって燃料タンク内が負圧になり、燃料補給に支障をきたさない様に燃料タンクへ空気を取り込むチューブです。
従来の刈払機はホースは燃料供給用と燃料を燃料タンクに戻す2本で、
燃料タンク内を負圧にしない為にタンクキャップに小さな穴(ブリーザー)が付いているブリーザー機能付き燃料キャップ採用の物が主流だったのですが、最近は3本ホースの物も見かける様になってきました。
スターター部にiスタートの文字が有ります。
これはリコイル内に設けたアシスト用スプリングにより軽い力で引くだけで簡簡単にエンジンが始動できる機能です。
この機能に関しては他メーカーも各社独自の方法・名称・で採用されています。
当然ですが燃料キャップはブリーザー機能無しの(キャップに小さな穴が開いていない)物です。
アクセルレバーはツインスロットルと言う名称で、下に付いているレバーの握り度合いで回転数の制御も出来るのですが、通常の使用時は下のレバーは 離すとアイドリング状態/握るとフルスロットルと言う感じで、草刈りの最中はしっかり握った状態で使う事が多いと思います。
昔の刈払機と違って現在販売されている刈払機は安全確保のために手を離せば自動的にアイドリング状態になるようになっています。
レバーを握った時のエンジン最高回転数は上のスライドレバーで片手で簡単に操作できます。
参考までに、ホンダのツインスロットルレバーは回転数の制御はレバーで2段階に簡単に操作できるのですが、使用時の最高回転数の設定時はネジを回す必要があり片手で簡単に変更という訳にはいきません。
これはこれで、安全性重視の 良い設計だと思います。
先端に目を移してみると、ジスライザーと刈刃カバー標準装備です。
ジスライザーと言う物は、カップ形状の刈刃止めで、
地面に当てて滑らせて草刈りを行うと一定の高さに綺麗に刈り揃える事が出来ます。
刈刃カバーは軽トラックに刈払機を乗せて運ぶ際に、機体を固定していないと刃先が荷台にあたり刃先が損傷する。という事を予防出来ます。
農家(兼業農家)の爺様方で刈払機を荷台にしっかりと固定して運搬している人は見たことが有りません。通常は軽トラックの荷台に放り込んで運搬、と言う感じです。
標準で付いてきた刈刃もいい物を使っています。
比較の為に下に敷いてあるチップソーは私が普段愛用している、3枚入りで1,100円(税込み)で購入した物です。
安物と比べるのも失礼ですが、
付いているチップの大きさが全然違います。外周逃げ角も直線で大きな角度で作られています。
逃げ角とかを説明しだすと話が長くなりますので説明は割愛します、(要はすごく切れ味がよさそうで、チップも外れにくく、再研磨までの長さが長期間にわたって使用できる物が付いています。)
刃の端面を見ると、
解る人にはすぐわかると思いますが、刃が千鳥に取り付けられています。
しかも、アサリ付けをしたような効果がある様に、チップが横に飛び出して取り付けられています。
(刃が互い違いの位置に付いていて,外側の角が尖っていて、むっちゃ切れやすいやつです)
メーカーがカタログにも書いていない凄いところ
エルゴノミックス【ergonomics】(人間工学)にのっとった設計が見られます。
横文字を使ってみました・・・かっこいいかなと思って・・・
ループハンドルの取付角度が直角では無く少し斜めに取り付けられています。
今まで見たことのある刈払い機のループハンドルは竿に対して直角に取り付けられており、何の疑問も抱かなかったのですが、ループハンドルが少し斜めに取り付けられている為、握り易く操作しやすくなっています。
農協の方が言っていた「ハンドルだけ盗まれる」と言う事の意味が少し解りました。
刈刃側から見ると、刈刃が機体に対して水平では無く、少し右下がりに取り付けられています。
草刈りをする時は、刈り取った草を寄せる意味もあって、基本的には自分から見て刃の傾きをほんの少し左下がりにして草刈り作業を行うのですが、この機種は初めから少し角度を付けて刈刃を取り付けている為、何の意識もせず自然に刈払機を持てば刈刃が少し左下がりの向きになります。
ハンドルの向きと刈刃の傾き、この2点だけでも大分作業が楽になると思うのですが、共立さんのカタログには記載されて無く、現物を見て初めて知りました。
なぜ、こんなに優れた機能をカタログで宣伝しないのか不思議です。私がメーカーの人間だったらカタログに載せるべきだと進言する所です。が、共立さんにしてみれば高級機種はこの位の事は当たり前であえて言う必要もないという事かもしれません。
安くはない刈払機なのでこの機能があったからと言って購入する人が増えるとは考えづらい部分ではあります。
全体を見まわして見ての感想は、手を抜いていない、金のかかった製品だな。(設計費を含めて)という感想です。
取扱説明書にも載っていない、 エンジンの掛け方のコツ
冒頭でも触れましたが、この刈り払い機の納入時に農協の方からエンジンの掛け方のコツを教わりました。
共立さんの刈払機はiスタートと言う機構を採用しており、スターターロープを軽く引けばエンジンが始動するという物です。が、更にコツがあって
エンジンを掛ける時にスターターロープを軽く少し引き(15~20cmを1~2回)ロープを引っ張る力が重くなった部分で一旦ロープを元まで戻し、スターターロープを引くと簡単にエンジンがかかります。
考えてみれば、このメーカーに限らず他のメーカーの楽にエンジンを始動させる機構が付いた物は同じ方法で楽にエンジン始動が出来る筈です。
古い機械でそんな補助機構は付いていないという機種でも、引っ張る力が重くなった位置から一気にロープを引けば、単純に何回もロープを引っ張るよりは効率よくエンジンを掛けられるはずです。
余談ですが、大排気量のバイクのエンジンをキックで始動させるためには、この様な動作(一番負荷が掛かる位置から一気に体重をかけてエンジン始動のキックペダルを踏み抜く)と言う事は儀式の様な物で、一発始動すると一目置かれる立場になるという事がありました。
欠点、では無く 選定ミス
この刈払機を持った時の印象は前後のバランスが良い感じです。何の不満も感じません。
改めて今までの刈払い機と比べて見て、実際の重量を測ってみました。
新規購入の共立の刈払い機RE2730LTの重量は約5㎏
40年以上ずっと使い続けて今年壊してしまったイセキのCH230GL(今は無理やりリョービの23ccのエンジンを搭載しています)こちらは重量約4.4㎏です。
排気量が違うので同じ基準で測ってもあまり意味がないのですが・・・
持ち比べて見るとこの600㌘の差は大きいです。
慣れの問題で、新しい刈払い機だけを使い続けていれば何の問題も無いのですが、
私は現在年齢が50台半ばです。20~30年後に爺の足元がおぼつかなくなって来た時には、この重さはきついかもしれません。
今まで使っていた刈払機から はるかに進化を遂げて、同じ排気量でも高燃費高出力になっている事を考えると、以前と同じ排気量の物にしておけば良かったかもしれません。
これは草刈り機の欠点では無く、私の機種選定ミスだったかもしれない。と言うだけの話です。
おじさんは吊るしの状態では使いません。(あくまでも自己責任の範囲の話になります。)
(吊るしの状態とは、語源は多分スーツなどの販売形態からきていると思うのですが、既製品そのまま、という意味で使っています。)方言ではないと思うのですが・・・
新しいおもちゃを手に入れたらすぐに使ってみたくなる。と言うのは人の常ですが、生憎この刈払い機が納入されたのは11月末です。
3~10月であれば草刈りの場所など探さなくてもやっつけなくてはいけない場所だらけなのですが、生憎おじさんの住んでいる場所は11月末は最低気温が氷点下になってもおかしくない時期です。(雑草はほぼ全部枯れてしまっている時期です。)
試し刈りの楽しみは来年の春まで おあずけ です。
ここから先はあくまでも自己責任です。
何か事故があった時にメーカーのせいにしたり、~に書いてあった。と言ってヒトのせいにする いい子 は絶対にマネしないで下さい。私は一切の責任を持ちません。
この草刈り機を冬眠させる前に、草除けのカバーを取り付けます。
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私の持っている刈払い機にはすべてこの草寄せカバーを装着しています。
草寄せ(法面の刈り上げ)用の製品は多種多様でいろいろあるのですが、この製品が今まで使った中で一番使い勝手が良いです。
標準の位置に付いている飛散防止カバーは邪魔なので付属のトルクスレンチを使って後方へ移動させます。
この時点でメーカーのせいには出来ません。
取扱説明書の !警告 の欄に
製品の改造禁止
〇製品を改造しないで下さい。
事故や重傷を負う原因となります。
と、明記されています。
刈刃を取り外し
草の巻きつき防止カバーの取り付け・・・・・出来ません。
この草刈り機は部品代をケチらずに頑丈で大きなギヤヘッド(ギヤケース)を採用しているようで、草の絡みつき防止カバーは取り付けられませんでした。ここは素直に諦めます。
刈刃を元通り取り付けて草寄せカバーを装着・標準装備の飛散防止カバーは後方へ移動して固定します。
エンジンカバーと草除けカバーの色が偶然にも一致しています。
何でしょう?この格好良さ、まるで最初からこの組み合わせで販売されているみたいな一体感があります。
こういうのを自画自賛っていうんでしょうけれど、本気で本人は自己満足の世界に入っています。
あ~ 早く使ってみたい。
しかし来年の春まで小屋の中で冬眠してもらいます。
燃料タンクの燃料を抜き取り、プライマリーポンプをペコペコ押して更に燃料を抜き取り、更にエンジンを始動させてキャブレター内の燃料を完全に焼き切って(この時エンジンが始動しなくても問題ありません。ピストンが何回か上下すれば残った燃料は排出されている筈です。)エンジンが冷えたことを確認して冬眠用の小屋へ入れてしっかりと鍵をかけて年内の、この刈り払い機の作業は終了です。
来年の草刈りが楽しみです。
(草刈りなんて面倒くさいだけのやっつけ仕事ですが、この刈り払い機は早く使ってみたいです。)
追記・2シーズン使ってみた感想 手がしびれません。
2シーズン共立の最新型刈払い機SRE2730LTを使ってみて体感できた事です。
スプリング防振機能:この機能は素晴らしいです。
ホンダの4サイクル刈払機など、今まで持っていた刈払機を2時間くらい使って作業をした後は手がしびれたような感覚がしばらく続くのですが、(一時的な白ろう病/手腕振動障害 の様な感じ)
共立の最新型刈払い機SRE2730LTを2時間くらい使い続けた後は手のしびれを感じません。
この機能は特記すべき利点です。(個人的な感想です)
以上、
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