おじさんの愛車の中の一台 トラクター様 ヰセキの TH233-BCY が また いう事を聞いてくれなくなりました。
作業中に突然 自動深耕の作動ランプが消え、一定の深さでの作業が出来なくなり、バックアップ機能も作動しなくなるという症状です。
(ここで言う 「バックアップ機能」とは、ロータリーを下げた状態での作業中に、レバー操作でバック(後進)ギヤにすると、自動でロータリーを上昇させてくれる機能の事です。)
今回の修理内容は たまたまおじさんの勘が当たって修理出来ましたが、機械いじりが得意でない方はメーカーに修理を依頼することをお勧めします。
不具合の症状は約一年前の記事 トラクター自動耕深制御不具合の修理 ロータリー上下レバー部のセンサー修理 の時と同じで、
耕運作業中にトラクター様自身が、後ろに付けたロータリーの位置が判らなくなって正常な制御が出来なくなってしまうという症状です。
不具合発生の原因と不具合部署の確認
約1年前にロータリー上下レバーの修理を行ってから今まで、何の問題も無く自動深耕装置が使えていたのに、なぜ今になって同じ症状が発生したのか?原因は大体検討が付いています。
自動深耕装置不具合の発生原因は
不具合発生からさかのぼる事約1週間
イセキの担当者さんに家に来てもらい色々用事を済ませた後、
このトラクターを中古で購入してから約8年経つから、一度オイル交換やグリースアップ等全体の点検をお願いしようと思っているんですが、12月とか1月くらいならば、イセキさんも手が開いていますよね?
そーですね。
冬の間の方が割と暇っていうか手が空いていますので急ぎでなければ冬にでもトラクターをお預かりして点検しましょう。
クーラント液やオイルフィルターは交換しますか?
正直言って何の手入れもしていないので全部確認してください。
後日点検の見積書を出して頂く様にお願いしつつトラクター様の周りを一周しながら話をしていると、
あっ ここが断線しかかっていますね
先にここだけでも修理しますか?
この位だったら電工テープでも巻いてごまかしておくから、冬に点検で一緒にやってもらえれば良いですよ。
イセキの担当者さんが帰った後。問題の部分を再度確認
トラクターの後ろの作業機を上げ下げさせる油圧シリンダーの横に付いている部品です。
どうやらこれがロータリー等の作業機の位置を感知するセンサーのようです。
配線がむき出しになっている部分を動かしてみると縦に何本も入っている銅線がかなりの数 断線しています。
この時点ではまだそのまま使えると思ったのですが、確認の為配線を無理に曲げたり戻したりした事で状況を悪くしてしまったようです。(ここでとどめを刺してしまったようです)
この一連のやり取りが有った後、1週間後に農業放棄地(日当たりが悪いので今年は何も野菜を作らずにいる畑・半日しか日が当たりません)の雑草退治の為の耕運作業を行ったところ、自動深耕装置が効かず、バックアップ機能も反応しなくなってしまいました。
畑の中心部の草が耕運できずに元気に育ってしまっています。
体後部油圧シリンダーの位置センサー上部断線修理
配線の断線が原因であればハンダで接触・導通させてあげれば良いだけの話です。
錆びた銅線に上手く半田がのるかどうかの問題だけだと思ったのですが。
いや、ちょっと待て! 俺
断線した部分をハンダで接続させるのは良いのですが、銅線が何本も通っています。
ひょっとしたらすごく精密な配線で銅線を一本づつ繋がなければいけない物かもしれません。
配線をたどって行き。何本の配線がされているか確認する必要がありそうです。
しかし、面倒くさい。
一年前の修理記事を見直してみると、操作部のロータリー上下レバー部の配線は3本だけです。
配線3本という事は、多分、プラス・マイナス・基盤への信号出力ではないでしょうか?
だとすれば、断線部分は同軸ケーブルになっていて中心の配線と外側の配線の2種類だけという事になります。
外側全体が一つの配線だとすれば全体をハンダで覆ってしまえば修理可能な筈です。
(ある意味博打みたいな対応です)
もし失敗してもヒューズの断線程度で済むと踏んで修理開始。
修理に失敗した場合は素直にイセキさんへ修理をお願いする事とします。
半田ごてを持って格闘する事数分間。
おじさん(私)の技量ではこの部分にハンダ付けは不可能でした。
半田が溶けて玉になるだけで銅線に載ってくれません。
今回は修理の代替案がすぐに思いつきました。
ダイソーで購入した銅製針金(銅線)です。断線部分の通電を復活させれば良いので、この銅線を使って修理します。
修理方法はいたって簡単です。
銅線を10cmくらいに切り
配線がむき出しになった所へ銅線を隙間なく綺麗に巻き付け、余った長さの銅線は適当に二重に巻き付けました。
これではんだ付けの代わりに導通出来る筈です。
配線がむき出しなので、一応電工テープ(絶縁テープ)を巻き付けて修理完了。
おじさん(私)の考えが正しければこれで 自動深耕装置・バックアップ機能 ともに直っている筈です。
トラクター後部のセンサー断線修理後の試運転
早速、中途半端な作業で終わっていた畑を耕してみます。
結果:大成功です。
試運転なので、草が生え残っている部分だけトラクターで耕運作業を行ってみました。
本業の農家の方が見ると、「どうせ耕すなら端まで綺麗に耕せ」と言われそうですが。この畑は今年は何も作っていないので ぱっと見で草が無ければOKとしました。
自動深耕装置・バックアップ機能 共にバッチリと機能してくれて平らに耕す事が出来ました。
試運転後、修理箇所の確認と補強
修理完了・作業も問題無し!
トラクター様をトラクタ小屋へ収納した後修理した部分を見てみると
電工テープ(絶縁テープ)がほとんど剥がれ落ちていて銅線も緩んでいます。
硬い固定部から柔らかい?配線が伸びていて、ロータリーの上げ下げで一番曲げ応力が掛かり易い部分です。
この部分の補強を行います。
ほぼ取れてしまった電工テープ(絶縁テープ)を取り除き、銅線を綺麗に巻き直し、電工テープ(絶縁テープ)で巻き直し。
曲げ応力に対応する為にはバネで補強するのが一番理にかなっていると思いますので、バネ材の用意
上の板状のバネ材は、ワイパーゴムに付いていた板バネです。
ワイパーゴムに付いていた板バネは、何かが詰まった時につついたり、狭い場所へ配線を通したい時に糸通しの代わりに使ったり、と 使い勝手が良いので
ワイパーゴムを交換した時にこの板バネは捨てずに取っておくといろいろ便利に使えます。
下の針金状のバネ材は海水浴などで使うワンタッチで広がるポップアップテント(バネの力で自立するテント)などを廃棄する際に分別廃棄でバネ材は捨てずに再利用です。
ポップアップテントのバネ材はもっと太い物が使われていますが、今回はポップアップバケツ?を廃棄する時に外してあったバネ材を用意しました。
出来れば針金状のバネ材を使い、くるくる巻いたバネを作りたかったのですが、バネ材を思った通りの形に曲げるのは大変な苦労が必要です。
今回は板バネを利用して固定部から飛び出す部分のワイヤーの曲げ応力対策を行う事としました。
バネ材は曲げるのも大変ですが、切断するだけでも一苦労です。
今回は6cmの板バネを二枚使用する事としました。
切断方法は
・三角ヤスリの角を使って地道に切断したい部分を削り深い溝を掘り
・手で無理やり折り曲げるとポキッと折れます。
後は折れた部分を反対側へ折り返すと切断出来ます。
切断面で配線を傷つけてはいけないので軽くヤスリがけをしてバリが出ないようにします。
ワイヤー(電線)が曲がる方向の上下に板バネを設置
位置がズレない様に注意しながら、電工テープ(絶縁テープ)でバネを固定していきます。
端まで電工テープ(絶縁テープ)を引っ張りながらしっかりと巻き付けて、一応の見た目は補強完成です。が
先ほどの作業後の点検の通り、このままでは一度耕運作業をしただけで補強部分が剥がれ落ちてしまうと思います。
補強部分の上・中・下 部分を結束バンドで固定
結束バンドの色が違っていますが深い意味は有りません。たまたま家に有った結束バンドを使ったところ、黒色が2本しかなかったので中心は他の色の物を使いました。
結束バンドの余った部分を切断して修理完了。
今年の冬にはイセキさんで全体の修理をお願いするつもりですが、この部分は交換してもらわなくても良い気がします。
バカの知恵は後から出る。と言いますが、
銅線を綺麗に隙間なく巻き付けた後にハンダで補強しておけばよかったような気がしています。
綺麗な銅線であればおじさんの技能でもハンダを載せる事が出来ると思います。
でもここまでやった物をやり直すのは面倒くさいので、この部分がまた壊れた時には半田補強も試してみたいと思います。
この後 他の畑を耕運作業したのですが、センサーの補強部は結束バンドのズレ等も無くこのまま使えそうです。
トラクターのオイル交換やクーラント液交換は自動車と違って、
ジャッキアップの必要が無いので自分で簡単に出来るのですが、車検のない乗り物なのでたまにはメーカーさんにお願いして総点検を行ってもらおうと思っています。
以上、
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