過去に水耕栽培はやってみたことがあるのですが、装置が小さかった為もう少し大型の水耕栽培装置を作ってみます。
どうせ作るのならばやったことのないことにチャレンジしてみたいので、循環式の水耕栽培装置を作ってみました。
循環式水耕栽培とは
水耕栽培で必要な事として
- 根に水分を供給する
- 根に酸素を供給する
- 根に栄養素を供給する
- 水が腐らないようにする
- 他
色々な要素があります。
簡単な水耕栽培の方法としては水を入れた容器に植物をさしておく。という方法がありますが、欠点として
- 毎日水を替える必要がある(水の腐敗防止・酸素供給)
- 水が動かないので根の周りの酸素や栄養素しか吸収できない
という事があります。
そこで、その欠点を解消するために水を循環させ
根に常に『酸素と栄養素』を含んだ水を与え続けるという方法を取ります。
循環時に酸素を含ませることによって嫌気性の雑菌の繁殖を抑える事も出来そうです。
これが循環式水耕栽培の方式です。
水耕栽培用の液肥で有名な協和株式会社ハイポニカ事業部のサイトの図を参考とします。
準備した部品
部品一式
- 漬け物樽(リサイクルショップで300円で購入)
- 発泡スチロールの箱(0円)
- 屋外用流し台の枠(廃品利用)
- 水をくみ上げるポンプ
- 塩ビ水道管
- 塩ビ接手各種(エルボ、隔壁ユニオン等)
以下は写真には無い物です
- 光をさえぎるためのシート(百均ショップの保温シート)
- 両面テープ
- コーキング剤
- 作業工具各種
1層式の方が簡単なのですが、水位の調整(毎日水の量を確認)が面倒くさいので2層式を作ります。
水を汲み上げる為のポンプはホームセンターに売っていた観賞魚用のポンプを使います。
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このポンプは配管として塩ビ水道管のVP13の規格の物がそのまま取り付けできます。
配管は塩ビ水道管を差し込むだけです。
この差込口だけでなく、塩ビ水道管用の接手は差込口がテーパーになっていますので強く差し込むだけで接続終了です。
水中ポンプを使うとポンプの発熱によって水温の上昇があるようなので、夏場の水温の上昇を防ぐために今回はこのポンプで作ってみます。
追記 これからポンプを購入する方は水中ポンプを購入した方が設置が簡単です
翌年、このポンプが壊れてしまい水中ポンプに交換しました。ポンプ交換の記事はこちらです。
水耕栽培装置製作
用意したものを使って、切り貼り・組み立てを行ったのですが、
基本的には現物合わせで作業を行いました。
要点のみ説明します。
水耕栽培をやってみた人は解ると思いますが、藻が発生すると見栄えが悪いだけでなく
- 育てたい植物の根に藻が付いてしまい、成長を邪魔します。
- ポンプの動きを止めてしまう事も考えられます。
水に光が当たるとどうしても藻が発生してしまう為防止策として
- 栽培槽(発泡スチロール)の内側に農業用マルチシートを張り付け
- (光を遮断できるシートであれば何でもよいと思います)
- (根が成長して発泡スチロールを痛めることの防止も考慮しました)
- 貯水槽(液肥層)は内側をスプレー塗料で黒く塗装
栽培途中で水位の確認調節や根の状態を確認できるよう、蓋を切断
エルボと短い塩ビ管を使うことにより水位の調節が出来るようにしました。
水位を調節するときは短いパイプの傾きをエルボ部分で調節します。
(パイプが上を向いていると水位は深く、横向きにするにしたがって浅くなります。
貯水槽(液肥層)のフタには配管用の穴のほかに
水量確認・液肥の補充の為の開口部を作りました。
この部分はプラスチックカッターでコの字型に切り取り、蝶番に当たる部分に浅く幅を広めに溝をつけます。
開口部が落ち込んでしまわないように開口部より少し幅の広い樹脂板を開口部に張り付け、取っ手の代わりはとりあえず養生テープを張り付けました。
この装置は屋外で使用予定なのですが、発泡スチロールのフタの部分に雨が溜まってしまうのを防ぐために薄い板を張り付けます。
発泡スチロールが紫外線等で劣化するのを防ぐために100均ショップ製品の保温シートを張り付けます。
このシートは1枚4役で
- 発泡スチロール保護
- 日光をさえぎり藻の発生を防ぐ
- 光を反射し、植物全体に光を当てる
- アブラムシの発生を抑える?
効果が期待できます。
(リンゴ農家の農園でシルバーの反射シートを地面に敷いて光を反射させ、リンゴ全体を赤く色づかせるという事を聞いたことがあります)
水耕栽培装置試運転(ポンプ選定ミス?)
装置を現物合わせで組み合わせ後試運転です。
貯水槽(液肥槽)に水を半分くらい入れて、ポンプの電源を差し込み装置起動・・・・・
ポンプが動いている音はするのですが、水をくみ上げません。
ポンプの取り扱いを説明書を見てみると、モーターとポンプの間のパイプに穴が開いていてその穴以上に水が無いと送水できないようです。
手押しポンプの呼び水の要領でこの穴に水を入れて空気を抜いてやらないと送水できないようです。
このままでは、水を一杯にして動かしても水が減ってきて空気が混入すると そこより下の水をくみ上げる事が出来ません。→貯水槽を大きくした意味がなくなります。
しかし、構造(理屈)さえわかれば対処方法はあります。
穴をふさいでしまえば下の水をくみ上げることが出来ます。
穴をふさぐことによって貯水槽底の水をくみ上げる事は出来るようになりましたが、最初の空気抜きの工程が多少面倒くさいです。
水を満タンに入れてポンプ下の給水パイプを外しポンプをゆすったり、強い水流を下から当てて空気を抜き取り、その後電源コンセントを差し込みます。
試しに下の貯水槽の水が無くなるまで送水してみたところ、思惑通り下の水までくみ上げることが出来ました。
これで一応完成となりますが、まだやることがあります。
追記 これからポンプを購入する方は水中ポンプを購入した方が設置が簡単です
翌年、このポンプが壊れてしまい水中ポンプに交換しました。ポンプ交換の記事はこちらです。
自作空気混入機(ディフューザー)の追加
水が落ちる時に多少空気が混ざるのですが、空気の混入量をもっと増やすためにパイプに外から斜め下方向に向けて穴をあけてみました。
考えていたほど空気は入りません
気泡がたくさん見えます。
穴をあけただけでは思ったように空気が入りません。
これでは納得がいかない為100均ショップへ行って細いストローを購入(直径4mm)
穴を4mmに広げストローを差し込むと空気が混入されているのが目に見えて解ります。
この空気混入機(ディフューザー)を栽培槽手前と貯水槽手前の2か所に設置しました。
循環式2層水耕栽培装置完成
すべて組み上げ苗の根元をスポンジでくるんで穴に差し込み設置完了です。
根を支える為の器等は使用しなくても何とかなります。
1週間ほどこのまま動かし、新しい根が生えてきたところで液肥を投入予定です。
今後の課題
成長して根が大きくなった時に排水口に詰まらないように何か排水口カバーを考えなければいけません。
下の貯水槽の紫外線等での劣化対策を忘れていました。
何かで被ってやらなければいけませんが、下も銀色のシートでは派手すぎますし・・・
一応軒下に設置したのですが、ポンプのモーター部分は防水仕様ではない為雨対策を考えなければなりません。
ポンプの送水工程内に何かのはずみで空気が混入すると水をくみ上げなくなってしまう為、ポンプ交換も考えた方が良いかもしれません。
水の腐敗抑制の為10円玉か銅線を水槽内に設置してみてはどうか。
まだまだ改良の余地があり、当分の間楽しめそうです。
追記 栽培記録
1か月後(7月初旬)
水耕栽培装置設置1週間後に肥料の微粉ハイポネックスを2000倍で投入
1か月後には高さ35cm幅50cm位に生長しました。
地植えのミニトマトと比べると茎が太く短く育っています。
今の段階では2000倍でも肥料が濃すぎるかもしれません。
わき芽欠きを行わなかった為茎が10本くらい立ってしまいました。
このままでは通気性が悪く、病気の原因にもなりますので茎は6本残し、下の葉を切り落としました。
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追記2 貯水槽の水抜き用の加工をしました
秋の片づけ時に簡単に貯水槽の水を抜ける様に追加工を行いました。
加工の詳細はこちらの記事をご覧ください。
水耕栽培でこの貯水槽を使っていない時に高圧洗浄機用の貯水槽として流用出来ました。
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