トラクターの後ろの窓を開ける必要は普段はほぼ無いので気が付かなかったのですが、
田んぼの代かき作業時には、ロータリーの両横に付いている アトケシカバー(跡消しカバー/メーカーによって呼び方が違うようです)の開閉の為にトラクター後部のガラス窓を開けて操作する必要があります。
昨年までは、後ろの窓を開ければ窓ガラスの両脇に付いているガスダンパ―が窓ガラスを支えて窓が開いたままに出来たのですが、
今年の代かき作業時にはダンパーのガスが抜けてしまったようで、窓ガラスを開けると自重で閉まってしまう状態になってしまいました。
ダンパーのガス抜けで、窓ガラスを支える力が足りなく(少なく)なってしまったようです。
今年の代かき時は片手で後方の窓ガラスを上に持ち上げながら、もう片方の手でアトケシカバーの開閉を行いました。
(とても面倒くさい作業方法です)
来年の代かき時までにはトラクターの後方窓を持ち上げるガスダンパ―の交換修理が必要です。
この記事では、ダンパーの選定を間違ってしまった物を無理やり取り付けています。
(たぶん)ポン付けで交換できる方法は まとめ の部分に書いてありますので、途中は読み飛ばして頂いて構いません。(目次の まとめ の部分からも移動できます。)
トラクターの後方窓を開けたまま保持できるダンパーの交換
イセキの営業マン兼サービスマンの方が、展示会の案内を持ってきてくださった時に聞いてみました。
トラクターとか、調子は良いですか?
さなえちゃんも元気だし、刈り払い機も調子が良いけど、
トラクターの窓のダンパーが圧抜けしちゃったみたいで、窓が下りて来ちゃうんですよ。
急いで直す必要もないけど・・・・
後ろのドアですか。
あ~、ガスが抜けちゃってますね。
ダンパーっていくらぐらいするんですか?
調べて見ないとはっきりとは言えないけれど、2,000円代で替えると思いますよ。
どうします?部品を取り寄せますか?
2,000円代って、1本の値段ですか?それとも2本セットの値段ですか?
1本の値段です。
うーん、ダンパーはAmazonとかで、2本セットで2,000円代で買えるから、考えてみます。
(この製品に)合う物って売ってるんですか?
探して見て、なかったらヰセキさんにお願いする事にしますね。
というやり取りの後、ガスダンパ―を探してみました。
ガスダンパーの採寸と同等品さがし(失敗談 ですが、なんとかしました)
ダンパーなんてものは、・取り付け長さと・取り付け部の金具の寸法・(伸ばす)力が合っていれば簡単に交換できるはずだ。
と、軽い気持ちで取り組みます。
現在付いているダンパーの採寸と ちから を確認
窓が上がりきった状態で止まってくれないので、片手でトラクター後部の窓を一番あけた状態にして、
取り付けネジの芯間距離(2本の取り付けネジの中心間の距離)を測ります。
約38cm。
(この時点で採寸が間違っていました)
採寸に失敗した事にはこの時点で気が付いていないので、そのまま作業を続けました。
ネジサイズの採寸は、写真が上手く撮れなかったのですが、
取り付けネジサイズM8×1.25(P) で、間違いなさそうです。
伸ばそうとする ちから は、ガスダンパー本体の印刷で確認しました。
上の写真は、ガスダンパーを取り外した後に撮影し、文字が読みやすいように少し加工をしてあります。
印刷文字は
D-56070 KOBLENZ, GERMANY
www.stabilus.com
5975DQ 0100N 032/07 DA13
ここでおじさんが知りたかった情報は、ガスダンパーの ちから です。
文字列の中に 0100N という文字を発見。
どうやら、このガスダンパーの ちから は100N(ニュートン)のようです。
100N(ニュートン)は、約10㎏(もう少し正確に言うと10.197kgf)くらいです。
他の情報を読み取ると、この製品はドイツ製のようです。
ちょっと調べてみました。
www.stabilus.com に接続しようとすると、google先生もyahoo検索も
❕ この接続ではプライバシーが保護されません
www.stabilus.com では、悪意のあるユーザーによって、パスワード、メッセージ、クレジット カードなどの情報が盗まれる可能性があります。詳細
と、表示されました。(詳細 の文字の部分にリンクが貼ってありましたが、この記事ではリンクを外して転載させて頂いています)
(yahooはGoogleの検索機能を使っているという うわさ は聞いたことがありますが・・・)
もう少し調べてみると、日本では、スガツネ工業さんが日本正規代理店になっているようです。
スガツネ工業さんのネット上の情報を見ると
・ガススプリングの代名詞 STABILUS社
・ドイツ・コブレンツのライン河畔にあるスタビラス社は、1962年に世界で初めてガススプリングの量産を開始し、ハイドロニューマチック機器製造において50年を超える経験があります。
今日までに10億本を超える製品を世の中に送り出した、その耐久性と信頼性は定評があり、すべてのガススプリングの品質上の基準となっています。
なんか・・・物凄い会社みたいです。
>すべてのガススプリングの品質上の基準となっています。
さすが、井関農機さん。世界基準のメーカーと呼ばれるほどの良い製品を使っているようです。
スガツネ工業さんのサイトで D-56070 を検索して見たのですが、検索結果0件でした。
スガツネ工業さんではこの型番の物は扱っていないのか?この型番自体がもう廃番の物なのかは不明です。
でもね、
ケチクサイ考え方をすると、世界基準の物であれば、それを模倣した製品が安く手に入る可能性もあるって事です。
(偽物を使う事を推奨はしません)
交換用ガスダンパーの選択と発注
取り付けネジピッチ:38cm
取り付けネジ規格:M8×1.25(P)
伸ばすちから:100N
この規格で同等品を探したのですが、同等品が見つかりません。
取り付けネジピッチ38cm(間違っています)と、取り付けネジの規格M8の部分は替えたくないので伸ばす力が少し?強い300Nの物を発注しました。
広告
この記事を書いている7月30日現在では、Amazonでは黄色い物しか販売されていない様です。
出来れば、200N以下の物を購入して片方だけ交換して2本で2百数ニュートンにしたかったのですが、そのような規格の物は見つけ出す事が出来ませんでした。
(おじさん(私)が購入した時と比べて大分価格が上がっています)
上の広告は、間違って発注した物なので、あまり気にしないでください。
(おじさん(私)は、こういった間違いをちょいちょいおこします)
正式に、ほぼ同じ長さ・力・取り付け方法 の物は、まとめ の部分で紹介します。
注文した商品が到着してから、ガスダンパーを取り外し比較・確認
イセキのトラクターの後部窓のガスダンパーの外し方と採寸
イセキのトラクターに付いているガスダンパーの外し方
イセキのトラクターに付いている STABILUS社 のガスダンパーは、構造がわかれば外すのは簡単です。
ガスダンパーの端は、関節の丸い骨を押さえるような形でバネで固定されています。
このバネの取り付けのすき間にマイナスドライバーを差し込みます。
写真で使っているマイナスドライバーは、キャブレター調整用にDIYで自作した物なので、このような形のマイナスドライバーを持っている方は少ないと思います。
先端から軸にかけて真っ直ぐなマイナスドライバーが無い場合は、
バネのすき間に入り込む小さなマイナスドライバー・千枚通し・アイスピックなど、頑丈な物を差し込んで作業を進めます。
マイナスドライバーを奥まで差し込んで、こじってやると、(てこの原理で持ち上げます)
ガスダンパーの取り付け部の関節(ナックル)をはさんでいるバネが外れます。
*片方だけ外れれば取り外しができます。
バネが外れると、固定部の関節(ナックル)部分からガスダンパーを外す事が出来ます。
今回は、取り付けネジの部分から交換するので、関節部(ナックル)を取り外します。
取り外すネジの六角部は13mmのスパナを使って取り外しました。
ネジの取り外し完了
取り外したダンパーを縮める為に必要な力を測ってみました。
完全に伸び切ったところからダンパーを縮める最初の段階では6.5㎏くらいの力が必要ですが、
縮める途中で必要なちからは、5㎏弱です。
先に述べていますが、このダンパーの新品のちからは100N(約10㎏f)です。
ダンパーのガスが抜けてしまい、本来の半分くらいしか ちから が無い状態まで弱ってしまているようです。
取り外したダンパーと購入したダンパーの比較
取り外したイセキのトラクターに付いていたダンパーと、今回購入したダンパーを並べて比べて見ました。
2種類のガスダンパーを並べて見て、
この時点で、発注した部品の長さ違いに始めて気が付きました。
イセキのトラクターに付いていたスタビラス社のガスダンパー(ガススプリング)の自由長(力を加えない状態)の取り付けネジ間の芯間距離は約27cmでした。
発注した物が、本来必要な物とは違うサイズだったことに気が付いたのですが、
開封済み・こちらの発注ミス の為、返品交換はあきらめこのまま作業を続けます。
長さが1cm違うだけでしたら、左右両方のダンパーを交換すれば良いだけの話ですが、
(窓の開く角度がほんの少し広くなるだけ)
今回は片方だけダンパーを交換するという前提で、伸ばす力が3倍の物を購入してしまっています。
寸法を間違えて入手してしまったダンパーの取り付け
一人でダンパーの取り付け作業を行ったので、作業途中の写真は有りません。
先に、ダンパーの上方を取り付けます。
ここからが問題です。
取り付け寸法が1cm長く、縮める力が300N(約30㎏)のダンパーの取り付け作業です。
取っ手があるような持ちやすい物であれば30㎏くらいは片手で引き付ける事が出来る筈ですが、細い棒状の物の先端を約30㎏の力で引きつけることは出来ません。
(おじさん(私)の握力が足りていません)
手の力で解決できない時には、頭を使います。
トラクターの後ろへ回り、ロータリーの上に立ち、頭を使って(頭の中での考え方 ではなく頭の外側/後頭部を使って)後頭部でトラクターの後ろの窓を上へ押し上げて、ダンパーの下側のネジを無理やり取り付けました。
完成写真はこちらです。
後から考えると、
再利用でそのまま使う左後ろのガスダンパーの止め金具(スプリング)を片方だけ外しておいて、右後ろに新しいダンパーを取り付けてから窓を少し押し下げて左側の元々付いていたダンパーの関節部(ナックル)に取り付け、スプリングで固定すればもっと簡単に取り付けが出来たような気がします。
窓を閉めた時には、窓を押し付ける(閉める)方向に力が掛かり、ピタッと窓が閉まります。
窓を開ける時の勢いは多少強いかな?とは思いますが、バンッ と開く様な事は無く スッと開きます。(スーと開くのとスッと開く微妙な違いです)。
窓を閉める時には・・・・・・
(あまり良くない状態であることは認識していますが、)
新しいダンパーの力が約30㎏・もう片方の今まで付いていたダンパーの力が5~6㎏です。
窓を閉める時には、窓の中心下部のハンドルを握って窓を下げるのですが、
よく見ると窓を閉める操作の時に窓が微妙に傾いてしまいます。
頻繁にこの窓を開け閉めするのであれば両方同じ力のダンパーに交換するべきですが、
おじさん(私)がトラクターの後部窓を開閉するのは2~3日/年間の代かきの時だけです。
(車やトラクターの窓ガラスは簡単には壊れない 事になっています)
多少? の不具合は、気が付かなかったこととします。DIYでやった事なのですべて自己責任です。
(おじさん(私)の心の中では・忍法・責任逃れ/現実逃避 が発動された状態です)。
余談:外したダンパーはスクーターのシートダンパーとして再利用出来そうな気がします。
ホンダ・ジョーカー90のシートを開けた時の荷重を測ってみると、
約500gです。
今回取り外した、ガス抜けで力が5kgくらいのダンパーと、
交換用に購入したダンパーの付属品で、使用しなかった取り付け金具を使用すれば、
ホンダ・ジョーカー90のシートダンパーとして再利用出来そうな気がします。
*取り付ける位置や、(取付場所の相手が樹脂製品なので)補強等も考える必要がありそうです。
まとめ
キャビン付きトラクターの後部窓やドアのガスダンパー(スプリングダンパー)は素人のDIYでの交換が可能です。
この記事では、間違った寸法・力 のダンパーを無理やり取り付けていますが
ダンパーの取り外し方と取り付け方のおさらいとおすすめのダンパーを紹介します。
ダンパーの取り外しはマイナスドライバーが1本あれば簡単に取り外せます。
マイナスドライバー等を奥まで差し込んで、こじってやると、
ガスダンパーの取り付け部の関節(ナックル)をはさんでいるバネが外れます。
写真のようにバネの片方だけが外れた状態であれば、取り外し可能で、再取り付けもバネを押し込むだけで取り付け出来ます。
バネを完全に外してしまった場合、
バネを差し込む溝はダンパーの外側(端)方向に向けて開いていますので、
ダンパーの端からバネを溝に合わせて差し込むのが本来の取り付け方法なのかもしれません。
取り付けはどちらの方法でも、そこそこのちからとコツが必要です。
バネが外れると、固定部の関節(ナックル)部分からガスダンパーを外す事が出来ます。
ダンパーの取り付け寸法と取り付け部の形の確認は、ダンパーを外してから落ち着いて正確に調べる事をお勧めします。
イセキのトラクター TH233BCY の場合、
・伸ばした時の取り付け寸法(取り付けネジの芯間距離)37cmが標準品の寸法ですが、同等品が見つかりません
・伸ばす力:100N(ニュートン)です。
たぶんこちらの商品を購入すれば交換できると思います。
(はじめからこの商品を購入すれば良かったのですが、交換前にはこの商品を探し出せなかったので力が強い物を発注してしまいました。)
広告
アマゾンの製品を見る時には青い説明文字をクリックして頂くと特定の商品を確認できます。
下のAmazonのボタンをクリックすると他の商品も同時に表示されます。
アマゾンの商品説明では、
・【サイズ】延長長さ:38 cm;圧縮長さ:23 cm。ガスストラットあたり24Lb / 107Nの圧フォース。
となっています。
・長さが37cmの物が欲しいのに対し38cmと1cm長くなりますが、窓の開き具合が少し大きく開く程度なので問題無いと思います。
・伸ばす力が100Nの物が欲しいのですが、この商品は107Nです。
(おじさん(私)の個人的な考えでは誤差の範囲で許容できる差です。~ そのうちにガスが抜けて力が弱くなってくると思います)
アマゾンの商品説明写真を見ると
・取付穴の寸法が10mm と 6mm と表記されています。
6mmという記載が少し気になりますが、多分スプリングの一番狭い部分の寸法を表しているのではないかと考えます。
この製品には取り付けネジや金具は付属していません。
イセキのトラクター TH233BCY の場合、
取り付け部の関節(ナックル)の直径は9.8mmでした。
バネを取り付けた状態でのバネのすき間が一番狭い場所の寸法は6.3mmでした。
このバネは取り外し・取り付けをしていますので、少し広がってしまっている可能性もあります。
上記広告の物を購入すればマイナスドライバー1本があればダンパーの交換ができると思います。
・注意! おじさん(私)は この製品を購入していないので、実際に使える物なのか?責任を持てません。(責任を持ちません)
以上、
コメント