エアコンのドレンパイプから排出される水は、一般的な設置ではエアコンの背面付近にホース先端が配置されるようになっています。
エアコンの設置場所によっては、エアコンのドレンパイプからの排水がエアコンの室外機の設置場所の床を汚してしまったり(水分が周囲のホコリ等を集めてしまう)、苔が生えてしまう可能性もあります。
前回の記事では、ドレンホースの切断と再接続方法、また床を汚さないためにドレンホースを延長して排水する方法について紹介しました。

今回の記事では、エアコンのドレンパイプから排出される水を使って植物の自動水やりが可能かどうかの実験結果をご紹介します。
エアコンのドレンパイプから排出される水の正体は?
エアコンのドレンパイプから出てくる水は、室内の湿気です。
注:冷房運転時にはドレンパイプから水が排出されますが、暖房運転時にはドレンパイプからは水出ず、代わりにエアコンの室外機から水が滴り落ちる仕組みになっています。
少し詳しく説明すると、エアコンの冷房時には室外機のなかのラジエター(冷却装置)の中をとても冷たい媒体が流れており、エアコンの室外機の中で、室内の空気を冷やしています。
この時に、ラジエターの部分に室内の空気の湿気が当たる事によって結露します。
この、冷却時の結露した水分がドレンパイプから排出されます。
(冬に窓ガラスの内側に結露するのと同じ原理です)
この、冷房時にドレンパイプから排出される水は、室内の湿気が集まった物なので、結露した時点ではきれいな水です。
(エアコンの室内機の掃除をきちんと行っていない場合はエアコンの室内機の中のカビなどの不純物が混ざる可能性もあります)
この水を何とか有効利用できないか?と考え、実験其の一 として芝生の水やりに使用してみました。
酷暑日(最高気温35℃以上)続きで、水不足の状態になってしまった芝生にエアコンのドレンパイプからの排水を与えてみました。
現状確認

エアコンのドレンホースから排出された水が流れ落ちた部分だけ、芝生が元気に育っています。
この部分の地面は砕石で覆われており、水がすぐに地下に流れ込んでしまう状態だと思われます。そのため、芝生が育つにはあまり良い環境ではありませんが、常に水が供給されているおげで、芝生が青々と元気に育っているようです。
エアコンのドレンホースを延長し、排水を利用して芝生に水やり実験
エアコンのドレンホースを延長して、芝生のある土の上に排水を流してみることにします。
土にはある程度の保水力があるはずなので、広範囲の芝生を元気にできるかもしれません。

現状は、連日の猛暑日で芝生が枯れそうな状態です。

芝は葉を針のよう細く丸め、水の蒸散(蒸発)をできるだけ抑えることで、自らを守っています。

枯れそうなのは芝生だけではなく、芝よりも繁殖力が強い雑草(カタバミ)でさえも、枯れそうな乾燥状態です。
エアコンの排水を芝生に24時間与え続けた結果

エアコンの排水で芝生の一部分が元気になりました。
エアコンの排水を与え続けた部分の芝は、葉が開いて綺麗な緑色になっています。
水を与えていない部分は葉が針のように丸まって、黒ずんだように見えています。
しかし、エアコンの排水で元気になった芝生はごく一部です。
我が家の芝生の広さでは、焼け石に水 とでもいうのでしょうか?水の全体量が少なく芝生全体を元気にさせるだけの水分量は有りません。

この後、スプリンクラーを使って芝生に散水。
90分毎くらいの間隔でスプリンクラーの位置を変えて満遍なく水やりを行い、なんとか芝生を元気にさせる事が出来ました。
後日談
芝生の水やりをしっかりと行った2日後、
熱中症警戒アラートがずっと発令されている状態の高温下で、芝生がすぐに水切れ症状を起こしてしまっています。
しかし、ここで不思議な結果が見られました。

エアコンのドレンパイプから排水を与え続けている部分では、長方形に芝生が青々と元気な状態を保っています。
なぜこのような結果になったのかは不明です。
この実験を長期間にわたって続ければ、もっと詳しい実験結果を導き出せると思うのですが、
エアコンのドレンホースからの排水を利用する次の実験を思いついていますので、今回の自動水やり実験はこれで終了とします。
プランターで花や野菜を育てている場合、エアコンの排水を利用して水やりを自動化できるかもしれません。
今回の実験では、エアコンの排水を利用した広い芝生への水やりは水量が不足していました。
ただし、プランターなどで植物を育てる場合には、十分な水量が確保できそうです。
*注意:植物の種類によっては、水を与えすぎると根腐れを起こすことがあります。育てている植物が多くの水を必要とするのか、それとも乾燥気味の環境でよく育つのかを、事前に調べておくことが大切です。
プランターなどの水やりの場合には、鉢受にエアコンの排水をためる等の方法をとった方が良い場合も考えられます。
まとめ
エアコンの冷房時に発生するドパイプからの排水を有効活用するため、芝生への水やり実験を実施しました。
短期間の験であったため十分なデータを得るには至りませんでしたが、エアコンのドレンホースから排出される水によって芝生が元気になることを確認できました。
エアコンのドパイプからの排水は、芝生への水やりには水量が不足するという結果でしたが、プランターでの植物栽培における自動給水装置としては十分に活用できる可能性があります。
以上、
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