シャワー付き混合栓の交換作業は難しくありませんが、
20年以上使い続けた配管の場合 正規の取り替え方では古い配管の破損の恐れがあります。
今回は古い配管を刺激せずに(壊さない様に)シャワー付き混合水栓の取り換えをする方法を写真で紹介します。
築50年の実家の浴室シャワー付き混合水栓の修理を行いました。
10年に一度の大寒波と言われた寒い時期に実家を無人状態(暖房を使わない状態)にした結果、屋内が氷点下になり、
- 浴室のシャワー付き混合水栓の破損(今回の交換工事記事)
- 浴室のお湯を溜める為の混合栓の自在パイプ破損 ➡ 修理済み
- 不凍栓の破損(2ヶ所) ➡ 配管ねじ切り機 等の工具が無いので業者さんに依頼中
- トイレの手洗い場の蛇口の水漏れ ➡ 以前に他の蛇口で修理経験済みなので、サクッと解決
といった様々な不具合が発生しました。
今回の記事は浴室のシャワー付き混合水栓の交換修理です。
浴室のシャワー付き混合水栓の交換修理自体は、施工説明書(製品の取り替え方説明書)通りに行えば、然程難しい作業では無いのですが、
20年以上使い続けた配管の場合、
混合栓の取り外し・取り付け時に、古くなって錆び始めている配管を壁の中で壊してしまい、素人修理ではどうにもできない水漏れを起こす可能性があります。
今回は、既存の配管に極力負担をかけない方法で、浴室のシャワー付き混合水栓の交換修理を行いました。
古い混合水栓の交換修理は、取り替える新しい物の機種選定で勝負が決まります。
勝負って・・・
勝ち負けの問題では無くて交換が 成功するか・失敗するか の問題です。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」by.孫子
(類語:備えあれば憂いなし)
浴室のシャワー付き混合水栓を交換修理する前に色々な 文献・サイト・YouTube・から情報を集めてみました。
大事な部分を要約すると、20年以上使っている古い水道配管は錆びて脆くなっている可能性が高いので、素人が下手にいじると壁の中の配管を壊してしまう可能性がある為、
古い混合水栓の交換修理の際は根元から全部交換するのではなく
今まで付いていた根元の配管(取付脚)を再利用して新しい混合栓を付けるべきだ!との事です。
通常の機器の交換の場合、せっかくだから全部新しい物に交換しよう!と。いう事になるのですが、
今回交換したいのは築50年・浴室のリフォームが約25年前の混合栓の交換です。
ちなみに、昭和の時代に取り付けられた台所の蛇口付近を見てみると・・・
水の配管が錆ついていて、いつ水漏れを起こしてもおかしくない状状態です。
この部分は不凍栓(奥に見えるハンドル部)が壊れて、ハンドルを開けると水漏れしてしまう状態なので業者さんに不凍栓と、錆着いた横方向の配管も交換修理してもらう予定です。
(ここは、キッチンとは呼びにくいですね、台所と呼ぶ方がしっくりとします)
彼を知り ➡ 敵?の状態は大体把握できました。下手に刺激すると危ない相手です。
ぶちぎれて、大量の水を放出してしまう可能性 大です。
己を知れば ➡ 根拠の少ない自信はあります。
・国家資格:空気圧装置組立て技能士の資格あり/営業職だった為、知識はあっても実践経験は少ない
・油圧機器メーカーの講習修了書取得済み
・女子力高めのDIY好きのおじさんです、過去の経験値+失敗値を駆使すれば、何とかなるでしょう
君子危うきに近寄らず(くんしあやうきにちかよらず)by.孔子?(諸説あります)と言うことわざも有ります。
新しいピカピカの物に交換したいのはやまやまですが、危ない橋をわざわざ渡る必要はありません。
今回は、安全策をとって簡単にシャワー付き混合水栓の本体の交換を行いました。
シャワー付き混合栓の取り付けピッチの測り方
通常のシャワー付き混合水栓の取り換え時の取り付けピッチの測り方
シャワー付き混合水栓の取り換え時には、通常は壁に取り付けられている配管部品の取り付けピッチ(取り付けた配管の中心間の長さ/芯間距離)を測ります。
(この機種の場合芯間距離は210mmでした)
しかし、今回は25年間使われた配管を利用しての交換なので、壁に直接斜めに取り付けられた部品(取付脚)は再利用して、シャワー付き混合水栓の本体を取り換える予定です。
(ひょっとしたら、浴室リフォーム時に配管交換をしておらず、50年前の配管かも知れません)
後でまとめて書きますが、ひどい取り付け方です。
素人が一目見ただけで分かるほど斜めに取り付けられています。
シャワー付き混合栓の本体から先のみを取り換える場合の取り付けピッチの測り方
今回は新しいシャワー付き混合栓の本体から先の部分だけを使用するので、
シャワー付き混合水栓の本体の取り付けピッチ(芯間距離)を測ります。
通常の測り方は
配管の中心であろう位置の間隔を測るのですが、上記のような測り方では勘に頼る測り方なのであまり正確ではありません。
では、どうやってできるだけ正確な距離を測るか?というと、(同じ直径の配管の芯間距離を測る場合)
配管の中心から配管の半径の長さ分横に移動した部分の長さを測ります。
(今回の場合、左側のパイプの右端 から 右側のパイプの右端まで)
この配管の取り付けピッチ(配管の中心間距離)は100mmのようです。
新しく取り換える、シャワー付き混合水栓の選択
シャワー付き混合栓本体の取り付けピッチが100mmの物を探してみると・・・
LIXIL(リクシル) INAX(メーカー名:イナックス)の物しか選択肢が有りません。
*更に確認事項発覚
通常の配管は右側が水、左側がお湯の配管になっているのですが、ごくまれに 逆配管 という、水とお湯の配管位置が逆になっている物も有るらしいです。
確認方法は、混合水栓の根元のネジを締め込んで水とお湯の両方を止水し、右側のネジだけを緩めて水が出てこれば普通の配管です。止水するネジの位置の詳細等は こちらの記事を見て下さい。
左側のネジで確認すると通常配管の場合お湯が出てくるはずなので、火傷の危険性があります。
幸いこの古い混合栓は普通配管のようです。
至急直したいので今回は通販サイトでの購入では無く、隣町の比較的大規模なホームセンターへ買い出しに行きました。
実際にこの混合栓を使用する母を連れていき、気に入った物を選定
LIXIL(リクシル) INAX 浴室用 サーモスタット付シャワーバス水栓 凍結防止水抜き仕様 RBF-812Nを購入して、速攻・交換作業です。
2022年モデルは RBF-912N に、型式が変わっているようです。
Amazonプライム無料体験で送料無料・お届け日指定。
余談:以前リフォームをお願いした業者・作業が下手くそすぎます(ここは読み飛ばしてもらって構いません)
以前から思っていたのですが、この浴室を設置した業者。作業が下手くそすぎです。
水準器を使うまでも無く一見してわかるほど混合水栓が斜めに取り付けられています。
混合水栓は水平に取り付けなければ本来の温度調整機能が正常に作動しません。
少し斜めに付けるとしてもほんの少し右下がりに取り付けるべきです。
(ほんの少し右下がりにする理由は混合栓本体の右下に飛び出た部品の為ですが、説明は最後の 落ち として取っておきます。)
水漏れ防止の為に行うシーリングの仕上げ具合も素人以下の酷い状態です。
施工業者が25年位前に行ったシーリング(水漏れ防止の防水加工)の状態
シール材が剥がれて、数年前に 素人のおじさん(私)が補修した部分
右半分が、25年位前に業者が施工したシーリング
左半分が数年前におじさん(私)が施工し直したシーリング部分
おじさん(私)も素人なので、多少下手くそな部分もありますが、業者が金をとって作業した部分は酷すぎます。
「この業者には二度と仕事を依頼しない様に」と、母に言うと、この業者は一人親方の業者で高齢なので既に廃業しているとの事でした。
(今後の被害者の心配はしなくて良さそうです)
この後の記事で書きますが、さらにひどい手抜き工事が発覚しました。
20年以上使い続けたシャワー付き混合水栓の交換作業
今回取り換える部品
今回の混合水栓交換は
・シャワー付き混合水栓本体
・シャワー部分
・首振りパイプ のみです。
こちらの部品は、今まで付いていた部品をそのまま使うので、もったいないのですが使用しません。
シャワーフックは交換するかもしれませんが、
今日は面倒くさいので交換しません。
混合水栓取り換えにあたり、用意する物
- 交換する新しいシャワー付き混合水栓 ⇔ 今まで使用していた物と
・混合水栓本体の取り付け位置・水とお湯の接続方向 に互換性が有る物 - 大きなモンキーレンチ、又はモーターレンチ、又は混合水栓の取り付けナットに合ったサイズのスパナ 等
- マイナスドライバー
- 最悪の場合濡れても構わない服装
- 余裕のある時間
シャワー付き混合水栓の交換作業~写真で説明
作業開始前に、取り付け説明書を熟読。 作業自体は簡単そうです。
古い、シャワー付き混合水栓の取り外し
まずは、水の元栓を閉めます。
今回は 古い混合栓の根元部品をそのまま使用するので、マイナスドライバーが有れば手元で止水できます。
詳細は、
こちらの記事で紹介 ➡ シャワー付き混合栓・破損の応急処置 とりあえず一旦水を止める方法
シャワー付き混合栓の壁柄の取り付け位置にある中心の部分をマイナスドライバーで時計回りに、回転が止まるまで回すとお湯と水が止まります。
取り外す混合水栓の裏側のナットをスパナで緩めます。
豆知識:モンキーレンチを使う場合、使用する方向が決まっています。移動ジョー(移動して挟み込む幅を調整する部品)の方向へ回して使います。
少し緩んだら、後は手でナットを回すと作業が短時間で済みます。
2か所のナットを緩めると、本体を取り外す事が出来ます。
取り外した部分の、ゴムパッキンの劣化程度、配管内の異常の有無を確認。
取り外した部分のパッキンは今回はそのまま再利用、水漏れが有った場合は新規に購入した物に付いていたパッキンと交換する事とします。
続いて、新しい混合栓の用意・取り付け
新しい混合栓のネジの保護キャップを取り外します。
- 給水口
- 給湯口
- 首振りパイプの取り付け部 です。
給水口・給湯口の保護キャップの中にゴムパッキンが有りますので、今後の修理のために大事に取っておく事としました。
混合水栓の中心下側に首振りパイプ取り付け。
この部分は首振りパイプを差し込んで、ナットを締めて取り付けるだけです。
余り強く締め付けすぎると、首振り動作が重く/ぎこちなく ギシギシする様になってしまうので適度な強さで締め付け。
この時に、首振りパイプの取り付け部右にあるネジ部を締め込んで閉めておきます。(ここも、おち で説明します。)
混合水栓本体の後ろ側の樹脂ネジ部分にシャワー(シャワーホース)の取り付けネジを締め付けて取り付け。
*締めすぎ注意:樹脂製品は過剰な強い力で締め付けると簡単に壊れます。
むきになって締め込まず、手の力で強めに締め込んだくらいで大丈夫です。
(か弱い乙女の方などは、もしも後でこの部分が水漏れする様でしたらプライヤーかウォーターポンププライヤーなどで増し締めしてください)
あまり意味のない写真ですが、ブログ用に一応撮った写真です。
この時点で芯間距離が合っていなかったら機種選定の段階でミスを犯していた事になります。
・・・微妙に、壁からの配管位置が広くなっています・・・
設置業者がいたらクレームをつけてやり直してもらってもいいんじゃないか?レベルの簡単な調整位置です。
古い混合水栓を外す時も微妙に固い感じはしていました。
取り付けは、取り付けネジを手の力で締められるだけ締め込んで。
軽くモンキーレンチで増し締めして取り付け完了です。
(この写真ではモンキーレンチの使う方向が間違っています。)
増し締めの感覚は、今までどれだけの失敗を経験したか?の経験値によるので、どのくらいかと説明できないのですが、
初心者の方は締め込みが弱すぎるんじゃないか?くらいで止めておいて、もしも水漏れする様であれば増し締めをし直す。くらいの感覚で良いと思います。
混合水栓の取り付け後の確認
止水していた両側の止水ネジをマイナスドライバーで開けて(反時計回りに回します)
お湯を出して確認
製品の温度調整精度・今まで付いていた配管の精度(平衡度)を信用出来ればこれでほぼ交換修理完了です。
配管のゴミ再確認
混合間付け根の止水栓を再度締め込み
混合栓取り付け部根元の外側の部分をマイナスドライバーで反時計回りに回して取り外し
給水・給湯フィルターの確認を行います。
ゴミや、配管の屑などが付いていた場合は綺麗に掃除して取り付けます。
給水・給湯フィルターの確認掃除後、フィルターを取り付けて、止水ネジを緩めて
製品に問題が無ければこれで20年以上使い続けたシャワー付き混合水栓の交換作業は終了です。
ブログの記事にする為に写真を取りながらの作業のため時間がかかりましたが、実質作業時間はここまででラップタイム(lap time/作業経過時間)合計4分38秒でした。
最後に温度確認
温調ハンドルが止まる位置(40℃設定)での湯温は39℃位です。
何度か測り直すと39~40℃の間には収まっています。(個人的には許容範囲内です)
元々の配管が平行になっていない為これ以上の調整は止めて修理完了とします。
配管などという作業は初めて行う。という方でも最大30分も有れば交換修理完了できるはずです。
説明書を見ながら15分以内で出来れば、上出来です。
今は交換した混合水栓が斜めに取り付けられたままなので、
業者さんにお願いした不凍栓の交換作業時に、おじさん(私)の時間を合わせる事が出来たら、自分でDIYで根元部分(取付脚)から交換。
壁の中の配管が壊れたら業者さんに修理してもらうつもりです。
おち:元々付いていたシャワー付き混合水栓は、寒冷地仕様でした~ちゃんと水抜きをしておけば凍結による破損は防ぐ事が出来たかもしれません~
後悔先に立たず(こうかいさきにたたず)。➡すんでいることを後から後悔しても取り返しがつかない
でも、後の反省は今後の役に立ちます。➡同じ失敗を繰り返さない
作業していて気が付いていたのですが・・・
元々付いていたシャワー付き混合水栓は寒冷地仕様で、
室内でも凍り付く可能性がある場合は、混合水栓の中の水(お湯)を抜き取って凍結による機器の破損防止が出来る仕様の物でした。
具体的な使用方法は、
- シャワーヘッドは床に置き・水抜きを行い。
- 配管部根元の中心のネジを締め込んで水(お湯)を止めて、
- 混合栓本体右下の水抜きバルブを開けて(緩めて)混合栓本体内の水抜きを行っていれば、
今回の様な凍結による混合水栓の破損防止になったはずです。
でも、前回の施工業者の設置がいい加減すぎて右上がりの設置になっていたので、混合水栓本体の水抜きを行っていても、本体内に残った水が凍って、混合栓を壊してしまったかもしれません。
まとめ
20年以上使い続けた混合水栓の交換修理は、下手にいじると壁の中の古い配管を壊してしまい、素人のDIYでは対処不可能となる場合が有ります。
古い混合水栓を交換修理する場合は、配管根元の壁に取り付けられている部品(取付脚)は古い物を再利用し、交換する新しい物は、混合栓本体から先だけを利用して交換するようにしましょう。
交換作業の前の止水方法さえ分かっていれば、交換作業は難しい作業ではありません。
(出来れば水道の元栓を閉めてから作業を行うと安全です)
DIY好きな方はご自分で交換修理してみる事をお勧めします。
*但し、この記事を参考にして失敗しても、当サイト(おじさん(私))は一切の責任を負いません。
あくまでも自己責任で作業を行ってください。
自信のない方は、素直に配管業者さんに相談して交換してもらいましょう。
(工賃は1万円以上かかりますが、お金を出して安心感を購入したと思いましょう)
以上、
次回
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