この記事は 不動品?3000円のエンジンポンプを修理してみます。⑥ 破損部品の修正と互換メカシール発見・発注 の続きです。
不動品の潅水用エンジンポンプを購入後、2~3回弄れば直ると思っていたのですが、色々あり(各種失敗もあり)7回目の記事迄続いてしまいました。
今回の記事で完成まで行きたいと思います。
中国からメカニカルシール到着、検品
中国のアリババグループの中の1社AliExpressから
ホンダウォーターポンプメカニカルシャフトシール19217-657-023 19217-657-003 19217-657-013 の互換品が届きました。
為替変動で注文時の価格と実際にクレジットカードから支払いされる金額に多少の誤差が出る場合が有るのですが、今回は注文時の価格¥54(本体価格¥742 クーポンを使って支払額¥54 送料無料) で購入できました。 安すぎます!
参考まで 各所寸法
本田技研工業株式会社の水ポンプを使用されている方等の為に参考寸法の写真を掲載します。
HONDAの水ポンプ WX10T WX15T あたりはこれと同じ部品を使っているのかもしれません。
HONDAの水ポンプであれば、まず間違いなくホンダの部品(メカニカルシール)を使っている筈です。
メーカーの立場で考えれば、製造コストを抑える為に既に量産している部品を流用する。と考えるのが妥当(正当)な線です。
参考まで、新規購入のメカニカルシールの寸法を記載します。
・使っているデジタルノギスの表示誤差が±0.1mmなので、参考値として見て下さい
今回手配した部品と古い不具合品の比較
届いた製品がこちら。
同じことを何回も書きますが購入価格¥54
安すぎます。(しかも送料無料)
上が今まで使っていた水漏れ部分、下が今回購入した部品です。
ゴム部品は金属製のハウジング?に貼り付いていて引っ張っても取り外す事が出来ません。
滑り軸受?部分も摩耗して、今まで使っていた物は0.4mmくらいすり減っていたようです。
今回届いた部品を重ね合わせてみました。
下のゴム部品についてる滑り樹脂の凸部は、相手の滑り軸受?の内側に入り込むものだと思い込んでいたのですが、そうでは無く
凸部と滑り軸受が接触して水漏れを防止する構造のようです。
ゴム部品についている滑り部材の厚さは約3.5mmです。
‼ これ、直せます。 問題はそこじゃなかった!
水漏れ箇所の根本的な考え方が間違っていました。
おじさんがやらかしてしまったハウジング内の部品は大した問題では無く、同じ厚さだけ水漏れしない構造でかさ上げしてあげればハウジング下側の滑り抵抗等は関係なかったようです。
問題は、すり減って無くなってしまっている部品だったようです。
メカシールセットを交換せずに修理する案を考えてみました。 この項目は読み飛ばしていただいて結構です。
この項目を読み飛ばして本題の部品交換へは こちら から移動してください
オイレス工業のフランジブッシュ 80F-1610 か 80F-1810(ポリアセタールに潤滑油や特殊充填剤を樹脂内分散含有させた摩擦係数が低い無給油軸受)を購入して(必要に応じて)長さを切り詰めて切断面を綺麗な平面に成型、ゴム部品に接着。で直せるはずです。
・部品の硬さから判断すると、本来の正規部品はグラファイト(石墨・黒鉛)系の物を使用を用いていると思います
・ 見つけたオイレス工業の製品はポリアセタール製(樹脂系)なので、グラファイト(石墨・黒煙)と比べると固さが足りない為、耐久性に問題があるかもしれません。
今回はもう交換部品を入手済みなのでわざわざ壊れた部品にお金をかけて直すような事はしませんが
ポリアセタールとゴムの(確実な)接着方法が判ればこの方法で修理出来る筈です。
【ポリアセタール ゴム 接着】 で検索を行うと,いろいろな接着剤が検索結果で出てきます。が、
前記事でコメントを頂いている通り、メーカーさんの言う「接着できる」と、
自分の求める接着強度、耐衝撃性、対振動性、耐温度、柔軟度、耐水性、他 の間に乖離がある為、実際には接着剤は自分で使って見なければ判らない。という面があります。
更に余談ですが、上記商品を購入する際
購入金額が初めから600円代と言われれば、そのくらいの値段の物なんだな~ と、そのまま購入すると思うのですが、
製品価格が100円以下で送料550円 合計600円代位 となると 購入するのに躊躇します。
お金をかけずに今家に有る部材で修理する可能性について考えてみる
交換部品が届いたので、サクッと部品交換で修理完了。
の予定だったのですが、今年は(梅雨が明けた筈なのに)今になって連日の雨降りで、修理しても試運転が出来ません。(出来ない事は無いのですが雨の中でわざわざ試運転をする気は有りません)
知的好奇心と水漏れ部分の特定&今 手元に有る部材での修理の可能性を考える面倒くささ を秤にかけると、知的好奇心が少しだけ上回りました。(連日の雨という条件も大きな要因です)
PTFE(テフロン)は接着出来ないという事を前提に修理案を考えてみました。
ゴム部品の上に摩耗した厚さ分のスペーサーを作り、接触面にPTFE(テフロン)を動いて外れてしまわない様にすれば修理可能な筈です。
今回不足している隙間は、削れて無くなっている部品の厚さ+滑り軸受?の摩耗分+接着剤とゴムが削られた部分なので
ざっくりとした計算で 3.5+0.4+α≒4~5mmです。
秘蔵のテフロン板はもったいないので使わずに、説明の為に厚紙で部品を作ってみました。
ワッシャー等で厚さを確保したうえで、
テフロン板を写真の紙の部品の様に内側へ折り込む形に加工して
軸から外れない様にすれば修理対応可能な筈です。
修理試作部品を作って自分の考えが正しいのか?確認
おじさんって、ひまなの? といわれそうですが、そうでもないんです。
田んぼの土手の草刈り、畑や庭の草取り、芝生の刈込、中古で買った原付二種スクーター・ジョーカー90の整備、等々。
やらなければいけない事や、やりたい事は沢山あるのですが、連日の雨降りのせいで出来ないでいるだけです。
ジャガイモもそろそろ掘り出さなければ・・・
雨降りでもできる屋内作業で、やらなければいけない事とやりたい事の(自分なりの)優先順位でこの作業を行っています。
何か簡易的に実験できる素材がないか探してみたところ
ペットボトルの蓋の裏に丁度良い突起発見
ペットボトルの蓋の周りを切り取り、中心から放射状に切り込みを入れて無理やり曲げてみました。
ペットボトルの蓋の上から中の突起までの長さ5.1mm
エンジンを掛けての試運転には耐えられそうにありませんが、
呼び水を入れて水漏れ状態確認くらいはこれで対応できると思います。
適当な棒(キリの柄)に差し込み内側に折り込んだ部分に癖をつけさせ
エンジンの出力軸にはめ込み
ポンプ部を組付けて、呼び水を入れて水漏れ検査。
→ 結果 水がダダ洩れです。
失敗です。この方法ではダメなようです。
ポンプ部をバラシて状態確認
取り付けた部品がぐにゃりと変形しています。
ペットボトルの蓋の裏の突起では強度不足だったようです。
試作部品作り直しで再度水漏れ確認、ほぼ成功です。
ここまでやっていると、中途半端で終わらせては自分が納得できません。
中半ムキになって自分の考え方が正しかったことを確認したくなっています。
今までの経過で作ったワッシャーやスラストベアリングの受けワッシャーを重ね合わせ、
ゆがんでしまっているワッシャーも有った為、この隙間から水漏れしない様に電工テープを廻りに巻き付け、
先ほどのペットボトルの蓋を更に小さく切り取り表面の凹凸を無くして はめ込み。
軸部分からの水漏れはほぼ解消しました。
まだ少し水漏れしているのですが、ワッシャーをもう1枚重ねれば水漏れはもっと少なくなると思います。
この方法で摺動面にPTFE(テフロン)で作った部品をはめ込めば、水漏れ対策修理に対応できそうです。
フランジ部分からの水漏れの方が多いのですが、仮の水漏れ試験の為 ネジの締め付けが弱かった可能性もあります。
余談ですが、軽いぎっくり腰の為、記事の公開が少し遅れます。→この項目も読み飛ばして頂いて結構です。
戻り梅雨も明けて?休日の晴れた日の話です。
お父さん(おじさん・私)は庭へ芝刈りに、お母さんは脱衣場へ洗濯に行きました。
お父さんは芝の平面を刈り終え、芝の斜面を刈り取っていた時
突然 ピキッ と腰に痛みが走りました。
軽いぎっくり腰にやられたようです。
動けなくなるほどの痛みでは無いのですが、無理をすれば重いぎっくり腰になってしまうと思われる痛みです。(過去の経験から、どの程度の痛みでどのくらい動いてもいい物なのか、何となく感覚で自己判断出来ます)
作業を途中でやめる事が嫌いなお父さんはその後も(極力腰を曲げない様に)作業を続け、刈り取った芝の片づけまで何とか終える事が出来ました。
この痛みは(自己判断の感覚で)3日くらい極力腰を曲げる動作をしない生活を送ればほぼ痛みは無くなり、1週間くらいで完治。と判断しています。
(現在進行形で何日もかけて記事を書いているので、記事を公開した頃には違う結果になっているかもしれません。)
メカシールが手元に到着しているので、サクッと部品交換して潅水ポンプの記事シリーズは終わりにしたいのですが、わずか数キロの潅水ポンプでも持ち上げ方によっては腰に大きな負担をかけてしまいます。
(腰を曲げず背中を真っすぐに保ち、腕と足の力だけで持ち上げれば問題は無いのですが、気を抜くと腰の力も使って持ち上げようとしてしまう可能性 大です)
何事も無理(無茶)は禁物です。大事をとって腰の痛みが直るまでこのポンプの修理は先延ばしにします。
(ここで無理をして腰の痛みを悪化させると、おか~ちゃん(妻)に何を言われるか 目に見えています)
ちなみに、ぎっくり腰は 西洋(ヨーロッパ近辺)では 魔女の一撃 と表現される事もある様です。
魔女の一撃 とは的を得た表現だな~(ぎっくり腰は何の前触れもなく突然やってくる)と一人で感心しています。
(知人の例では、朝起きて顔を洗おうとして腰を曲げただけで重度のぎっくり腰になり、1週間近く動けなかったことが有ります。)
ここは、やりたいことは我慢して腰の痛みが柔らいでから次の作業に移る事にします。
(今は、腰にベルト(コルセット)を巻いて、背筋をまっすぐ伸ばしたとても良い姿勢でパソコンに向かっています)
閑話休題。(話を本題に戻します。)
新規購入のメカシールに交換して修理完了
参考まで、このモーターポンプメカニカルシールは、
ホンダの19217-657-023 19217-657-003 19217-657-013の他に
ヤマハの11h-12438-00 11h-12428 -10-00
カワサキの49063-1002 49063-1055 も同等品のようです。
ホンダの製品だと思い込んでいたのですが、こういうメカニカルシールを作るメーカーが有り、各社がこの部品を購入して使っているようです。
部品の取り換え作業に入ります。
先ずは簡単な軸受け滑りワッシャー?から交換
スクリュー(インペラ?)の裏側にこの部品ははめ込まれています。
部品の周りはゴム製で穴に差し込んであるだけです。
この部品をマイナスドライバー等でこじ上げて取り外し
取り外した穴は一応ワイヤーブラシで軽く掃除をして、浮き錆を取り除き
新しい部品を穴に押し込んで交換作業終了。
問題はメカニカルシール本体?の取り付け方法です。
古いメカニカルシールを取り外すのは簡単です。
今まで何回も外した通り、細い単管パイプ(ビニールハウスの骨組みになるパイプ)の切れ端を使い裏側から金槌で叩けば簡単に取り外し出来ます。
取り外した部分のシール材を綺麗に取り除きます。
問題はここからです。
サイズはこの製品で大丈夫そうなので、メカニカルシールのユニットをはめ込めばよいだけなのですが、
シール材のない部分は簡単にはめ込む事が出来たのですが、そこから先が入っていきません。
ここは本来は専用の道具を使って圧入する部分だと思うのですが、生憎 圧入器(プレス)などという物は一般家庭にある物では有りません。
穴径27~28mmくらいで、ある程度の厚さが有る金属片を使い慎重に打ち込みたいのですが、そんなに都合の良い物は簡単には見つかりません。
27~28mmのドリル等を持っていれば専用治具を作って対応する所ですが、そんな道具も有りません。
(直径27mmの円をコンパスで描いて、その円の内側に沿って細いドリルで地道に穴をあけていき、打ち抜き、最後はヤスリで仕上げる。という方法も有りますが、かなり根気のいる作業になります。)
治具とは:主に工業界で使われる言葉で、加工したり組付ける時に補助として使う
その作業専用の補助道具の名称
丁度良い治具が有れば秘密基地(コンテナハウス)の下面と、車を持ち上げるジャッキを使って圧入器(プレス)代わりにして圧入出来ると思います。
色々探してみると、ペットボトルの蓋がピッタリ欲しい寸法だという事を発見。
ペットボトルの蓋の強度は弱い、という事は先の作業で分かっています。
結束バンドで補強して金槌で叩いてみました。
1個目のペットボトルキャップは広がってしまったので、2個目のペットボトルキャップを使用。
この後、結束バンドを追加して叩いて見たのですが、ペットボトルのキャップでは強度が足りなくて打ち込みできません。
ペットボトルキャップの使用は諦めて、かまぼこの板に直径30mmの穴をあけたものを重ね合わせて叩いてみました。 → 一撃で板が割れてしまい役に立ちませんでした。
またやらかしてしまいました。
他に方法が思いつかなかったので、ペットボトルのキャップを結束バンドで更に補強して金槌で思い切り叩いてみると・・・
滑り軸受け(材質:グラファイト?)が、欠けてしまいました。
納期3週間近く待って安く手に入れた部品はもう修正不可能です。
もう一度部品手配をしなければいけなくなりました。
部品手配の前にこの壊れた部品を使って打ち込み・若しくは圧入の方法を考えてみました。
おじさんの秘密基地(コンテナハウス)の中で色々な金具(埋め立てゴミに出す予定の金物をあさってみたり)を探してみた結果。
丁度良い物が見つかりました。
26mmのメガネレンチが治具として欲しい寸法ピッタリです。
このメガネレンチを使って打ち込む事が出来るのか?
壊れた部品なのでどうなっても構いません。
メガネレンチを金槌で叩いてみます
メガネレンチの向きを変えながら金槌で叩き、少しづつ平行に打ち込んでいくと
結果、綺麗に打ち込む事が出来ました。
もう一度部品を取り寄せて、26mm用メガネレンチを打ち込み治具として使って作業すれば修理完了となりそうです。
使えなくなったメカシールの中身に興味がわき、分解してみました。
元々付いていたメカニカルシールはゴム部品の両端に滑り材(グラファイト?)が付いていたのですが、この製品は片方にしか滑り材が付いていません。
部品構成の中で滑り材が一番コストがかかっていると思われます。
たぶんコストダウンの為に片方にだけ滑り材を使用しているのだと思います。
元々付いていたメカニカルシールはゴム部品の上下に滑り材が付いていたのですが、この互換品は片方にしか滑り材は付いていません。
耐久性は半分以下になるような気がします。
メカニカルシール再発注
壊してしまった物はしょうがない、¥54なのでお財布のダメージも少ないです。
納期が3週間近くかかってもしょうがない。と考えAliExpressのサイトでメカシールを探してみると
¥500~¥1300 くらいでたくさん物が有るのですが、クーポン付きで安く購入できる物が有りません。
円高の影響で全体の価格も上がっています。
一番安い¥500位の物を購入しようと思ったのですが、納期10月中旬~となっています。
これを待っていたら潅水ポンプを使いたい時期はほぼ終わってしまいます。
仕方が無いので他の入手方法を検討。
結局、Amazon で購入する事にしました。金額は¥1,000弱するのですが3日間で入手可能です。
Amazonプライム無料体験で送料無料・お届け日指定。
Amazonから部品到着 早速組み立て
中国から格安で取り寄せたメカシールと、今回Amazonで購入したメカシールを並べてみました。
ビンゴ! 製品の大きさは同じです。
おじさんの直感が当たり。
この部品で一気に修理完了まで行けそうです。
ちなみに金属ハウジングの外径は28.5mmです。
金属ハウジングの裏には
MSO ☆12 28.58 YAGA と記載されています。
ちなみに中国から取り寄せて壊してしまった物には
NSO ☆12 7 H 10 と記載されていました。
ハウジングの外径は、正確には28.58mmかもしれません。
(おじさんの使っているデジタルノギスは表示誤差±0.1mmの物です。)
26mm用メガネレンチと金槌を使って部品を壊さないように慎重に打ち込み
スクリュー側の滑り軸受けは交換する必要は無かったかもしれませんが、一応今回セットで来た物に交換。
後の作業は簡単です。
エンジンの出力軸を中心に通しポンプの枠を組付け
スクリュー部分をねじ込み
ポンプの外側、エンジンカバー、等を組付けて修理完了
早速、静的試験で水漏れが直ったか確認します。
軸受け部からの水漏れは完治しました。
こうなると、ポンプのフランジ部分からの水漏れが気になってきます。
ダイソーで購入したシリコーンマットでパッキンを自作してみました。
水漏れ防止の役に立たなくなった古い丸パッキンは外さずそのままで、フランジ面全体を覆うような形にシリコーンマットを切ってはめ込みました。
水漏れしないか再度呼び水を入れて静的確認。
全く水漏れしなくなりました。
動作確認
畑へ行って20mのホースを繋ぎ、実際に水を噴出させて確認。
ポンプからの水漏れも無く調子よく動きます。
しかし、水の勢いは水漏れ対策前とほとんど変わりません。
スロットル半開と全開でも水の勢いは思ったほど変わりません。
エンジンの性能に対して、送水ホースと接手の内径が細すぎてこの水ポンプの性能を生かし切れていない気がします。
エンジン半開くらいでも野菜への水やりとしては充分な水量が有ります。
一年越しのエンジンポンプの修理がようやく終了しました。
送水量をもっと増やす為には、ホースの内径が大きなものに換えて、接手も大きな内径の物に交換する必要が有りそうです。
以上、
(・10m+10mのホースを毎回片付ける ・土汚れを毎回洗うのが面倒くさい ので20mのホースを畑に常設する予定です。ついでに接手も大口径の物に変える予定なので、送水量が増えるようでしたら追記します。)
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