芝生の庭の端に、生垣としてヌマヒノキの木を10本植えてあったのですが、
なぜか?3本のヌマヒノキが枯れてしまいました。
数年にわたり、ヌマヒノキが枯れてしまった原因は不明で、
病気か?害虫(毛虫)などが原因だと思い込んでいたのですが、
ヌマヒノキが枯れた原因は殺虫剤のスミチオン乳剤だった!という事がわかりました。
*薬剤を使用する時には、用量用法を良く確かめて・注意事項をよく読んでから使いましょう!と、言う記事です。
スミチオン乳剤の使用上の注意
!効果・薬害等の注意 の項目の中に
● ひのきに対しては個体によって落葉、枯損にいたるおそれがあるので、付近にある場合にはかからないように注意して散布する と、明記されています。
生垣のヌマヒノキ(沼檜)‘レッドスター’ が枯れた!~枯れた原因不明状態の時の間違った対応
芝生の庭を作り、2~3年後。
芝の根もしっかりと張った状態ですが、道路から家と庭が丸見えなのが少し気になり、目隠しになる物を考えました。
板塀やブロック塀などを設置すれば道を通る人目を気にせず芝生の上でのんびりできるのですが、完全に外からの視線を遮ると、防犯上の問題が発生します。
(塀の中に入ってしまえば外から見えない状態では泥棒さんのやりたい放題になってしまいます)
そこで、適度に道路からの視線を遮りつつ、不審者がいれば誰かが気付いてくれるであろう方法。
➡適度に隙間が有る生垣 を作る事にしました。
そこで見つけだしたのが、ヌマヒノキ(沼檜)レッドスター(パープルフェザー) です。
ヌマヒノキ(沼檜)レッドスター(パープルフェザー)とは、どのような木か?
- ヒノキ科ヒノキ属
- 樹形:(狭)円錐形。又は円柱形。
- 葉色:夏は淡緑色。冬は独特の赤紫色。
- 耐暑性:強い。
- 耐寒性:やや弱い。
- 成長:遅い。
- 病気:強い。
- 害虫:強い。
おじさん(私)が購入したサイトでは、
・樹高:2m。 ※樹高は環境にも因る。となっていました。
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樹形が狭い円錐形で、成長が遅く、高さが2mくらいまでしか育たず。という説明書きを信用すると、
➡剪定などの手入れがほぼ不要と思われました。⇔ (結果 ✖)
しかも、夏は緑色の葉で、冬になると葉の色が赤紫色(遠くから見ると灰色に近い感じです)になり、クリスマスツリーにも使われる。
という、夢のような素晴らしい木を発見した!
と思い、(耐寒性がやや弱いという点は気になりましたが)生垣用の木として植樹しました。
ヌマヒノキ(沼檜)レッドスター(パープルフェザー)は、樹高3m以上になります。
樹高80cmくらいの、ヌマヒノキ(沼檜)レッドスター(パープルフェザー)を植えて約8年後
すくすくと順調に成長し、樹高は軽く3m以上、幅もだいぶ広がり、横の木と接触してしまうほど成長してしまいました。
このまま育て続けると、どのくらいまで大きく育ってしまうのか分かりません。
個体差があり、樹高もバラバラだったので、地上2m20cmくらいで切りそろえ、横へ伸びた枝も風通しがよくなるようにかなり刈込を行い、下方の枯れた枝も除去などをおこない、樹形を整えながら管理し続けました。
ヌマヒノキは、枝が密集し過ぎると風通しが悪くなり、幹の近くの葉が枯れます。
適度に枝の間引き作業と、枯れ葉の除去作業も必要です。
(きちんと綺麗に育て続ける為には、日々の手入れが必要です。➡地味に面倒くさい)
芝生にコガネムシが大発生 & ヌマヒノキに毛虫が大発生
何年も芝生とヌマヒノキを育て続けてきたのですが、
ある年、芝生から大量なコガネムシが湧きだすように大発生し、芝生の病気も併発して、芝生が所どころ茶色く変色してきました。
同時に、ヌマヒノキに毛虫が大発生しました。
芝生のコガネムシ退治のついでに、ヌマヒノキにも殺虫剤を大量にかけてしまいました。
芝生から湧き出る様に這い出すコガネムシを拾い、ヌマヒノキの毛虫をトングで挟み取り・・・
害虫の数が多すぎて無農薬での対応は不可能だ と判断して、殺虫剤と、ついでに殺菌剤を使用する事にしました。
(毎朝30匹くらいのコガネムシを拾い続けていました)
殺虫剤としておじさん(私)が、真っ先に思い浮かんだのが、スミチオン乳剤です。
(わざわざ購入せずとも、家にあった。という理由もあります)
スミチオン乳剤(住友化学)のラベルを確認すると、
- 適用作物名:芝
- 適用 病害虫名:コガネムシ類幼虫
- 希釈倍数(倍):1000
- 使用液量 / 使用量:3L/㎡
- 使用時期:発生初期
- 本剤の使用回数:6回以内 MEP剤6回以内
- 使用方法:散布
殺菌剤との併用も可能なようです。
適用作物の中に檜(ヒノキ)の名は見当たりませんが、樹木類 という項目はありました。
芝生に発生したコガネムシ類幼虫をやっつける為には、3L/㎡ という大量な殺虫剤の散布が必要です。
希釈倍率1000倍の液を3L/㎡も散布するという作業は、ジョウロで散布するのではたいへんな労力を必要とします。
そこで、便利道具の登場です。
散水ホースの先に取り付けて、希釈した液体を散布できる。
ラクラク液体肥料スプレイヤー を使用し3L/㎡の殺虫剤と殺菌剤を芝生に撒き、その勢いで ヌマヒノキの木にも殺虫剤(スミチオン)の希釈液をジャバジャバとかけて、毛虫退治を行いました。
殺虫剤と殺菌剤の散布2回/年 × 2年 合計4回の殺虫剤散布で、芝生から湧き出る様に発生する コガネムシと、ヌマヒノキに大量発生した毛虫の退治が出来ました。
ところが、このころから急にヌマヒノキの元気が無くなってきました。
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ヌマヒノキが枯れてしまった原因は、殺虫剤の大量使用だった!(薬害)
芝生のコガネムシ退治と、ヌマヒノキの毛虫退治を行ったころからヌマヒノキの元気が無くなりはじめ、最終的には3本のヌマヒノキの木が枯れてしまいました。
原因は毛虫のせいかなと思っていたのですが、なにか 納得がいかない。
ヌマヒノキを枯らしてしまった根本的な原因を突き止めないと、同じ失敗を繰り返して、生き残ったヌマヒノキの木も枯らしてしまう可能性があります。
そんな気持ちを持ちつつ日々を過ごした後の
ある日、殺虫剤を使う用事が出来て、改めて、殺虫剤・スミチオンのラベルを読み返して確認してみると、
思わぬ文言を発見!
使用上の注意
!効果・薬害等の注意 の項目の中に
● ひのきに対しては個体によって落葉、枯損にいたるおそれがあるので、付近にある場合にはかからないように注意して散布する と、明記されていました。
しかも、この薬剤の特長として、
●植物に浸達性があります。という文言も明記されていました。
➥ひのきに対しては個体によって落葉、枯損にいたるおそれがあり、植物に浸透性がある液体をヌマヒノキの木に大量に浴びせかけていた。 という、間違った使い方をしていたようです。
枯れてしまったヌマヒノキの木ですが、多少は、目隠しの役割を果たすだろう。という思惑でそのままにしてあったのですが、枯れ葉がすっかりと落ちてしまうと目隠しの役割を果たしません。
枯れたヌマヒノキの木は、力を入れて前後にゆさぶりをかけると。簡単に根がちぎれて抜き取る事が出来ました。
枯れてしまったヌマヒノキの木の跡地にヌマヒノキの枝を挿し木で育ててみます。
2本右側のとても元気なヌマヒノキの枝を間引きして、挿し木にしてみました。
ヌマヒノキ(沼檜)レッドスター(パープルフェザー)の名の通り、
寒気に当たっていた、木の外側(挿し木にした枝の上側)は、葉の色が赤紫色に変色して、クリスマスツリーにうってつけな綺麗な色になっています。
対して、寒気に当たらなかった、木の内側(挿し木にした木の下側)は、綺麗な緑色を保っています。
葉の色が赤紫色に変色している部分も、これからの時期で暖かくなると緑色に変化します。
木が枯れてしまった部分に挿し木をした物がきちんと育ってくれるのか?不安がありますので、予備として鉢植えでヌマヒノキの挿し木を育ててみます。
予備として、数本の剪定枝を鉢植えで挿し木として育ててみます。
こちらは、挿し木用の?
殺菌処理された、保水性・通気性に優れた専用の土を使用していますので、ちゃんと育ってくれると確信しています。
ちなみに、地面に直接挿し木をした物と鉢植えにした物、すべての枝は挿し木にする前に、切り口をメネデール溶液に24時間以上浸けて給水させて、発根を促す処理を行いました。
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挿し木の用土は、素人があれこれ悩んでいろいろな土を混ぜて床土を作るより、
あかぎ園芸さんの山野草の土を使った方が簡単で確実です。
挿し木用土としておじさんが使った中では、この 山野草の土 が、一番使い易く挿し木後の水管理も楽です。
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他の2本の枯れたヌマヒノキを引き抜いた場所へ、トキワマンサクを植えてみました。
左から3本目と、5本目の部分のヌマヒノキも枯れてしまったので、根元から引き抜いて処理済みです。
この部分は1本おきに枯れているので、遊び心で違う木を植えてみました。
1年ほど前に東京都の方から、徒長した枝を切って譲っていただき、鉢植えの挿し木で育てた物です。
トキワマンサクもヌマヒノキも、育てる適正地は東京都以南。となっています。
東京都より北の、真冬にはマイナス10℃以下になる事もあるこの地で冬を越す事が出来るのか?
不安要素がありますが、ヌマヒノキが元気に育っているので、トキワマンサクも何とか育ってくれるのではないかと楽観的な期待を持って育ててみます。
トキワマンサクは主幹が細いので、太い支柱を差し込んでトキワマンサクを固定しています。
トキワマンサクが冬を越せずに枯れてしまった場合は、鉢植えのヌマヒノキを植え替える事とします。
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まとめ
住友化学の殺虫剤 スミチオン はヒノキを枯らす可能性があります。
これは、スミチオン乳剤という殺虫剤がいけないという事ではなく、使い方の問題であり
適材適所で正しい使い方をすれば良いだけの話です。
ヌマヒノキの毛虫退治に薬剤を使う場合は他の薬剤を使いましょう。
住友化学の殺虫剤 スミチオン のラベルの注意事項の中に
使用上の注意
!効果・薬害等の注意 の項目の中に
● ひのきに対しては個体によって落葉、枯損にいたるおそれがあるので、付近にある場合にはかからないように注意して散布する と、明記されています。
薬剤を使う前には説明書きをよく読んで、用量用法を守り使用しましょう。
追記 記事公開から40日後、地植えの挿し木は枯れてしまいました
地面に直接挿し木をした物は枯れてしまいました。
近年の異常気象で5月に夏日を何日か観測するような天気だったので、水不足で枯れてしまったと思われます。
一方、明るい日陰で鉢植えにした挿し木は
一つの鉢に5本の挿し木をしたのですが、一本は枯れてしまったようです。
しかし、4本の挿し木は元気に育っていますので、このまま一年間近く育てて、来年の春ごろ庭に定植するつもりです。
以上、
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