包丁を砥石で研いでも切れ味が新品時のようにならないのは、包丁が悪いのではなく 研ぐ人の技術不足でもない場合が有ります。
過去にはうまく研げていたのに、今は研いでも切れ味が良くならない場合は砥石の面出し(真っ平)が出来ていないせい の可能性があります。
包丁の研ぎ方などは、他の方(包丁メーカーさんなど)が詳しく説明しているサイトやYou Tubeがありますので、ここではあまり説明しません。
砥石の面直し(面出し)の必要性
包丁などの刃物を研ぐ時に砥石を使って研ぐ場合、砥石の上面が真っ平になっていないと、いくら頑張っても(いつまでたっても)刃物が切れるように研ぐ事が出来ません。
砥石の上面がゆがんでいる状態で刃物を研ごうと思ったら、砥石のゆがみに合わせて刃物を動かす必要があります。 → 実際にはほぼ不可能です。
ステンレススケール(物差し)を砥石に当てて光にかざしてみると中心がすり減ってへこんでいるのがわかります。
(物差しでは無くても、直線の物を当ててみると分かります。お玉の柄とか・・・)
おじさん(私)が、最近包丁研ぎが下手くそになっていたのは砥石の面出しが出来ていなかったせいのようです。
色々なサイトやYou Tubeを見てみると、上の写真のような大きな隙間が有る物は、かなり重症な状態のようです。
*砥石の面直し後は、包丁を少し研いだだけで反対側にバリが出るように改善されました。
なぜ、砥石の中心だけがへこんでくるのか?
おじさん(私)は右利きなので、上の写真のように包丁を研ぐのですが、砥石の右上と左下は包丁研ぎの時に使いきれません。
→ 包丁研ぎで良く使う中心部だけがすり減ってしまいます。
*ちなみに、今回この記事を書くのにあたり、色々調べてみると包丁を研ぐ時の、包丁の持ち方/握り方は、人差し指を包丁の峰(包丁の上の辺/刃が付いていない側)に当てて、包丁を持つと良いようです。
砥石の面直し(面出し/平面出し)方法
包丁メーカーさんやその他の方の記事や You Tube を見てみると、(理想としては)包丁を一回研いだらその都度砥石のメンテナンスとして面出しをする必要がある様です。
一般的な、砥石の面直し(面出し/平面出し)方法:正攻法「面直し用砥石」を使って面を直す
包丁メーカーさんのサイトに載っているので、一番正しいと思われる面直し方法は
「面直し用砥石」を使って、砥石を平らにする方法です。
きちんと面直しが出来ているのかがわかりやすいように、直したい砥石の上面に鉛筆でぐるぐると印をつけます。
(Bとか2Bの柔らかい鉛筆を使うと良さそうです)
しっかりと水につけておいた、砥石と「面直し用砥石」を合わせて表面をこすって削ります。
鉛筆のあとが残っていたら、その部分がまだへこんでいるという事です。
鉛筆のあとがキレイになくなる(=平らになる)まで、削ります。
(正攻法:面直し砥石の使い方は他の方やメーカーさんが詳しい動画などを発信していらっしゃいますので、他を当たってください)m( _ _ )m すみません。
ちなみに、パソコンでこの記事をご覧になっている方は、上の広告の小さな写真の部分にカーソルを合わせると、面直し用砥石の使い方が解ります。
一般的な、砥石の面直し(面出し/平面出し)方法:正攻法 其の二 2枚の砥石をすり合わせて面直し
解りやすいように鉛筆で印をつけるところまでは上記と同じですが、砥石同士を擦り合わせて鉛筆の印が無くなるまでこすり合わせます。
*利点:二つの砥石を一度の作業で平らにする事が出来ます。
*欠点?:同じ粒度(粗さ)の砥石を合わせて面直しをするのであれば問題無いと思うのですが、粗さが違う砥石を合わせて削った場合どうなるのか?
欠点?:面出しがで出来て、平面が正確になるのに従って、水の表面張力の関係で砥石を動かしづらくなりそうです。
(水で、砥石同士がぴったりと張り付く状態になるはずです)
おじさん(私)流 面直しの方法(邪道?)コンクリートブロック使用
おじさん(私)は以前、ガーデンシュレッダーの刃を研ぐために鎌用の砥石(かなり粗めの砥石)を道路の側溝のふた(コンクリート)で面直しをしています。
コンクリート製の側溝のふたも良いのですが、表面の粗さが気になります。
→硬い石が含まれていてその部分を使うと砥石に筋が入ります。
おじさん(私)の場合、先に粗い砥石の面出しで側溝のふたを使っているので、側溝のふたの面直しも出来ているのですが、
コンクリート製の側溝のふたは粗削りとして使い、仕上げはコンクリートブロックで仕上げました。
都会の方にはハードルが高い方法かもしれません。
道路わきの側溝のコンクリートのふたで、砥石の面直し(粗削り)を行います。
砥石がコンクリートに平行に当たる事を意識して面直しを行います。
少し削った写真です。案の定、砥石の角から削り取られていきます。
ここで、ふと 思いました。
砥石に充分に水を含ませて、コンクリート面にも水を撒いて削った方が上手く削れる(砥石の欠け等を防ぐ事が出来る)はずです。
バケツに水と砥石を入れて、砥石に充分水を含ませます。
15分くらいこのまま置いておき、砥石から気泡が出なくなるまでしっかりと砥石に水を含ませます。
自分の砥石の持ち方に変な癖がある可能性も考え、砥石を持つ方向を変えながら慎重に砥石の面直しを行います。
砥石の面直し(面出し)の粗削りの工程終了です。
ステンレススケール(直尺/ものさし)を、いろいろな方向で当てて、平面が正しく出ている事を確認しました。
ここでようやく気が付きました。
道路の側溝のコンクリート製の蓋よりもコンクリートブロックを使った方が傷がつきにくいのではないのか!
細かな線傷がついてしまったので、この砥石は後でコンクリートブロックで仕上げの面直しを行う事とします。
粗さが違う砥石の面直しの順番はどういう順番が良いのか?
コンクリートブロックなどで粗さが違う砥石の面出しを続けて行う場合には、どの様な順番で面出しを行えば良いのか?
理屈(屁理屈?)から言えば、細かい目(仕上げ用)砥石の面出しから初めて、最後に粗い目の砥石を研ぐようにすると、効率が良いです。
理由は、細かい目(仕上げ用)の砥石の面出しを行った後に、続けて少し目の粗い砥石の面出しを行うと、先に研いだ細かな砥石の粒が研磨剤として残っている為に面出しがほんの少し早く済みそうだから、です。
(逆の順番で、粗い砥石の面直しを行った後に砥石の粉を洗い流さずに細かい目の砥石の面直しを行うと、残っていた粗い砥石の粉で面直しをする砥石に筋が付いてしまう可能性があります)
しかし、コンクリートブロックを「面直し用砥石」として使おうとして、
コンクリートブロックの表面を観察して見ると、かなりザラザラです。
(記事の最後に写真を載せてあります)
コンクリートブロックを初めて「面直し用砥石」として使う場合は、粗い目の砥石 を先に面直しをして、コンクリートブロックの表面を滑らかな平面にしてから細かい目の砥石を研ぐようにした方が良さそうです。
この場合、粗い砥石の面直しが終わった後、コンクリートブロックの表面を水で洗い流してから次の砥石の面出しを行います。
後述しますが、コンクリートブロックは軽量コンクリートブロックがおすすめです。
一番粗い砥石の面出しから作業開始。
コンクリートブロックの表面を滑らかにする目的もある為、コンクリ―トブロックの中心だけでなく、隅々まで使って面直しを行います。
面直し開始直後。
案の定 長手方向の両端から削れてきます。
この砥石面は中心の凹みが酷い、重症患者です。
そう簡単には、表面が平らになりません。
あと少しです。
自分の包丁研ぎのくせ、
砥石の、どの部分を多く使っていたのかがわかります。
粗砥石の面直し完了です。
コンクリートブロックの表面も滑らかになりました。
一旦コンクリートブロックの表面を水で洗い流し、中砥石の面出し作業を行います。
中砥石の面出しの途中経過です。
写真では分かりづらいかも知れませんが、両端だけ削れています。
目視だと面直しが出来ている部分と、まだへこんだままの部分が解ります。
面直しがどこまで出来ているのか?
わかりずらいときには、直したい砥石の表面に鉛筆でぐるぐると印をつけて面直しをすると解りやすくなります。
面直しの目安として鉛筆で印をつける場合は2Bなどの鉛筆の芯が柔らかい物を使う事をお勧めします。
砥石の面直し、3面終了です。
面直し後の砥石はとても使い易くなり、包丁を研いでみると簡単に裏バリが出るようになりました。
邪道かもしれませんが、面直しに向いているコンクリートブロックは?
コンクリートブロックにも、種類がいくつかあります。
ホームセンターなどで売られているコンクリートブロックは、
・軽量コンクリートブロック(A種)
・重量コンクリートブロック(C種)
の2種類だと思います。
旧 JIS規格を見ると、コンクリートブロックは圧縮強さによる区分で、A~Dの種類があります。
(ちなみに圧縮強さは、AとC では2倍の差があります。)
おじさん(私)個人の調査で材質は、
過去の一般論として、
・軽量コンクリートブロックには珪砂が使われていて、
・重量コンクリートブロックには砂利が使われていた場合が多いようです。
我が家に積んであるコンクリートブロックで確認・写真撮影
重量コンクリートブロックと思われる物の写真
小さな石が混ざり込んでいます。
このコンクリートブロックで面直しをした場合、コンクリート素材と小石の硬さの違いで正確な平面が出なく、砥石を傷つける可能性があります。
次に、面直しに使用したコンクリートブロックと、何も表面処理をしていない(軽量)コンクリートブロックの比較写真
左側が表面をいじっていない素地の軽量ブロックで、右側が今回 面直しに使用した(軽量)コンクリートブロックの表面です。
面直しに使用したコンクリートブロックは砥石(砥粒)の赤い色が少し残っていますが、色ではなく、表面の粗さを見て下さい。
同じ軽量ブロックでも。購入したままの状態の物は、表面がザラザラの状態です。
おじさん(私)のように、粗い砥石の面出しから行える場合は、問題が無かったのですが、砥石をひとつしか持っていないという方は、軽量ブロックを二個購入して水を含ませた後コンクリートブロック同士を すり合わせて表面を滑らかにする。という方法も有ります。
(コンクリートブロックは適度な空洞を持っていますので、水の表面張力で貼り付いてしまい動かしにくくなる事は少ないと考えられます)。
まとめ
- 砥石の面出し(面直し)が出来ていない砥石で、頑張って包丁を研いでも、なかなか包丁がうまく研げません。
- 正攻法では、面直し砥石を使って砥石の面直しを行います。
(正攻法:面直し砥石の使い方は、他の方やメーカーさんが詳しい動画などを発信していらっしゃいますので、他を当たってください)m( _ _ )m すみません。 - 邪道かもしれませんが、おじさん(私)流の方法として、軽量コンクリートを使って砥石の面直しをした状態で、じゅうぶん研ぎやすい砥石に生まれ変わりました。
- コンクリートブロックは表面積が大きいので、意識して全面を使う事で平らな面を出しやすいと考えられます。
アパートやマンションに住んでいらっしゃる方は、収納時にかさばらない「面直し用砥石」を使用する事をお勧めします。
しかし、田舎に住んでいる方や持ち家がある方などは表面が広い、軽量コンクリートブロックで砥石の面直しを行った方が砥石の面直しが簡単に出来るかも知れません。
コンクリートブロックは、ホームセンタで購入すると、
軽量コンクリートブロックは¥200くらい
重量コンクリートブロックは¥300くらいです。(2023年11月現在)
おじさん(私)が確認した、ホームセンターのコンクリートブロックは、軽量・重量コンクリートともに、小石などは混ざっていない物の様でした。
通販サイトで購入すると、びっくりするくらいの高額で販売されています。
重いコンクリートブロックを玄関先まで届けてもらえると思えばこの価格は有りなのか?
個々の方の判断基準が違うので・・・・・
*「面直し用砥石」の商品レビューを隅々まで読んでみると、
「今まで、コンクリートブロックを使っていたのですが、「面直し用砥石」を使用すると、とても簡単に面直しが出来る様になった」というようなコメントもありました。
この記事は「面直し用砥石」を使った事が無い、いなかのおじさんの独断で書かれています。
砥石の面直しの方法を考える際の材料としてこの記事を参考として頂ければ幸いです。
以上、
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