5年ほど前に¥3,500くらいで購入して、そのまま置いておいた足踏み式脱穀機を修理して使ってみました。
元々は、蕎麦を育てて脱穀しようと思い購入したものです。
自家栽培のそば粉でガレットを作る!というおしゃれな構想を練っていました。
しかし、うまい具合にそばを育てる事が出来ず購入したままの状態で放置していました。
中古で購入した足踏み式脱穀機の現状確認
文字を横書きする時には、右から左へ書いていた時代の物のようです。
京都西陣巴製作所
新案第六九五五六号公八一00七号公八二二二九号 と、書いてあるのだと思います。
旧漢字が読めないので 公 の字が合っているのか分かりません。
現在で言う、特許庁の 特許・実用新案 の番号が掛かれているのだと思われます。
何が特許なのか?を推測すると
・円弧型のギヤで脱穀ドラムの軸を動かす事(脱穀ドラムの回転方向が決まっている事)。
・ワンウェイクラッチ(片側にしか回転しないクラッチ/物凄く大雑把に言うと、ラチェットレンチみたいに片方に回すときだけロックされる機能)を使用している事。
の様な気がします。(新案と番号で調べてみましたが、正確な所はわかりません)
*写真の中で斜めに取り付いている3本の枠状の物も特許だったのかもしれません。
この足踏み式脱穀機を購入する時には、他にも何台かの足踏み式脱穀機があったのですが、他の物は昔の足踏みミシンの様な駆動方式で、
何も考えずに足元のペダルを踏むと、脱穀ドラムの回転方向は運しだいになってしまうため。
足元のペダルを踏む前に脱穀ドラムを動かしたい方向へ手で回して回転方向を決めさせて、
その後は足元のペダルを踏み続ける必要があります。
一方、この 京都西陣巴製作所 の足踏み式脱穀機の駆動方法は、足踏みペダルが円弧上のギヤとつながっていて、車軸(脱穀ドラムの軸)を一定方向へ廻すようになっており、
しかも、ワンウェイクラッチの様な物が内蔵されているようで、ペダルを踏み続けなくてもしばらくの間は脱穀ドラムが惰性で回転し続ける という優れものです。
この方式の物のほうが ¥1,000 くらい高かったのですが、性能差を見抜き?購入した物です。
錆びや土汚れがひどいのですが、作りはしっかりとしていそうです。
足元のペダルを踏んで脱穀ドラムを向こう側へ回す事が出来るのですが、ペダルが下がったまま上へ上がってきません。
たぶん矢印の部分(破損しています)に、バネが付いていて、
バネの力で足踏みペダルを上へ持ち上げるようになっていたのだと思います。
この部分は何らかの方法で修理する必要があります。
古い足踏み式脱穀機の修理
今回の修理の方針は、半日(数時間)でも良いので、この脱穀機を使える状態まで修理したいという、比較的簡単?な事です。
以前、古い【押切り】を無駄にかっこよく再生させたのですが、
今回は使えれば良し という段階までの修理でOKとします。
駆動部の円弧状のギヤ部分と、脱穀ドラムの車軸のギヤの土汚れのかたまりをマイナスドライバーでこそぎ落とします。
ギヤ部の土汚れのかたまりを落とした後、足踏みペダルを踏んでみると、脱穀ドラムが素直に回転し、しばらくの間は惰性で回り続けます。
・ギヤのかみ合わせすき間の調整は、円弧状のギヤの取り付け部の2本のボルト部分で調整できそうですが、今のままの状態で使えそうです。
・脱穀ドラムの主軸部の軸受け部(ベアリング内蔵?)と、ワンウェイクラッチ部のグリスアップを行った方が良いのか?
しばらく考えましたが、現状問題無く動いている事と、グリースを塗った事により、土埃を集めてしまい、将来ガチガチに固まってしまう可能性を避けるため、
グリースアップは行なわない事としました。
足踏みペダルを上へ持ち上げるバネ破損部の修理
先述の通り、この足踏み式脱穀機はペダルを上へ持ち上げる為に(たぶん)バネが付いていた筈なのですが、足踏みペダルの先にあるバネの取付穴が破損しており、バネも無くなっている状態です。
足踏みペダルの先にあるバネの取付穴は、強さ調整の為か、4か所のバネ取り付け穴が付いており、1か所(一番弱い力でペダルが上がる部分)の取付穴が壊れていますが、もう3か所の穴は壊れていません。
バネを新規で用意して修理すれば綺麗に直るのですが、バネの選定が面倒くさいので、もっと楽な方法で一時的に使えるように修理します。
(足踏みペダルを上へ上げる為にどのくらいの力が必用か測定して、その値に合ったバネを用意すれば良いのですが、引っ張り測定器など個人が持っている様な物でもないので・・・・)
とりあえず、ゴムひもで足踏みペダルを上へ上げる方向に取り付けてみました。
ゴムひも1本では、足踏みペダルが10cmくらいしか上がってきません。
ゴムひも1本では力不足です。
ここで、ふと気が付きました。ゴムひもを取り付けるべき場所が違うのではないのか↔もともとのバネはどこの取り付けられていたのか?
矢印部分の穴
・駆動用の円弧上のギヤの根元と
・フレームの下の穴 にバネが取り付けられていたようです。
ゴムひもの取付位置を変更して実験です。
ゴムひもを強めに引っ張って取り付けて、本数を増やして足踏みペダルの動き具合を確認します。
ゴムひも3本で丁度良い強さになりました。
脱穀ドラムの車軸外側に取り付けられた謎の3本の鉄枠の使い方は?
足踏み式脱穀機を購入する時に他の足踏み式脱穀機と比べて見たのですが、この3本の鉄枠は、他の物には付いていない物でした。
足踏み式脱穀機の本体に縛り付けられたひもの長さと、千切れたひもの補修で上の写真のような状態になりました。
使い方はたぶん上の写真の使い方であっていると思います。
脱穀した穀物が、飛び散ってしまわないようにカバーを取り付ける為の枠だと思います。
これで、とりあえず使用できるまでの修理は完了です。
修理した足踏み式脱穀機を使ってみました。
試運転、というよりも この作業をやりたかったために今回の修理をしたのですが、
コキア(ほうき草)の脱穀をしてみました。
わかりやすいように、写真ではブルーシートの手前側を開けていますが、実際の作業時には手前の部分もブルーシートをかけて種が飛び散らないようにして作業しました。
今回の作業の目的は穀物(種)の採取ではなく、ほうき作りの為のコキア(ほうきぐさ)の枯れ枝確保です。
思惑通り楽に脱穀が出来て、コキア(ほうきぐさ)の枯れ枝の脱穀が完了しました。
コキア(ほうきぐさ)でのほうきの作り方は別記事時で紹介予定です。
脱穀した後の、種と枯れ葉です。
灰色の粒が種で、茶色の物が枯れ葉です。
種の大きさは1mm未満のとても小さなもので、芥子粒みたいな細かさです。
来年はこの種をまいてコキア(ほうきぐさ)を育ててみようかどうしようか思案中です。
以上。
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