部品取り用の草刈り機を入手後 プラグ掃除だけで簡単にエンジンがかかってしまい、拍子抜けしてしまいました。
機種はリョービのEKKB260Lです。
今回は全体の掃除、細かい調整を行います。
先端の刃を取り付ける部分の部品調達
エンジンは実用には問題がないレベルで動いてくれたのですが、
先端の刃を取り付ける部分の部品調達をしなければ草刈り機として完成品になりません。
この金具は簡単にどうにでもなると思っていたのですが、メーカーによって軸歯型形状が違っていて なんでも良いという事ではないようです。
色々調べてみたのですが、この機種は古すぎて部品を売っていなさそうです。
あったとしても 正規の金具1式(刃受金具 刃押金具 ボルトカバー 刈刃取付ボルト)を揃える為には5~6千円はかかってしまいそうです。
本体2千円の草刈り機に5~6千円はかけられません
中古品でよいので何とか安く入手できないか考えます。
この草刈り機を購入した店の部品取りコーナーを見に行きました。
同じメーカー(リョービ)の違う機種を発見、
部品の価格を聞くと、
「部品取り用の物はばら売りはしない」 部品取り用1台¥1000とのことでしたが
1台買ってもごみになるだけなので 店の方と交渉し
先端部分のみ¥1000で購入してきました。
買ってきた受刃金具をはめてみると軸径・軸の歯形・外形ともぴったり合います。
刃押金具 ボルトカバー 刈刃取付ボルト は正規の物ではないのですがこれで大丈夫なはずです。
これで草刈り機として完成しました。
(この時点で軸径・軸の歯形・外形さえ合えば大丈夫と思い込んだことが後で大変なことになります その内容については次回の記事で紹介します)
エンジンのフケ上がりのモタツキと高速域での息継ぎ の原因は キャブレター修理とマフラーの掃除で直る予定です。
キャブレターの分解・掃除・調整
ガソリンを抜かずに長期間放置してあったキャブレターは 中でガソリン等が変質して固まり、ガソリンの通り道を塞いでしまっている可能性があります。
今回の物はエンジンは始動したのでそれほど酷い状態ではないと思いますが
エンジン本来の調子を取り戻すために分解掃除を行います。
キャブレターの取り外し
- エアークリーナーのカバーは爪で引っ掛けてあるだけなので、横から押しながら取り外します。
- 一緒にエアークリーナーも取り外せます。
- 中にある2本のねじを緩めてエアークリーナーのケースごと抜き取ります。
- スロットルワイヤー(アクセルワイヤー)は引っ掛けてあるだけです
- 扇状の黒いプラスチックの部分を時計回し方向に動かしてワイヤーを取り外します。
(プラスチック部分の真ん中のマイナスドライバーで回せそうなところは燃調のねじなので、この段階では回してはいけません)
- ワイヤーの取り付け金具をネジを緩めて取り外します。
- キャブレターの下側に燃料パイプが2本ついているので両方取り外します。
キャブレターの分解整備
- キャブレターの下側の4本のねじを緩めて取り外します。
- プライマリーポンプ(エンジンをかける時 燃料を最初に燃料をタンクから吸い上げるために指でペコペコ押す半透明の半球部分)押え金具から順に外していきます。
- メインダイヤフラム(黒いゴムの中心に金属が付いているもの)が見えます
- メインダイヤフラムが変形しているのがわかると思います。
- エンジン不調の原因はこのダイヤフラムの変形によるものだと思います。
この部分は薄いゴムのメインダイヤフラムとガスケットが重なって付いているのですが、
これは完全に固着してしまっています。
カッターの刃を使ってここを丁寧に外すのですが、うまくいかずガスケットを大分痛めてしまいました。
ダイヤフラムは消耗品なのでホームセンター等で部品単体で購入できます。
分解したキャブレターを持って行って現物合わせで合いそうなものを買ってきました。
もう一段もダイヤフラムとガスケットを外します。
(こちらは再利用しました)
キャブレターが分解出来たらすべての穴にキャブレタークリーナーを吹き付け小さな穴の中の掃除をします。
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(キャブレタークリーナーはカー用品店やホームセンターで安価で購入できますが、ヤマハのキャブレタークリーナーが一番のおすすめです)
*注意
キャブレタークリーナーを使う時には必ず保護メガネを使用しましょう。
キャブレタークリーナーが目に入ると冗談では済まされない程痛く、目を開ける事も出来ない程です。
万が一目に入ってしまったときは直ぐに水で目を洗浄し、目医者に行くことをお勧めします。
キャブレタークリーナーで洗浄した後 パーツクリーナーやコンプレッサーエアーで部品を綺麗にして後は元通りに組み立てればキャブレターの掃除は終わりです。
注意!
このキャブレターは内部に燃料フィルターが組付けられています。
パーツクリーナーやコンプレッサーエアーの勢いで簡単に外れてしまうので なくさないように注意しましょう。
(おじさんはコンプレッサーエアーで砕石の上に吹き飛ばしてしまい 必死で探しました)
キャブレターを外したついでにエンジン内部を覗いてみると ピストンはきれいな状態でした。
修理後に気が付いたのですが、ネット販売でダイヤフラムセットが安く手に入ります。
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キャブレターの分解に抵抗がある(分解するのが怖い)方はキャブレター1式を交換する手もあります。
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キャブレター交換時には、機種選定がとても大事です。
キャブレターを交換する際には、本当に、買おうとしている物が自分の欲しい物と同じ物なのか?きちんと確認しましょう。
刈払機のキャブレターは構造が簡単で上面真ん中にある燃調ネジ以外は調節する所は有りません。
思い切って全部バラして綺麗にし、元通り組付ける事が出来れば誰でも掃除出来ます。
但し、ダイヤフラムとガスケットは固着している場合が有り、その場合は交換が必要になります。
間違って燃調ネジも外してしまった場合はこのネジを一旦全部ねじ込み、その位置から1回転半戻したところが基準の位置です。
機械に興味がある方はエンジンをかけた状態でこのネジを微調整して調子のよい位置にします。
エンジンの調子うんぬんが解らない方は全部閉めこんでから1回転半戻し位置にしておけば大体大丈夫です。
追記 キャブレターの分解・掃除・調整について別に詳しい記事を作りました。
マフラーの掃除
マフラーが詰まり気味になるとエンジンが不調になってきます。
今回はガスバーナーで中の煤(すす・カーボン)やオイルを焼き切って綺麗にします。
この時 煙が出ますので、ご近所の迷惑になる場合は 棒でつつく程度でも効果はあります。
ガスバーナーで焼き、冷めてから こんこん叩くか コンプレッサーエアーを吹き付けると燃え残った煤の塊が出てきます。
すっかり綺麗になりました。
これで排気の抜けも良くなるでしょう。
エンジン本体の排気口も すすが溜まっているようであれば掃除します。
マフラーを外したついでに、エンジン内部を覗いてみると
・・・・・ピストンが傷だらけです・・・・・
・・・・・真実を知らない方が幸せって事 ありますよね
とりあえず見なかったことにしてそっとマフラーを取り付けました。
ここまで弄ってきた感じでは圧縮はしっかりしていると思っていたのですが、これだけ傷がついているということは多少の圧漏れがあるはずです。
中古農機具屋さんにあったリョービの草刈り機が方が合えば エンジンの上部分の載せ替えができるかも と思い、店に行ってみたのですが、
店にあった部品取り用のもう1台のリョービは残念ながら排気量23ccでした。
(今直している草刈り機は26ccです)
ピストンが合わないならばしょうがないのであきらめ
ピストンの傷は見なかったことにしてこの後の作業に入ります。
ここまででエンジン部分の始動前の整備は終わりです。
あとはエンジンをかけてみて微調整をします。
各部掃除・グリースアップ
外せる部品は外して、水に濡れても良いものは中性洗剤で洗い良く乾かします。
今回は仕上げにシリコーンスプレーを吹き付けてみました。
(背あての部分と両肩のバンドは、滑ると使いにくくなるのでスプレーはかけていません)
何か 無駄に綺麗になっています。
ついでに他の部分も無駄に綺麗にしていきます。
一度草刈りをすれば汚れてしまうのでここまできれいにする必要は 全くありません。
フレキシブルシャフトのグリースアップ
フレキシブルシャフトのグリースアップの為にエンジンからフレキシブルシャフトを取り外します。
この機種は取付個所に黒いつまみが付いており
このつまみを引っ張り上げながらフレキシブルシャフトの根元部分を引っ張れば簡単に取り外しができます。
中のシャフトを全部抜き取り、グリースを塗って元の通りに組み立てます。
先端金具(ギアヘッド)のグリースアップ
この草刈り機はどんな使われ方をされてきたのか わからないのでグリース切れしているという前提で作業します。
ギヤヘッド部分を取り外し
- 両横についているネジを取り外します。
- 太い方のねじ穴からグリースを注入
- 入力側シャフト受部分の中までグリースが入ったことを確認
ギアヘッド部分を本体のシャフトに取り付け
更にグリースを注入し反対側の小さいネジ穴からグリースが出るまでしっかりと注入します。
この工程で古い真っ黒なグリースが押し出される予定だったのですが、中にほとんどグリースがなかったようです。
ギアヘッドと刃受金具の間にもたっぷりグリースを注入します。
(この時点ではまだ 刃受金具があっていないことに気が付いていません)
全体組付け・試運転
全体を組付け、燃料を入れて試運転です。
スターターロープを引くこと4回目でエンジンがかかりました。
しばらく暖機運転した後
スロットルレバーを操作するとスムーズに回転が上がり、高回転域での息継ぎもなくなりました。
ばっちりです
キャブレターの上部真ん中にマイナスドライバーで回せる部分があります。
このネジはキャブレター内部で 燃料と空気の比率を調節する燃調ネジです。
エンジン回転数を下げて この空調ネジをほんの少し回して調子の良いところに合わせます。
*このネジは調整に自信のない方はいじらない方が良いでしょう
と言いつつ、個人的な意見としては 何事も経験ですので 自己責任の範疇でいろいろやってみることは無駄にはならないと思っています。
チョークレバー(赤いレバー)の横のねじでアイドリングの回転数を調整します。
アクセルレバー全閉の状態で刃が回らず・エンストしない状態に調整します。
余談ですが、
このキャブレターはチョーク機能内蔵です
我が家の他の草刈り機のチョーク機能は 空気取り入れ口を、小さな穴が開いた板で塞ぐ事によって吸気を少なくしていますが、
このキャブレターは空調ネジ部全体を赤いレバーで持ち上げてキャブレター内で気化燃料の濃度を変えています。
初めて見ました。
もう一つ余談です
実用とは何の関係もないのですが、
高速域の燃調をもう少し薄くしてやればもっと高回転数まで スムーズに回転が上がるはずですが、このキャブレターには高速側の燃調ネジがないので調整不可です。
高校生時代に2サイクルのバイクに乗っていた世代のおじさんとしては 2ストエンジンは高回転まで回ってなんぼ という思い込みがあります。
まっ そんなに高速まで回っても 必要以上の高速域は危なくて使えないんですけどね
しばらくエンジンをかけ続けててみたところ ばっちり修理完了、エンジン絶好調
見た目も 離れてみれば ぱっと見は新品同様に、無駄に綺麗にしてやりました。
あとは実際に刈ってみるだけ と思い今日のところはいったん片付けようとしていると
シャフト先端のギアヘッド部分が大分熱くなっています。
??? グリスの入れすぎ? そんなわけないよねと思いつつ温度が下がるまで待って片付けてこの日は終了
次回、安易受刃金具の安易な選定 が大変なことに に続きます。
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