田畑の作業で大活躍(酷使)するトラクター様
中古で購入してから7年以上使い続けていますが、爪の摩耗状態を確認していませんでした。
爪の確認をしてみると爪が半分無くなっている!
ロータリー爪の交換時期と交換方法
爪の摩耗状態で自分の作業のスピードが正しいのか確認方法を紹介します。
ロータリー爪の交換は 必要費用 2万円代(2万円+α)で交換出来ました。
(もっと安い爪も有ります)
トラクターの爪の確認~爪が半分無くなっている!
我が家のトラクター様は2014年10月に中古で購入、
購入時の作業時間329時間でした。
(トラクターはオドメーター/積算距離計では無く、アワーメーター/積算稼働時間計が付いています)
忘備録の為にトラクターの内部にテプラでシール記載しておきました。
2022年4月現在
作業時間597時間です
オイル交換やグリースアップもしてあげないといけないなと思いつつ、ろくな手入れもせずに酷使してきました。
ロータリーの下をのぞき込んでみると、
クリーンバー(草巻付き防止バー)が大分曲がってしまっています。
このクリーンバーは真っ直ぐに矯正する必要がありそうです。
・・・? クリーンバーはともかくとして、爪が半分無くなっています。
写真左側はまだ まともな方で
右側は爪が擦り切れて半分も有りません!
まるで鎌の様な形になってしまっています。
働き者のトラクター様ですが、整備不良で本来の力の半分も能力を発揮出来ないでいた可能性があります。
トラクターの爪の交換時期は?
トラクターのロータリー爪の交換時期の目安は、メーカーごとに微妙に違う事が書いてあるのですが、
爪の一番細くなった部分の幅が20~25mm位になったら交換することになっているようです。
爪の摩耗は全体が均一では無く、
・畔際を耕運するロータリ右側は特に摩耗が激しくなり
・タイヤの後ろの爪は、タイヤで踏み固められたところを耕作する為、摩耗が激しくなります。
トラクターのロータリー爪・選定/発注方法
イセキさんや農機具屋さんに交換を頼めば確実なのですが、爪はボルトナットで取り付けてあるだけなので自分で交換出来ます。
ロータリーの型式は ARH 1503 です。
爪の数は数えてみると合計34枚付いていました。
純正の爪をイセキさんに頼むと高そうな気がしたので(勝手な思い込みかもしれません)アマゾンで交換爪を探してみました。
ところが、どの爪がこのロータリーに合った物か素人には判りません。
判らない事は素直に聞いてみるのが一番手っ取り早いです。
爪の枚数と特徴と値段で、大体この機種で良いのではないか?という物を選定してアマゾンの カスタマー Q&A で質問した所、出品者様から適合確認の回答を頂き、安心して発注出来ました。
東亜重工製イセキ トラクター 耕うん爪 スーパーゴールド爪 34本セット 63-124 です。
もっと安い爪も有るのですが、田んぼの藁のすき込み・反転を考えてこの商品を購入しました。
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そこそこ良い爪を購入して、費用は2万円+αです。勝手に想像していた価格より安く交換できそうです。
この価格であれば、もっと早く気が付いて交換すれば良かったと思ってしまいました。
爪が摩耗したままの状態では、無駄に燃料を使った割にきちんと耕作出来ていないという事です。
ラチェットレンチは単管パイプでトラクター様の小屋を作った時に使った物が有るので、持っている物で対応する事にしました。
ロータリー爪の交換手順
爪の交換の準備
爪の交換はロータリーを上げて行えば良いだけの話なのですが、リヤカバーがちょっと邪魔です。
他に事故防止の注意点も記載しておきます。
リヤカバーを上げロックにする
我が家のイセキのロータリーはリヤカバーの上げロックが簡単に出来ます。
(古いロータリーの場合は、リアカバーを上げた状態で固定ピンを差し込んで固定出来る筈です。)
ロータリーを少し上げた状態で、左右2個のレバーを上げロックの位置にします。
リアカバーの後部をを手で持ち上げると自動的に上げロックになり、リアカバーが上がった状態で固定されます。
ロータリーを一番上まで上げて
作業中にロータリーが下がってしまうと危険なので、シート下の油圧降下速度調整つまみを時計回りに いっぱいまで操作し、ロータリーを上げたままロック状態にします。
必ずエンジン停止!
パーキングブレーキをかける
左右のブレーキを連結させた状態でブレーキを踏み、パーキングブレーキレバーを押し下げて
パーキングレバーを押し下げた状態でフットブレーキから足を離し、レバーがロックの場所で固定されていれば、パーキングブレーキが効いています。
ちなみに解除方法はフットブレーキを踏みつける事で解除できます。
これで爪交換の準備完了です。
この状態でしゃがんだ体勢(若しくは膝立ち)で作業できます。
シートを敷いて座って作業しても良いかもしれません。
もう少し楽な体制で爪交換作業を行う裏技
我が家のトラクター小屋の入り口は傾斜が付いています。この坂を利用してロータリーの位置をより高くしました。
作業中にトラクターが動いてしまわない様にパーキングブレーキ プラス ギヤをバックに入れてエンジン停止しています。
この傾斜を利用して作業しやすい体制にします。
傾斜を利用する事によって折りたたみ椅子に腰かけた状態で作業が出来ます。
購入した爪と準備した道具
①購入した交換爪
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右曲がり16本 左曲がり16本 右曲がり偏芯1本 左曲がり偏芯1本 のセットです。
②ラチェットレンチ 対辺17mmの物
トラクター用ガレージを単管パイプで作った時に購入したラチェットレンチです。
強い力でネジを締め付ける為に長い方のラチェットレンチを使用します。
メガネレンチで爪交換作業を行う事も可能ですが、効率を考えるとラチェットレンチを購入した方が良いでしょう。
③マグネット付き皿
④怪我をしない為の服装
- 作業服 長袖・長ズボン
- 作業用手袋
- 芯入り安全靴(これは無くても良いかと思います)
- 安全メガネ(土埃が目に入らない様に念の為着用)
爪の取り外し・取り付け
爪の取り付け取り外しの前にクリーンバー(草巻付き防止バー)の曲がり矯正を行っているのですが、これは後述します。
爪の配列が解らなくなることを防ぐ為に端から順番に取り外し。
同じ形(曲がり方向)の物を取り付けていきます。
片手で爪を押さえてロータリーの回転を固定し、ラチェットレンチでナットを緩めます。
ナットが固く締まっていたり、錆び付いている場合は潤滑油を吹き付けてしばらく置いてから作業したり、何速でも良いのでPTOレバーを入れてロータリーの回転を固定して思い切り力を掛けてナットを緩めます。
おじさん(私)は元々持っていたラチェットレンチを使っているので結構力が必要でした。
ここは爪交換用の柄の長いラチェットレンチを使えば力が入れやすくなり、使い易いと思います。
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ナットとバネワッシャーを取り外し、六角ボルトを引き抜き、付いていた爪を引き抜いて取り外します。
両端の爪交換はクリーンバー(草巻付き防止バー)の取り付けネジを緩めないと外れませんでした。
外したネジは無くさない様に一旦マグネット付きの皿に置くようにすると良いです。
写真の物は100均ショップで購入した物ですが、100均ショップに無い場合はアマゾン等で購入できます。
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取り外した爪と交換爪を並べてみました。
今までは右端は本来の半分くらいしか機能していなかったことが解ります。
反面教師(悪い見本)として見て下さい。
こんな状態まで放っておいてはいけません。
このロータリーの場合、六角ボルトの頭の六角部分がハマり込むようになっています。
新しい爪を向きを間違えない様に差し込んで、
六角ボルトの頭を六角形の穴にしっかりハマり込むように奥まで差し込みます。
スプリングワッシャーと六角ナットを締め付けて、1個目の爪の取り換え完了です。
爪の交換と同時にボルト・スプリングワッシャー・ナット も新品に交換した方が良いらしいのですが、今回は今まで使っていた物を再利用しました。
後は順番に爪を取り外し、同じ形の爪を取り付けていきます。
左端の爪は交換に手間取りました。
ボルトを引き抜こうとしてもロータリの本体に当たってしまい真っ直ぐに引き抜く事が出来ません。
ペンチで六角ボルトの頭をつかみ、ロータリ本体の角度に六角ボルトの頭の一辺を合わせて斜め手前に引き抜きます。
それでもネジを抜き取る事が出来ません。
クリーンバー(草巻付き防止バー)の取り付け部を先に外してから六角ボルトを斜めに引き抜く事でようやくボルトを引き抜く事が出来ました。
クリーンバー(草巻付き防止バー)の曲がり矯正も行い、クリーンバー(草巻付き防止バー)のネジを締め付けて修理完了です。
爪の取り付けネジの締め付けトルク(締め付ける力)は?
イセキの取扱説明書を見ると、
・標準型の場合はめがねレンチで力いっぱい締め付けて下さい。と書いてあります。
嘘のような話ですが、本当にそう書いてあります。
ネジの締め付けトルクは大体指定数値が有る筈ですが、取扱説明書に書いてある通り力いっぱい締め付けで対応しました。
(車のタイヤ交換用にトルクレンチは持っているのですが、正確なトルク指定が無い為 今回はトルクレンチは使わずに対応しました。)
おじさん(私)は短いラチェットレンチで作業したので力いっぱい締め付けましたが、爪交換用の柄の長いラチェットレンチを使用した場合はあまり力を入れすぎるとネジを痛めてしまう可能性がありそうです。
(余談ですが、おじさんが若くて力があった頃、自家用車いすゞアスカのタイヤ交換時に、力を入れすぎてタイヤホイールの取り付けネジをねじ切ってしまった事があります。何事にも程度っていう物が有ります。)
ちなみに、イセキの取扱説明書は、自分の使っているロータリーであればイセキさんのホームページからダウンロードできます。(井関農機株式会社 お客様サポート で検索して見て下さい)
追記 参考までに他社製品の締め付けトルクを紹介
他社製のデータですが、参考まで
コバシ(KOBASHI/小橋工業株式会社)のハロー(代かき用ロータリー)の取扱説明書を見ると
、代かき爪の取付ボルト M12×P1.5 細目ネジ(1回転で動く長さが短い物)を使用しているようです。
(標準ネジはM12の場合ピッチ1.75㎜です)
普通ネジと比べてネジピッチが小さいという事は同じトルクでネジを締め付けても、ネジピッチが細かい方が締結力が強い。・・・はずです。
工業高校出身者である おじさん(私)の(遠い過去の記憶に基づく)直感が、そう言っています。
・・・細かい事は、調べれば解るのですが、面倒なので調べません。 摩擦抵抗やらなんやらいろいろな要素が絡まってきます。・・・
締付けトルク 100 ~ 110N・m で締め付けます。 と書いてあります。
おじさん(私)の経験からいって【短いラチェットレンチで力いっぱい締め付け】は締め付けトルクの掛けすぎです。(110N・m は、軽く超えています)
トルクレンチも数十年前と比べるととても安くなっており数千円で購入できるので、自家用車のタイヤ交換時のトルク管理も兼ねてトルクレンチセットを購入しておくことをお勧めします。
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爪の取り付け方向が解らなくなってしまった場合の取り付け方向判定(イセキのロータリの場合)
ネジが固くて外しにくい時等、PTOを入れてロータリー軸を固定して一気に爪を外したりした場合、爪の向きが解らなくなってしまう可能性があります。
でも大丈夫、イセキのロータリの場合ロータリーの軸に印が付いています。
写真では解り辛いかもしれませんが、爪の取り付け部付近に肉盛凸部が付いている場所は、肉盛凸部側に爪の曲がりが来るように取り付け。
その他のホルダには逆に曲がった爪を取り付けます。
両端は偏芯して爪が外側になる様に取り付けます。
それでも不安な方はスマートフォンやデジタルカメラで交換前に爪の配列を写真に撮っておくと良いでしょう
クリーンバー(草巻付き防止バー)の曲がり矯正
草巻付き防止バーはメーカーや年式によって クリーンバー からまん棒 からみま線(ワイヤー)等いろいろな呼び方があるようです。
クリーンバー(草巻付き防止バー)を簡易的に矯正する場合
修正前は大分クリーンバーが曲がってしまっていました。
簡易的に曲がりを修正する場合は鉄筋やバールを使っててこの原理で無理やり矯正します。
これだけでも結構矯正する事が出来ます。
鉄筋を使っててこの原理で引っ張ったり、ロータリーの爪に引っ掛けて押し込んだりして矯正します。
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しっかりと真っ直ぐに直したい場合は、一旦クリーンバーをロータリから外して矯正する必要があります。
爪の摩耗状態を見て、自分のトラクター運転の癖を知る
爪の摩耗状態で、使用状況が判断できるそうです。
・爪の先端が多く摩耗している場合 → 進行速度に対してロータリーの回転数が早い
・爪の肩?根元付近の曲線部が多く摩耗している場合 → 進行速度に対してロータリーの回転数が遅い
この情報を頭に入れておけば、自分の操作状況(進行速度とロータリーの回転数の決定)の善し悪しが判断できそうです。
爪が均一に摩耗する使い方が一番効率よく作業が出来、更に爪の寿命も伸ばす事が出来る筈です。
*おじさん(私)の場合は総じてPTO(ロータリーの回転速度)が早すぎるようです。
じゃあ、進行速度をもっと早くしても良いのか?でも進行速度が速すぎると畑が上手く平らに仕上がらないんです。
PTOを遅くして今まで通りの進行速度で良さそうな気がします。
燃料代節約の為には早く進行した方が良い(短時間運転)のでこれからいろいろ試してみます。
以上、
追記 実際に田んぼの藁のすき込みに使用した結果 今までの3~4倍の反転性・鋤込性がありました。
秋に一度田んぼの荒耕しをしているのですが、切藁が半分以上表土に出たままの状態でした。
春耕しで PTO:2・低速・3速 で作業した所、びっくりする結果が出ました。
反転性・鋤込性が半端ない凄さです。
うちのトラクター様ってこんなにすごい能力があったんだ❕と思える結果です。
写真を撮り忘れたので具体的に説明できないのがもどかしいのですが、今までの3~4倍の反転性・鋤込性がありそうです。(おじさんの独断感想です)
今まですり減った爪に気が付かなかった自分が悪いのですが、この爪に交換したおかげでトラクターをかけた後の田んぼの状態が今までとまるで違う仕上がりとなりました。
切藁が表土にはほとんど見られません。(誇張して言っている様に思えるかと思いますが、あくまでも今までの擦り切れて短くなっていた爪との対比です)
この後の 代かき後の浮き藁も少なくなりそうな予感がします。
トラクターの爪の交換をしていない方は爪の確認を強くお勧めします。
この爪でなくても、新品時の大きさの爪に交換すると作業後の仕上がりの差がよく解ると思います。
以上
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