長年剪定鋏を使っているのですが、わざわざケースを買うこともない という考えでした。 が
年を取ったせいか物忘れがひどくなり、剪定鋏とノコギリを持ち替えた後 どこに置いたかわからなくなり、探す時間が増えてきました。
そこで、ケースの必要性を感じ新規購入しました。
剪定鋏の専用革ケース選定
作業中の置忘れ防止用にケースが必要になったので、先ずは近所の店を見て回りました。
用途から言えば100均ショップの吊り下げ袋でもよいのですが、何となく気に入らないのでいろいろ探してみました。
現在使っている剪定はさみは 近正のPS-8Y です。
切れ味はもちろんですが、握りやすく、片手で握った状態で親指操作だけでストッパーの操作ができるとても使いやすいものです。
ハンドルが黄色なので目立って置き忘れても見つけやすいはずなんですが、年を取ると目の前にあるのに判らないということが多くなってきました。(物忘れがひどくなったのは年のせいにしておきます)
どうせ買うのならば、布製ではなく革製品のほうが長持ちしそうです。
(布製の物は刃先が引っ掛かっただけでほつれてきそうです。)
ホームセンターのオリジナルブランドの革ケース等を検討しましたが、 この剪定鋏はハンドルの元の部分の高さ?があり 入りそうにありません。
ネットで調べてみると 近正で専用の革ケースを販売しているようです。
レビュー(口コミ)等を見ると、作りがしっかりしていて長持ちしそうです。
しかも価格を調べてみると 近所のホームセンターのオリジナルブランド品より安く買える事が判明。
早速ネットで購入しました。
近正 剪定鋏用本革ケース CS-PS8 レビュー
届いたものを見てみると入っていたビニール袋が破れていました。
(本体に大きな汚れはないのでよしとします)
現物を見ると
- 縫製は2重ステッチで更に6か所のリベット止め
- 革の厚さは 土台部分(ベルト通し側)4mm
成形した部分 2mm
縫い目のほつれもなくかなり頑丈そうです。
手入れさえしていれば一生使えそうな気がします。
早速剪定鋏を収納してみると
ハサミのサイズぴったりに作られているようで、革の成型時の形(販売時の形)のままではハンドル部分の出っ張りが引っ掛かってしまい素直に入ってくれません。
鋏を収納した状態で置いておけば数日で形がなじんでくると思いますが・・・
革ケースの手入れ
使いやすくする為に革をハサミの形になじませる成形と 長く使うため・革の保護のために表面処理をします。
革に保護クリームを塗りこむ
この製品はどんな処理をしてあるものか分かりませんが、見た目は生成(きなり)の革製品のように見えます。
表面処理していない革製品は手入れをせず放っておくと固くなってひび割れてきたり、湿度の高い所へ放置しておくとカビが生えてきたりします。
生成(きなり)の革製品の育て方?としては毎日手で触り、手汗や手油が付いていくと味わいのある革になっていくのですが、剪定鋏のケースを毎日撫でてやるなんてことはやっていられません。
革の保護になりそうなものを家の中で探してみると
- 靴用のミンクオイル
- レザーケアキット
- 肌の保湿剤
- えごま油(革に使ってはダメかな?)
探せば他にも何かありそうな気がしますが候補が4点もあれば十分でしょう。
経験から言ってミンクオイルを使っておけば間違いないことは分かっているのですが、残量が少ししかなかったので今回は却下。
レザーケアキットは・・・未開封の状態ですが、有効期限2009/09の物でした
(有効期限が切れてから10年以上たっています)
開封してみると保護クリームは分離や変色をしていないので自己責任であれば使っても良いかな という感じです。
保護クリームの説明書きを読むと 汚れやシミが革製品の奥にしみ込むのを未然に防いでくれます。と書いてあります。
今回はこのレザーケアキットを使ってみます。
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キットの中にはソフトクリーナーも入っていましたが、今回は新品の革のため 使用しません。
(有効期限から10年以上たっていますが、未開封状態では無色透明です)
クリームを塗った時の色合いの変化を見るために一部分プロテクションクリームを塗ってみます。
クリームは薄い肌色でさらっとした液状のクリームです。
付属の布につけて少し塗ってみました。
乾かしてみないとどのような色変化があるか正確には分かりませんが、塗った感じでは革が濡れた状態?の色で 乾けばあまり色の変化はなさそうです。
これを全体に塗り込みます。
革にツヤが出てきました。
クリームの説明書きには ヌバック・スエード製品にはご使用できません と書いてありますが、
土台の部分の厚い革部分も保護したいため、裏の目立たないところに少し塗ってみました。
結果 おじさんの個人的な勘では大丈夫そうです。
スエード製品は変な処理をすると表面がネチャネチャ(ベトベト)になりどうしようもない(あきらめて捨てるしかない)状態になることがあるのですが、この革ケースとクリームの組み合わせは大丈夫そうです。(あくまでも個人的な経験と勘で作業を進めています)
クリームの塗り込みは布につけて塗り広げる作業が面倒になり、途中から指につけて塗り広げました。
特に肌が荒れることもなくうまく塗り広げることができました。
(肌の弱い方はマネしないでください)
この後の成型の工程と組み合わせて、塗っては乾かす を3回繰り返します。
革ケースの成型
革ケースを剪定鋏となじませるために、
- ケースの中に鋏を無理やり押し入れて奥まで差し込みます。
(思い切り突っ込んで入るところまで差し込む)力技です - 革の傷つき防止と形に合わせた押し込みの為にウエス(ぼろ布)を置きます。
- 重石を載せて革を押させて成型します。
クリームを塗って重石で成形しつつ乾燥 この工程を3回以上繰り返します。
革ケースの初回(購入時)の手入れ終了
これで初回(購入時)の手入れは終了です。
見た目はツヤが出て高級感が漂う仕上がりです。
剪定鋏のケースとしては上品すぎる質感です。
個人的な好みとしてはもう少しワイルドな質感にしたかったのですが、これはこれでいい感じです。
成形に関して
今回の物に関しては重石はあまり意味がなかったようです。
使用感は
抜き差しするときに多少の力が必要ですが これは好みの問題で、個人的な感想としてはカチッと収まる感覚が気に入っています。
ひっくり返して振ってみてもハサミは落ちません。
本職の方等で ハサミはケースにポンと落とし込むだけで入る方が良い方はもう少し違った成型方法のほうが良いかもしれません。
(例えば ハサミを布で巻くか何かして1周り大きい外形で形を合わせる等)
もっとハサミの形にぴったりに成型したい場合は
荒業ですが
革全体を水で濡らしハサミを突っ込んだまま放置し
革が乾くときに縮む力を利用して中の物に沿った形に成形する という方法もあります が
いきなり水にぬらす ということに抵抗があったため、今回はこの方法は使いませんでした。
革ケースの保管方法
革ケースを長期保管するときは、
汚れを落とし、
雨等 水がかからない場所で
日の当たらない風通しの良い(乾燥した)場所で保管します。
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追記 革を日焼けさせて濃い色に変える
革の表面処理が高級すぎて汚れが付いた手袋で触る事を躊躇するようでは農作業の道具として問題があります。
眺めているだけであれば今の見た目はとても気に入っていますが、農作業に使うとなると話は別です。
試しに晴れた日を選んで10日間くらい日焼けをさせてみました。
いい感じに色が濃くなりました。
後は使っているうちに日焼けと経年変化でより味のある質感に変化していくのを楽しみます。
以上、
コメント
古い記事にコメント失礼いたします。ケースの製作段階で既に水で濡らして型をつけてあるので修正したければ思いきってビショビショにして大丈夫ですよ。
乾いてからオイルを入れるでオッケーです。
コメントありがとうございます。コメントを頂けると記事を書く励みになり、とてもうれしいです。
今回はオイルを塗っていい感じに収まっているのでこのまま使用する事にしますが、次に同じような案件が有れば水をしっかりしみ込ませて挑戦してみたいと思います。