イセキのキャビン付きトラクターTH233BCYのフィンガップレバー(フィンガーアップレバー)の取り付け部が破損していたので交換しました。
作業が意外と大変だったので、参考として手順を記事にしておきます。
現状確認 自動深耕装置の操作レバー故障
数年前に中古で購入したトラクターですが、
ロータリーを上下させる手元スイッチが購入時からぐらついていました。
確認してみるとスイッチをハンドルの根元に取り付ける部分が欠損していたのでとりあえずは針金で応急処置をして使っていました。
解りやすいように周りの部品は外した写真がこちらです。
応急処置で充分使えていたのですが、
何年か後に修理しようとした時に部品供給が終了していたら困るのできちんとした部品を購入し修理することにしました。
部品手配
近くのイセキの販売店にお願いして届いた部品がこちらです。
トラクター作業時に後ろのロータリーの上げ下げを指1本で操作できるレバーです。
トラクターの説明書にはフィンガップレバーという覚えにくい名前が書いてあったのですが、
今回購入した部品のラベルから推測するとフィンガーアップレバーという名称からフィンガップレバーに代わってしまっているようです。
部品交換は取り付け部ネジ留めとコネクターの差し替えだけで古いものと交換できそうです。
が、
このコネクターの差し替え交換がとても大変でした。
交換手順(試行錯誤)
ハンドル手前側のカバーを取り外します。
ここは2か所プラスネジで留めてあります。
このネジは通常のプラスネジより大きい+3のドライバーで外します。
通常使うドライバーは+2がほとんどなので+2で無理やり緩めたくなるところですが、サイズが合っていないドライバーの使用はネジの頭をダメにしてしまう可能性が高いので必ずサイズが合っているものを使用しましょう。
ネジを抜き、カバーを手前に引けば取り外しができます。
フィンガップレバーのハンドル軸への取り付け部はこの状態でも作業できるのですが、
青いコネクター部分が見えているのですが、このままでは狭くて手が入らず作業が出来ません。
ちなみにコネクターはロック用の爪が付いている為この状態で無理やり引っ張ってはいけません。
足元前面のカバーを取り外さないと(手前にずらさないと)作業スペースの確保が出来ません。
青い丸印の部分のネジを外します。
(この後の作業時、赤い丸印のあたりに爪がありはめ込んであります)
この状態ではカバーはまだ外れません。
上部に固定部分があるようです。
ハンドル下前面カバーの下に足元パネルの固定ネジが隠れています。
ハンドル下前面カバーの2か所のネジを外し、引っ張ってみるのですがどうやっても取り外す事が出来ません。
知恵の輪のように方向を色々変えて引っ張れば外れるかと思い、アクセルレバーの位置を替えたり色々やってみましたが、外す事が出来ませんでした。
聞いてみるとここを外す為にはハンドルを外さなければいけないそうです。
結構おおごとになってきました。
ここまでで結構時間がかかっていますが、ここから下の記事が正規の作業手順です。
正規の交換手順
ハンドル取り外し
ハンドル取り外しの為に、ハンドル上面のカバーを取り外します。
ハンドルの上面カバーは3本の爪で固定されています。
奥の2本の爪はハンドルの下から指で動かす事が出来ますが、手前の爪は手が届きません。
カバー手前の隙間にマイナスドライバーを差し込みこじって無理やりカバーを外しました。
おじさんは雑なやり方をしたので少し傷がついてしまいました。
ハンドルは緩み止め付きのナットで止まっています。
先ず緩み止めの割りピンを敷き抜きます。
次にナットを緩めますが、ナットはこの段階では完全には外さないようにします。
ナットが緩んでまだシャフトに着いた状態で、ハンドルを力任せで上に引っ張って外します。
この時ハンドルはシャフトと固着していますので一気に力を入れて引っ張ります。
この時ナットが完全に外れているとハンドルで顔やその他 体をぶつけてケガをしてしまう可能性があります。
ハンドルが緩んだらナットを取り外し、ハンドルも取り外します。
ハンドル下前後カバー取り外し
次にハンドル下の前後のカバーを取り外します。
ハンドル下手前のカバーは前述したようにネジ2本を外し手前に引っ張れば外せます。
ハンドル下前面のカバーは取り外しに少しコツが要ります。
2本のネジを外した後に写真のように斜め右前方向にうまく傾けると外す事が出来ます。
このカバーを外した下に足元全面カバーを留めているネジがあります。
足元カバーの外し方
- ハンドル下前面カバーの下にある2か所のネジを外します。
- 足元カバー手前にある2か所のネジを外します。
- 足元カバー左右に爪があり固定されているので左右から押しながら手前に引きます。
- 固定爪が外れたら足元カバーを上に引き上げます。
足元カバーを完全に取り外す為には何か所かのコネクターを外す必要がありますが、今回はフィンガップレバーの交換が目的なので足元カバーをずらして作業スペースが確保できた段階でOKとします。
フィンガップレバー交換
ここまでやってようやくフィンガップレバーの交換が出来ます。
交換作業自体は非常に簡単で、
コネクター部はコネクターの爪を押しながら外し、新しい部品のコネクターを差し込みます。
レバー本体はハンドルポストに取り付けるのですが、レバーの裏側に位置決めのボスが付いていますのでハンドルポストの穴に合わせ、金具でハンドルポストを掴みねじ止めします。
まとめ
今回は自分でフィンガップレバーを交換してみました。
応急処置で使っていた状態でも充分使用できたのですが、今回レバーを替えたことによってぐらつきも無く操作がしやすくなりました。
コネクターの抜き差しとねじ止めだけで済むと思っていた作業が思いのほか大げさな作業となりました。
ハンドルの取り外し、足元カバーの取り外し等作業工具もいろいろ必要となってきますので、自信のない方は素直に業者に修理をお願いしたほうが良いかもしれません。
以上、
コメント
使用しているイセキのトラクターの「フィンガップレバー」の根元が今日破損してしまいました。レバーの信号は伝わるので、上下操作はできるのですが、最初の取付位置からずれてしまったのでアクセルレバーに干渉してしまいます。記事を読んだら、状況に納得しました。
大変参考になり感動しました。まさに自分の欲しい情報がドンピシャで載っていました。
コネクター部分に手間取りそうなので、私は素直に業者修理をお願いすることにします。
青い自転車 様 コメントありがとうございます。
おじさん(私)は、機械いじりが好きなので、多少の苦労はあっても自分で出来る事はやってみたいと思い、フィンガップレバーの交換に挑戦してみました。
記事中にも書きましたが、正直言ってコネクターを外すまでの行程はとても面倒くさいです。
機械いじりが好きで、どのような構造(取り付け)になっているか?などと言うどうでも良い事に興味を持つ人以外は、業者さんに修理をお願いするのが正解だと思います。